完本 ジャコメッティ手帖(Ⅰ) の商品レビュー
ジャコメッティの、ものの見方や、事象への感じ方について、モデルをした矢内原氏の幾つかの著書で興味深く読んだ。本書はそれらの根となった手帖で、1955年~57年のパリで、タブローを制作しながら交わされた言葉などが、濃縮されている。もちろん、その見方を身で実感することは、できないのだ...
ジャコメッティの、ものの見方や、事象への感じ方について、モデルをした矢内原氏の幾つかの著書で興味深く読んだ。本書はそれらの根となった手帖で、1955年~57年のパリで、タブローを制作しながら交わされた言葉などが、濃縮されている。もちろん、その見方を身で実感することは、できないのだけれども、「エクリ」の難解さに呆然とした身では、本書で対話を辿る方が、理解しやすかった。アトリエを訪れたジュネが、絵画を教養として階級づける事に無関心であり、いいかわるいかしか無いのだと云っていたことが、ジュネらしいなあ、と思う。
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矢内原伊佐作とジャコメッティ、単なるモデルと芸術家ではなく、魂の交流、真摯な対話、その濃密な時間と哲学者ゆえのたんたんとした記述、読んでいて息苦しくなる。
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