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わかりやすいはわかりにくい? の商品レビュー

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2014/06/29

 「自由」、「家族」、「市民性」、「コミュニケーション」といった13のテーマについての考察。  特に「時間」についての話で、時を流れていくものとして捉えたところで、どうしてその流れを自覚できるのか、自分もその流れの中にいるのに、というあたりが面白いと思った。時を区切ることで時が駆...

 「自由」、「家族」、「市民性」、「コミュニケーション」といった13のテーマについての考察。  特に「時間」についての話で、時を流れていくものとして捉えたところで、どうしてその流れを自覚できるのか、自分もその流れの中にいるのに、というあたりが面白いと思った。時を区切ることで時が駆られる、というのが面白い。うちの親は空いている時間は常に旅行に芝居に映画にと忙しく過ごしているが、この忙しさを作るのは時を駆るためではないかと思う。仕事をしないと自分から区切らないといけなくなってしまう、という例を表しているようだ。また、「責任」についての部分で、「何にでもなれるということは、あらかじめ何も決まっていないということ、(中略)自分がしたいことが見えないかぎり、何にもなれないということである」(p.94)の部分もなるほど、という感じ。この世の中、自分の生き方について何でもいい、とかよく分からない、という人は淘汰される、とまで言ってしまうと言い過ぎだろうか。でもこれと決めて、あるいはこうしたい、と思える人が圧倒的に強いことは確かだ。そう思えるように「キャリアデザイン」なんてことを考えなきゃいけないんだから。という、思考することの面白さを与えてくれる本だった。ただこういう文は高校の時に現代文なんかで読んでもめんどくさいと思うことの方が多かったが、今読むと面白いと思う。(14/06/--)

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2013/11/24

生きがい、やりがい、働き甲斐、人は何かをするときに、それをすることの意味を問う。あるいは自分はなぜここにいるのか、自分がここにいることに何の意味があるのかという意味を問いただす。今、自分がやっていることの意味がわからないのは苦痛である。

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2012/02/07

http://kumamoto-pharmacist.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-4189.html

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2011/11/16

responsibilityとかhospitalityの意味についての話が、なるほどなぁと思った。意味をただ探すのではなく、保留してみるというのも一つなんだなと思う。特に意図したわけではないけど、医療や子育てにつながる話があったのが大きな収穫でした。

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2011/07/11

パラドックス。反対側から見るとまた別のものが見えてくる。新鮮なのに、違和感なくすとんと落ちる内容。盲いだ眼をふわりと優しく啓いてくれる文章です。 先日、初めて鷲田先生の講演を聞きました。静かな語り口ながら、なかなか厳しい。聴衆が年配の方ばっかだったのはどうなんだろうか。若者にこそ...

パラドックス。反対側から見るとまた別のものが見えてくる。新鮮なのに、違和感なくすとんと落ちる内容。盲いだ眼をふわりと優しく啓いてくれる文章です。 先日、初めて鷲田先生の講演を聞きました。静かな語り口ながら、なかなか厳しい。聴衆が年配の方ばっかだったのはどうなんだろうか。若者にこそ届いてほしいメッセージが届いていないとしたら、残念。

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2011/06/11

〝ほんとのところよくわからない、とほんとうに思うようになるのが、ひょっとしたら老いのしるしなのだろうか。 死ぬ前に、理解できなくとも納得だけはしておきたい。自分がここにいる、いた、という事実を。 あるいは、ついに理解できなくても、このことがわからないという、そのことだけはわかって...

〝ほんとのところよくわからない、とほんとうに思うようになるのが、ひょっとしたら老いのしるしなのだろうか。 死ぬ前に、理解できなくとも納得だけはしておきたい。自分がここにいる、いた、という事実を。 あるいは、ついに理解できなくても、このことがわからないという、そのことだけはわかっておきたい……。 近ごろ、しきりにそう希うようになった。〟 と、いう書き出しではじまるこの本は、「モードの迷宮」や「じぶん・この不思議な存在」の頃とはまったく異なる雰囲気を発している。 〝老い〟というものを見つめだしたからだろうか、その文章からは不思議な魅力が漂ってくるように思える。 文章が成熟しきっていて、一文一文を読むたびに感動してしまう。いつか自分もああいう文章を書けるようになりたい。 しかし、あまりに文章が上手であるということは、同時に大きな危険性をはらんでいる。 完璧な文章で書かれると、内容までなんだか完璧に思えてしまう。批判しようとする視点が失われ、無批判にそれを受け入れてしまいがちになるのだ。 その点は気を付けながら読まないといけないな…と常々思う。 (篠崎)

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2011/05/10

【目的】 学生時代の知識欲を取り戻す 【引用】 ・幼子から青いひとまで、共通しているのは、ことがらには1つしか真理がないこと、そしてその真理はいまあきらかに「われ」の側にあるという確信だろう。 ・人間の弱さはそれを知っている人たちよりは、それを知らない人たちにおいてずっとよく現...

【目的】 学生時代の知識欲を取り戻す 【引用】 ・幼子から青いひとまで、共通しているのは、ことがらには1つしか真理がないこと、そしてその真理はいまあきらかに「われ」の側にあるという確信だろう。 ・人間の弱さはそれを知っている人たちよりは、それを知らない人たちにおいてずっとよく現れている。 ・…いま起こっている理解困難な問題、その本質が誰にもまだ見えていない問題を、自分がこれまでに手に入れた理解の方式で無理やり解釈し、歪めてしまうというのは最悪の対処の仕方であろう。 【感じたこと】 鷲田清一を追いかけて10年以上経つ。どこかで読んだことのある文章だと思いながらもどこで読んだか思い出せない。 自分は成長しているだろうか。同じ場所をぐるぐると回っているだけではないだろうか。このように問うこと自体が、この本の言わんとするところなのだろう。 【学んだこと】 問い続けること。問いの答えを探すことよりも問いの意味を考えること。 自立とは1人で立つことでもなく、支えあうネットワークの中で「助けてくれ」と声を上げれば、すっと手を差し伸べてくれる。そして自らも差し出すことができるようになること。見ず知らずのなじみのない人とも上手くやってゆけるように自分を鍛えること。 【行動】 問いを発し続けること。 問いの意味を考え抜くこと。

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