江戸の怪奇譚 の商品レビュー
本自体(筆者の解釈)はあまりピンとくるものがなかったが、江戸時代のいろいろな資料からエピソードを紹介しており、その人たちが当時何を思ってこういう怪異を書き記していたのかを想像すると興味深い。旗本とか旗本夫人とか学者とかインテリ層が真面目に不思議な話やイラストを日記に残しているわけ...
本自体(筆者の解釈)はあまりピンとくるものがなかったが、江戸時代のいろいろな資料からエピソードを紹介しており、その人たちが当時何を思ってこういう怪異を書き記していたのかを想像すると興味深い。旗本とか旗本夫人とか学者とかインテリ層が真面目に不思議な話やイラストを日記に残しているわけで、今の学者はそういうこと書くのかな?そこがとても気になった。 「井関隆子日記」 「浮世の有様」 石塚豊芥子「街談文々集要」 松浦静山「甲子夜話」 根岸鎮衛「耳嚢」 平田篤胤「仙境異聞」 三好想山「想山著聞奇集」 池田由子「児童虐待」 阿部正信「駿国雑志」 川村貞四郎「官界の裏表」 宮崎成身「視聴草」 鈴木桃野「反故のうらがき」
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江戸時代に起きた妖怪に関する事件を取り上げる。タイトルだけ見ると妖怪がらみの事件を紹介している本だと思えるが、「この妖怪は実はある事柄(事件)が変化していって、妖怪になったのでは?」という論理的な解説をしていて、様々な角度から妖怪を考察している。
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江戸時代のふしぎな話や妖怪の話を集めたものだと思って読んだからびっくり。 河童はストリートチルドレンだった、天狗は人攫いだったなど不思議な話や妖怪話を通じて江戸時代の闇をみる。 そんな学術的な本でした。 いや、それはそれで面白かったけどね。 結局生きている人間が一番怖いというよう...
江戸時代のふしぎな話や妖怪の話を集めたものだと思って読んだからびっくり。 河童はストリートチルドレンだった、天狗は人攫いだったなど不思議な話や妖怪話を通じて江戸時代の闇をみる。 そんな学術的な本でした。 いや、それはそれで面白かったけどね。 結局生きている人間が一番怖いというような内容の中、「老女と狸」のような狸に関するエピソードだけがほっこりしました。 狸とおばあさんの組み合わせはいいね、かちかち山以外は
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日常に頻繁に起こっていたという子供たちの神隠し。町の安寧秩序を乱し、禁令が出たほどに過激だった地域の子供たちによる抗争。年老いた親を介護する孝子がいれば、看病疲れの末に病み衰えた老父を滝に投げ込み自らも自害する息子や、貧しさゆえに親の死骸を菰に包んで路上に捨てざるをえない者もいた...
日常に頻繁に起こっていたという子供たちの神隠し。町の安寧秩序を乱し、禁令が出たほどに過激だった地域の子供たちによる抗争。年老いた親を介護する孝子がいれば、看病疲れの末に病み衰えた老父を滝に投げ込み自らも自害する息子や、貧しさゆえに親の死骸を菰に包んで路上に捨てざるをえない者もいた。盗賊や熊と見間違え起こったという不可解な親殺し。体内から針を吐き出す少女。その針は何故体内に入ったのか。武家屋敷の屋根に落とされる腐乱死体の噂。真面目で大人しい旗本がある日豹変して同僚を惨殺する、それは日頃行われていた陰惨な虐めの報復だった……。 一見、人情味溢れる江戸の町でも、現代となんら変わりのない残忍無比な犯罪は起こっていた。「天保雑記」をはじめとする当時の文献や文書に記された様々な「怪奇」、その正体と裏側に潜む人間の生々しい心の問題に踏み込む12の事件譚。
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怪奇譚の紹介というよりは、怪奇譚を現代風に解釈した本と言う感じ。 やっぱりどんな時代でも人間ある所にはネガティヴな話題はどうしても避けられないようで、いじめやら猟奇殺人やら虐待やら、「現代の病理」とかよく聞くけど、どの時代も変わらんなこりゃ…うへあ…とか言いながら最後までしっかり...
怪奇譚の紹介というよりは、怪奇譚を現代風に解釈した本と言う感じ。 やっぱりどんな時代でも人間ある所にはネガティヴな話題はどうしても避けられないようで、いじめやら猟奇殺人やら虐待やら、「現代の病理」とかよく聞くけど、どの時代も変わらんなこりゃ…うへあ…とか言いながら最後までしっかり読んでしまいました。 こういう事件が現代にも通じている、というのがなんと言うか人間の業みたいなものを思わせます。絶対やっちゃいけないんだけど。
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江戸の怪談をいろんな角度で調べてます。結局人が一番怖いんじゃないかしらんと結論付けられていたりいなかったり。余談ですが、平田篤胤も会談研究していたんですね。
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ただの怪談ではない。 また、江戸時代の怪奇譚を紹介しているだけでもない。 怪奇譚を現代的に分析している点が斬新。
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江戸時代に起こった怪事件や怪異譚(風聞含む)を、当時の資料や著書を通して解釈し、同時に著者の現代的な視点から解き明かそうとしたもの。「神隠し」「天狗の人攫い」を児童虐待や僧侶による少年愛、「河童」をストリートチルドレンとして解釈する見方は興味深い。だが怪異を須らく合理的解釈に結び...
江戸時代に起こった怪事件や怪異譚(風聞含む)を、当時の資料や著書を通して解釈し、同時に著者の現代的な視点から解き明かそうとしたもの。「神隠し」「天狗の人攫い」を児童虐待や僧侶による少年愛、「河童」をストリートチルドレンとして解釈する見方は興味深い。だが怪異を須らく合理的解釈に結び付けたり、当時の人間の迷信として否定していないところには好感が持てる。 「本書で紹介された幾つかの残酷シーンに無邪気で陰湿な興味を抱く読者がいるかもしれない点だが、そんな『子供』や『未熟な大人』にこの本はお勧めできない。これは他人が何と言おうと学術書(の一種9であり、彼らの渇を癒すにはいささか内容が複雑すぎるからだ」 とのあとがきでの著者の言葉に、この本の性格と著者の態度(矜持)がよく表れているように思う。であればこそ、帯の煽りがいささかセンセーショナルというか、文字通り“煽り”となってしまっているようにも思えるのだが。
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