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旧約聖書外典偽典概説 の商品レビュー

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2021/03/25

「旧約聖書続編講義」の読み物的な性格とは違って、かなりの数の外典偽典を網羅しており、簡素な概要とその性格・意義、成立年代や著者についての議論を列挙している本。一つ一つに割くページ数はかなり少ないけど、それぞれに参考文献を丁寧に示してくれているのはとても助かる(当たり前ながらほぼ全...

「旧約聖書続編講義」の読み物的な性格とは違って、かなりの数の外典偽典を網羅しており、簡素な概要とその性格・意義、成立年代や著者についての議論を列挙している本。一つ一つに割くページ数はかなり少ないけど、それぞれに参考文献を丁寧に示してくれているのはとても助かる(当たり前ながらほぼ全てが外国語文献だけど)。付録の地図や家系図もすごく良い。より詳しく調べたい人向けのとっかかりにするような本で、外典は買ったのでいいのだが偽典はいまいちイメージがわかないものもある。〇章〇節のここが…みたいな議論はこれだけだと分からないし、偽典の文書も手元に欲しいなあ…高くて手が出しづらいけど…。

Posted byブクログ

2017/06/20

タイトルの通り旧約聖書に関する外典と偽典のみを対象とした概説書です。 外典からは『第一マカベア書』『第二マカベア書』『第一エズラ書』『トビト書』『ユディト書』『ダニエル書への付加』『マナセの祈り』『エステル記への付加』『エレミヤの手紙』『バルク書』『ベン・シラの知恵』『ソロモン...

タイトルの通り旧約聖書に関する外典と偽典のみを対象とした概説書です。 外典からは『第一マカベア書』『第二マカベア書』『第一エズラ書』『トビト書』『ユディト書』『ダニエル書への付加』『マナセの祈り』『エステル記への付加』『エレミヤの手紙』『バルク書』『ベン・シラの知恵』『ソロモンの知恵』『詩篇151篇』が取り上げられ、偽典からは『アリステアスの手紙』『スラヴ語エノク書』『十二族長の遺訓』『ソロモンの詩篇』『シリア語バルク黙示録』『第四エズラ書』『第三マカベア書』『第四マカベア書』『エレミヤ余禄』『預言者の生涯』『ギリシア語バルク黙示録』『モーセの遺訓(モーセの昇天ギリシア語断片)』『アダムとエバの生涯、モーセの黙示録』『アブラハムの遺訓』『ヨブの遺訓』『ヨセフとアセネテ』『ヨベル書』『第一エノク書』『聖書古代誌(偽フィロン)』『イザヤの殉教と昇天』『シビュラの託宣』が取り上げられています。 これら各々の外典偽典に対する内容・伝承・著作年代・著作場所・思想・性格などについて著者自身の考察を交えた丁寧な概説がなされており、また世界の聖書研究がどれくらい進んでいるのかということも大まかにではありますが把握することができます。 また末尾に付されている"年表"は前334年のアレクサンドロス大王による東方遠征開始から後132-135年の第二次ユダヤ戦争(バル・コクバの乱)までの大まかな歴史の流れを知ることができますし、"家系図"はハスモン家とヘロデス家についてページ全体を使用して描かれていますし、"地図"は本書該当地域に関して●=都市,〇=小さい町・村,★=砦といったように眺めるだけでも楽しめる作りになっています。 ただし全体的に"( )"による注釈が本文内にあまりにも多く差し込まれているので、一度目の通読では必要以上に疲れてしまう方もおられるかもしれません。 ですが噛みしめるほど味の出る内容となっており、正典だけでは物足りなくなって外典偽典にも興味をもった方には魅力的な一冊となっています。

Posted byブクログ