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紙魚家崩壊 の商品レビュー

3.1

50件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/10/19

北村さんの円紫さんと私シリーズや直木賞を受賞したシリーズが好きです。 近年は中野のお父さんシリーズで、蘊蓄があふれるものが増えています。 本作もかなり蘊蓄があふれていて、初期の作品のためか、物語としてはすこし?となることもあります。 まるで滝沢馬琴が八犬伝で一つ一つ蘊蓄を書き並べ...

北村さんの円紫さんと私シリーズや直木賞を受賞したシリーズが好きです。 近年は中野のお父さんシリーズで、蘊蓄があふれるものが増えています。 本作もかなり蘊蓄があふれていて、初期の作品のためか、物語としてはすこし?となることもあります。 まるで滝沢馬琴が八犬伝で一つ一つ蘊蓄を書き並べていたかのようです。 北村さんの博学を知るきっかけとしてはよいのかもしれません。

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2024/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

紙魚家崩壊 九つの謎 北村さんの連作短編集と思って思わず買ってしまいましたが、実は各紙に発表した短編を集めた短編集でした。 「溶けていく」「紙魚家崩壊」「死と密室」「白い朝」「サイコロ、コロコロ」「おにぎり、ぎりぎり」「蝶」「俺の席」「新釈おとぎばなし」の9つのお話。 「紙魚家崩壊」と「死と密室」、「サイコロ、コロコロ」と「おにぎり、ぎりぎり」は同じ設定の続編短編です。 「溶けていく」はサイコホラーっぽい、普通のOLが自壊していく様子を淡々と語ったお話で北村さんとしてはちょっと異色かな?デビュー当時の日常の謎系のサイコロとおにぎりが最も楽しく読めました。 新釈おとぎばなしは、ちょっとしたギャクに北村さんの年を感じてしまいました。(笑) 何気なく手にとった本ではなく、”北村ブランド”を期待してしまったために評点は低くなってしまいましたが、物語的には十分楽しめた一冊でした。 私の左手と右手は恋人同士なんです、というのはちょっと気に入った竹蔵でした。 竹蔵

Posted byブクログ

2024/01/09

北村薫氏の、初期の頃の短編集。 ごく短いものも、割と長めのものもあり、味わいもさまざま。 スッパリ謎が解けないような(私だけ?)ものもあり、真実は幾重にも折り畳まれた文章の中に隠れているのかも。 『溶けていく』 サイコホラー? 実際に溶けているのはアイスクリームだが、最後は画面...

北村薫氏の、初期の頃の短編集。 ごく短いものも、割と長めのものもあり、味わいもさまざま。 スッパリ謎が解けないような(私だけ?)ものもあり、真実は幾重にも折り畳まれた文章の中に隠れているのかも。 『溶けていく』 サイコホラー? 実際に溶けているのはアイスクリームだが、最後は画面もヒロインも何もかもドロドロに溶けて流れ落ちているような感じがする。 『紙魚家崩壊』と『死と密室』は、同じ探偵と助手の女性が扱った事件簿。 当事者たちの心理を負えば追うほど、一筋縄ではいかなくなる。 『白い朝』 一番好きな話。 娘夫婦に子供が産まれることになって、懐かしい時代を回想する。 『サイコロ、コロコロ』と『おにぎり、ぎりぎり』は、園芸関係の出版社に就職した千春(ちはる)さんの身の回りのこと。 先生たちの、ちょっとかわいい謎と、残念だけどほほえましい謎解き失敗。 『蝶』 これは、何を描こうとしたのか私の鈍い感性では分からなかった。 『俺の席』 ホラーでもなんでもなく、日常の違和感を描いてゾッとする話。 オチが・・・よくオチてる。 『新釈おとぎばなし』 パロディは、元ネタがよく知られたものでなくては多くの人が楽しめない。 その点、おとぎ話は適任である。 「カチカチ山」を、「おばあさん殺害事件」として、ウサギ探偵が捜査する傑作!

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2018/05/09

ミステリ短編集。ということで、油断して読み始めたら1篇目の「溶けていく」が想定外にホラーちっくだったのでどぎまぎ。 好きなのは、まず「サイコロ、コロコロ」「おにぎり、ぎりぎり」。推理したがりの先生がいいキャラしていて好き。 「白い朝」これも好き。ほのぼの老夫婦。 「新釈おとぎばな...

ミステリ短編集。ということで、油断して読み始めたら1篇目の「溶けていく」が想定外にホラーちっくだったのでどぎまぎ。 好きなのは、まず「サイコロ、コロコロ」「おにぎり、ぎりぎり」。推理したがりの先生がいいキャラしていて好き。 「白い朝」これも好き。ほのぼの老夫婦。 「新釈おとぎばなし」カチカチ山をミステリ仕立てで描いた作品。 ホラーっぽいものからメタミステリ、コミカルな作品までわりとバラエティ豊かな短編がそろっている感でなかなかお得な気持ち。

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2017/03/28

北村氏の作品といえば、美しく落ち着いた表現と男性作家とは思えない女心の機微を捉えた内容だという印象がありましたが、本書は少し毛色が異なった短編集。 ホラー的なもの、ブラックなものなどは好みでなかったし、両の手が恋し合う女性探偵の話はもう少し広がりが欲しかった。最後の中編「新釈おと...

北村氏の作品といえば、美しく落ち着いた表現と男性作家とは思えない女心の機微を捉えた内容だという印象がありましたが、本書は少し毛色が異なった短編集。 ホラー的なもの、ブラックなものなどは好みでなかったし、両の手が恋し合う女性探偵の話はもう少し広がりが欲しかった。最後の中編「新釈おとぎばなし」は本格ミステリの立場から分析しているものの、やはり少し意地悪さが感じられて北村氏らしくないと思った。

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2016/09/24

表題作をはじめとする、9つの短編集。繋がっている作品もありますが、9編通しての関連性はありません。連作ではなく、カラーも文量もまちまち。好みは人それぞれかと思います。 なんと言っても「溶けていく」が怖い。静かな、しかしハッキリとした狂気に身がすくみました。一方で、「カチカチ山」...

表題作をはじめとする、9つの短編集。繋がっている作品もありますが、9編通しての関連性はありません。連作ではなく、カラーも文量もまちまち。好みは人それぞれかと思います。 なんと言っても「溶けていく」が怖い。静かな、しかしハッキリとした狂気に身がすくみました。一方で、「カチカチ山」パロディは、いかにも推理雑誌への寄稿文らしい洒落が効いており随所でクスクスと笑わされます。 ただ、本の性格上、1冊通しての印象が薄いのは事実。やっぱり北村さんは長編向きなのかなあ、という想いで解説を読んでいたら、思わぬサプライズがありました。ううむ、こういう微笑ましい仕込みを織り込んでくる辺り、やはりさすがと言わざるを得ません。

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2022/11/13

〇 感想  北村薫が直木賞を取ったことをきっかけとして作成された…と思われる短編集。特にまとまりがなく,短編のデキも玉石混交。むしろ石が多い。「新釈おとぎばなし」はそこそこ面白かったが,ほかの作品がイマイチだった。トータルでは★2かな・・・。 〇 溶けていく ★★★☆☆  ミス...

〇 感想  北村薫が直木賞を取ったことをきっかけとして作成された…と思われる短編集。特にまとまりがなく,短編のデキも玉石混交。むしろ石が多い。「新釈おとぎばなし」はそこそこ面白かったが,ほかの作品がイマイチだった。トータルでは★2かな・・・。 〇 溶けていく ★★★☆☆  ミステリというよりホラー。ヒロイン,美咲が壊れていく様子が描かれている。なまじ,人物描写がうまいだけに,美咲がこわれていく様子がリアルに描かれていて怖い。 〇 紙魚家崩壊 ★★☆☆☆  両手が恋をしている女と探偵の話。シリーズモノのようであり,両手が恋をしている女や探偵について詳しくは書かれていない。密室モノではあるが,トリックは本を倒して心張り棒のようにするというもので陳腐。1+1=1,2-1=0の心理は,本マニアとしてよく分かる。とはいえトリックも陳腐だし,物語としてみても平凡。凡作だと思うが,これが表題作という時点で,この短編集のレベルの低さが分かる。 〇 死と密室 ★☆☆☆☆  両手が恋をしている女と探偵の話。密室事件なのだが,これといったトリックはなく,何かのために死ねる道が見え,そこに向かった老境に至ったミステリ作家の話。言いたいことは分からないではないが,ミステリとしてはさっぱり面白くないし,小説としてもつまらない。 〇 白い朝 ★☆☆☆☆  バックミラーにだけ霜が付かないのはなぜかという謎。真相は,新聞配達の人がオハヨーと書き,それを主人公が消していたというもの。ミステリといえるようなものではない。ちょっといい話。北村薫っぽいとは思うが,正直,つまらない。 〇 サイコロ,コロコロ ★★★☆☆  ショートショート。10面サイコロを学校の先生が生徒を指すために使っているというのは面白い。生徒が作った生徒を指すための道具に,自分の番号を抜いておいたというのも,まぁ,面白い。ショートショートとしてはなかなか。 〇 おにぎり,ぎりぎり ★★★☆☆  丸,俵,三角のおにぎりを誰が作ったかを推理する話。三角が一つしかなかったのは,一つ作った後,先輩のが可愛いから真似をしたというのがオチ。探偵ぶって推理するが,非論理的な行動によって推理が間違ってしまったという話で,結構好き。 〇 蝶 ★★☆☆☆  ヒロインが友人の友利子の夫に好意を抱いてしまったという話だと思われる。ミステリ的な要素はあるが,ミステリではなく,恋愛絡みのちょっとした小話。全体敵に曖昧な雰囲気であり,分かりにくく,あまり好みの作風ではなかった。 〇 俺の席 ★★★☆☆  世にも奇妙な物語風の作品。電車内での話の部分は,なんともいえない奇妙な雰囲気だがオチがイマイチ。ショートショートで傑作を書くのは本当に難しいと思う。この作品もショートショートとしてはまぁ、普通の出来か。 〇 新釈おとぎばなし ★★★★☆  おとぎばなしについてのエッセイ風の物語だが,カチカチ山を踏まえて,ミステリ的な話を作っている。昔話における「おばあさん」が思っている以上に若いという事実と,カチカチ山でたぬきがおばあさんをナベにしたのは,誰が被害者かを分からなくするため。おじいさんが主犯の保険金詐欺だったという真相は面白い。こういうユーモアと稚戲にあふれる話は好み。

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2016/08/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一種の狂気を内側に持った人たちが この一冊にはたくさんいて。 残念ながらこの本は好みではなかった。

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2016/08/11

日常の生活の中のミステリー 溶けてゆく 少し怖い話 紙魚家崩壊 死と密室 白い朝 北村薫さんらしい作、中学生円紫さん サイコロ、コロコロ おにぎり、ぎりぎり 蝶 俺の席 新釈おとぎばなし

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2016/07/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

掌編から中編まで、様々な謎を盛り込んだアンソロジー風作品。 それぞれのテイストがまるっきり違っていて、不思議な感じ。北村さんって、ベッキーさんシリーズしか読んでなかったけど、印象が変わるな~。9つの作品のうち、おもしろかったのは、標題作と白い朝、俺の席かな…

Posted byブクログ