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神学とキリスト教学 の商品レビュー

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2016/07/23

四人の発題者と一人の司会者による、「神学とは何か」(キリスト教学、キリスト教文化学、宗教学などとは何が違うのか)を問うたシンポジウムの記録集。 第一章の神代論文は、神学校としての東京神学大学の立場を反映している。教会の学として、教会共同体や信仰を前提とした営みが神学であるとする...

四人の発題者と一人の司会者による、「神学とは何か」(キリスト教学、キリスト教文化学、宗教学などとは何が違うのか)を問うたシンポジウムの記録集。 第一章の神代論文は、神学校としての東京神学大学の立場を反映している。教会の学として、教会共同体や信仰を前提とした営みが神学であるとする。 第二章の川島論文は、東大宗教学の歴史を中心に記し、自身の「予防宗教学」(カルト被害を防ぐ)を紹介している。 第三章の西原論文は、自身の立教大学=聖公会の立場から、キリスト教学と神学との境をぼかす方向を論じている。 第四章の深井論文は、ドイツ帝政期の神学的状況から、「反教会的」でない文化的・学問的神学の意義を論じている。日本にも「移植」されたプロテスタント的社会構造の意義を論じる、公共神学の必要を訴えている。 第五章では、司会者の森本あんり先生が、四人に対する的確な批評と自身の神学理解を明らかにしている。私自身、学部時代に先生から神学的思考の一端を垣間見させてもらったが、感謝を持って思い起こしながら読了した。

Posted byブクログ