教養としての官能小説案内 の商品レビュー
官能小説の歴史と代表作家のカテゴライズで終始。引用箇所が偏っていて筆者の趣味嗜好が伺われる。ある意味定点観測で作家の違いと特徴がわかる仕掛けにはなっているのが良いとは言えるが、そもそも現行作家の中では大した違いはない。団鬼六、宇能鴻一郎のような飛び抜けた特色と文体はむしろ何も規制...
官能小説の歴史と代表作家のカテゴライズで終始。引用箇所が偏っていて筆者の趣味嗜好が伺われる。ある意味定点観測で作家の違いと特徴がわかる仕掛けにはなっているのが良いとは言えるが、そもそも現行作家の中では大した違いはない。団鬼六、宇能鴻一郎のような飛び抜けた特色と文体はむしろ何も規制のない現代であるにも関わらずしぼんでしまっていないか。 自分としては今だに半村良の性表現が最上に淫靡である。続いて夢枕獏がくるが、結局いずれも官能小説専任ではない。 つまりそういうことだ。
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官能小説評論家 永田守弘氏による官能小説の歴史です。第1部では、官能小説の変遷を追いかけながら重要な作家の紹介とその当時に流行(?)していた性癖についてまとめられています。第2部では、官能小説のジャンル分けについてまとめられ、それぞれの代表的な作品や作家が短いですが紹介されていま...
官能小説評論家 永田守弘氏による官能小説の歴史です。第1部では、官能小説の変遷を追いかけながら重要な作家の紹介とその当時に流行(?)していた性癖についてまとめられています。第2部では、官能小説のジャンル分けについてまとめられ、それぞれの代表的な作品や作家が短いですが紹介されています。抜粋ではありますが、紹介作品の濡れ場の一部が引用されているのが特徴だと思います。文学の本流から外れてしまう官能小説を体系的にまとめたという意味で貴重なものです。思っていた以上に時代の流れに敏感な業界なんだなと思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ネタバレ 2010年刊。耳目を引くためか、よく見かける表題「教養としての…」を用いるが、戦後の世相・世俗分析、官能小説家の文体・作風の特徴、世相と官能作家との関係性を著す(後半の一部はキャラ属性や関係性の特徴を述べるが)。構成や引用箇所、小見出しが明快で読みやすい。小説表現に常なるリアルさは不要だろうが、本書指摘の官能表現の誇張(男性作家に多い)は確かに興を削ぐこと甚だしい。また、肉食女子の氾濫を男性が忌避し、癒しを現代の官能小説に希求、とは得心。ただ、BL、LN系やハーレクイン的官能小説の言及なく、やや偏頗。 種々の定義がありうるところが、猥褻概念、そしてその摘発基準の変遷も、さわりではあるが本書で感得できる部分はある。現代のそれと摘発文献との比較をすれば、現代のそれの方が一層猥褻であるのは一目瞭然なので…。
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官能小説を書いたものであるが、歴史が書かれているが、図書館でも調べられるものが多かった。 また、後は、官能小説の羅列で、面白さもなかったが、作家の実像などは、面白かったです。
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日本の官能小説の歴史を綴った本。キワモノ常套と読んだがキワモノでした。 しかし真面目にプレイ内容解説されると勉強になる部分もある。気がする。
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官能小説という分野を、2つの視点から説明している。第1部は歴史の流れを追う。第2部ではジャンルの細分化を試みている。 性を超えて、文学として語ることは可能であるか?疑問を持つ。男女が持つ、本能をそのように表現すれば良いか?性交の描写の技法やタイトルは様々に工夫されている。嗜好と創...
官能小説という分野を、2つの視点から説明している。第1部は歴史の流れを追う。第2部ではジャンルの細分化を試みている。 性を超えて、文学として語ることは可能であるか?疑問を持つ。男女が持つ、本能をそのように表現すれば良いか?性交の描写の技法やタイトルは様々に工夫されている。嗜好と創造は方向性を持つのだろうか? 歴史、カストリ雑誌が取り締まり、発禁の時代を経て「ポルノ」として大衆に受け入れられる。女流作家が登場し、文庫として、消費の時代へ、さらに出版(発表)形態も、百花繚乱になる。 ジャンルによる分類として、外観的な区分をしている。1女の年齢2男の立場3女の職業。また、主観的に、4文体5流行6時代官能小説 52 ぐっと股間にこたえる表現 117 男性読者の股間を直撃する淫猥表現
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東大の仏文科出身(他にも京大や九大、早稲田)であったり、芥川賞の受賞歴のある官能小説作家がいたのは、やや意外だった。それは、そもそもが官能小説に対して偏見を持っていたからに他ならないからなのだろうが。荷風の『四畳半』から最近の作品にいたるまでが紹介されていて、それぞれの文体や語彙...
東大の仏文科出身(他にも京大や九大、早稲田)であったり、芥川賞の受賞歴のある官能小説作家がいたのは、やや意外だった。それは、そもそもが官能小説に対して偏見を持っていたからに他ならないからなのだろうが。荷風の『四畳半』から最近の作品にいたるまでが紹介されていて、それぞれの文体や語彙の工夫の跡はわかるが、あまり変わり映えがしないような…。
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逗子図書館にあり 官能小説と一口で言っても、実は色んなジャンルがあるんだな、と知った。 代表的な官能小説が紹介されているので、興味を持った人は、片っ端から読んでみる指南書になると思う。
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十年一日のごとく見えて、社会の変化を取り入れている官能の世界の面白さを垣間見られた。ジャンルが多様で非常に奥が深いと感じた。
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さらっと読める。 新書にありがちな構成ではあるが、官能小説からの引用や第二部の考察に関しては大変興味深い。
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