1,800円以上の注文で送料無料

Nの肖像 の商品レビュー

4.6

6件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・コミュニケーションが苦手であるというコンプレックス ・東大入学、不安と劣等感 ・原理研に勧誘される→ホームにかよう→2泊研修→七泊研修→21泊研修 ・話を聞いてくれる人のいる居場所 ・脱会のきっかけは、世界日報という職場への不信、祝福というものへの不信、見えない将来への不信。タイミングで、大学院への進学ができることになり、新たな居場所ができる。

Posted byブクログ

2018/06/20

読もうと思いながらずいぶん過ぎた。人事になり、今までの多少知的なモードが薄れ、俗事にかかりきりになるとなんとなく読み始める気になった。さすが語り口は暗くとも読みやすく分かりやすい。内部にいる人間としてもすごく平たく書かれた印象。誰かにお勧めはできないけれど、自分の心を確かめる程度...

読もうと思いながらずいぶん過ぎた。人事になり、今までの多少知的なモードが薄れ、俗事にかかりきりになるとなんとなく読み始める気になった。さすが語り口は暗くとも読みやすく分かりやすい。内部にいる人間としてもすごく平たく書かれた印象。誰かにお勧めはできないけれど、自分の心を確かめる程度には意味のある著作である。 18.6.15

Posted byブクログ

2012/11/02

最近、出版が続いている著者だが、その独特の視点やわかりやすい語り口での書き方がわかる統一教会で過ごした年月を振り返る著作。 東大への入学もすこし変わっているが、左翼の牛耳っている駒場寮から原理に入って、理系から文転するなどいろいろなことがある人生だなあと思った。個人的には最終章...

最近、出版が続いている著者だが、その独特の視点やわかりやすい語り口での書き方がわかる統一教会で過ごした年月を振り返る著作。 東大への入学もすこし変わっているが、左翼の牛耳っている駒場寮から原理に入って、理系から文転するなどいろいろなことがある人生だなあと思った。個人的には最終章の宗教の人生における位置づけなどは、理論的でもなく、少し距離をおいた感じの良い距離感で宗教を総括していると思った。 著者に興味がある人ならば、その作品の背景がわかって興味深いと思う。

Posted byブクログ

2012/08/12

この著者が統一協会に入会していたことは知ってたが、そのことに焦点を当てた本があるというので読む。  東大入学後から11年間統一協会の信者だった著者の率直すぎる体験談。入会にいたるまでの生い立ちと脱会するまでを淡々と書いている。一般的にイメージされているのと違う統一協会の内部の話な...

この著者が統一協会に入会していたことは知ってたが、そのことに焦点を当てた本があるというので読む。  東大入学後から11年間統一協会の信者だった著者の率直すぎる体験談。入会にいたるまでの生い立ちと脱会するまでを淡々と書いている。一般的にイメージされているのと違う統一協会の内部の話なども出てくる。  著者に興味があるひとは読んで損はない。どの本でも滲む著者の独特なスタンスはこの特異な生き方で培われたと分かる。

Posted byブクログ

2012/05/17

 いくつかの著作を通じて,著者にはだいぶ前から注目してた。専門とする思想史を明快に説いてくれる著書が多いが,まえがきやあとがきで毒を吐くのも忘れない。どうも変わり者のようで,なんだか気になっていた。三年前の本書出版は知っていたが,延び延びになっていて,今回ようやく読むことができた...

 いくつかの著作を通じて,著者にはだいぶ前から注目してた。専門とする思想史を明快に説いてくれる著書が多いが,まえがきやあとがきで毒を吐くのも忘れない。どうも変わり者のようで,なんだか気になっていた。三年前の本書出版は知っていたが,延び延びになっていて,今回ようやく読むことができた。  統一教会体験をテーマにした半生記。彼は東大入学以来11年余り,統一教会にどっぷり浸かってたわけだが,その経緯と記録。実像が見えにくい宗教団体だけに大変貴重だし,興味深い。  日教組や左翼的なものに対する不信感を覚えた中学時代。小さいころから「ドン(鈍)」であるという劣等感。勉強だけはそこそこできて,広島の一般家庭から東大合格し上京。駒寮に入寮するも,原研に入ったことで寮を牛耳る民青から蔑まれ,「ホーム」に転がり込んだ恰好。  統一教会どっぷりと言っても,信仰心は深くない不良信者だったそうだ。人付き合いは依然苦手で,「万物復帰」なるセールスもなかなか上手くいかない。大学には居場所がなく,宗教活動も思うようにいかない。合同結婚式も挙げるが,相手ともうまくいかない。  かなりの足踏みをしたが,教会を脱退して大学院へ進学し,幸い就職も決まる。駒大の非常勤講師→金沢大の教員。統一教会での長い寄り道も,著者は苦にしてるわけではない。嫌なことも多かったが,世間で言われているようなカルトではないと擁護も。霊感商法を組織的にやっている事実もないし,そもそも共同生活を通して絆を深め,運動(信仰)を深化していこうという発想は,マルクス主義的左翼も熱心に実践していた。大学でも原研は民青や新左翼と敵対関係にあったわけだが,それは近親憎悪のようなもの。著者は新宗教への不当な偏見に今でもかなり反感をもっている。  著者が統一教会に入ったのは,コンプレックスや反抗心などの素質もあったのだろうが,やはり何より巡り合わせなのだ。駒寮生たちが優しく接してくれたら,民青に入っていたかもしれないと書いている。「度を超えた安全志向」から,少しでも「居心地のいい場所」を求めて,気付けばそこにいたのだ。

Posted byブクログ

2012/04/21

統一教会vs左翼という当時の時代背景を全面に押し出して話が進んでいくので、その対立からくる著者の葛藤(統一教会には信者的にも納得のいかないところが多いが、かといって左翼の奴らはうざい)から<何が宗教的なのか>ということを考えさせられることが多かった。 おそらく筆者がひねくれもの...

統一教会vs左翼という当時の時代背景を全面に押し出して話が進んでいくので、その対立からくる著者の葛藤(統一教会には信者的にも納得のいかないところが多いが、かといって左翼の奴らはうざい)から<何が宗教的なのか>ということを考えさせられることが多かった。 おそらく筆者がひねくれもので、統一教会=悪という一般的な価値観に対抗するためであろうが、やや統一教会の肩を持ち過ぎかな?という気もしなくもない。かといって、安易に統一教会(に限らないが)を批判する人たちが十分に自己内省出来ているかというとそうでもないことが多いのは容易に想像できるし、そういった人たちに遍たくないという気持ちもよくわかるのだが。

Posted byブクログ