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海の翼 の商品レビュー

4.5

30件のお客様レビュー

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2012/06/03

エルトゥールル号と言う軍艦をご存知だろうか? 最近は、クイズ番組や、様々な番組で時折名前が出るようになってきたので、少しずつ知られてきている気もします。かく言う私も、そんなテレビ番組でエルトゥールル号の名前を知った一人ですが。 エルトゥールル号が和歌山県串本沖で遭難したのは、1...

エルトゥールル号と言う軍艦をご存知だろうか? 最近は、クイズ番組や、様々な番組で時折名前が出るようになってきたので、少しずつ知られてきている気もします。かく言う私も、そんなテレビ番組でエルトゥールル号の名前を知った一人ですが。 エルトゥールル号が和歌山県串本沖で遭難したのは、1890年の事。それから、100年の時を経た1985年。事実上日本政府から見放されていたイラク在住邦人の救出のために救援機を飛ばしたのは、100年前の事を忘れていなかったトルコの人たちでした。 って言うか、救難機も飛ばせない日本て、何なんでしょうね? フラッグキャリアなのに、何もしない航空会社って、何なんでしょうね? それから20年以上経った今、その救援機を飛ばさなかったフラッグキャリアは、事実上の倒産状態ですが。 一応小説という形態を取っているので、1985年の話に登場する人物達は仮名です。ですが、イラク在住邦人達を仮名にするのは理解できますが、当時の日本政府の閣僚たち、当時の日本のフラッグキャリアの人物達を仮名にする理由がわかりません。当時、それぞれの人々がその職に有ったのは事実なので、実名でも問題は無いのでは?と思いました。って言うか、実名にすべきだと思います。 最近、歳を取ったんですかね~。読みながら、トルコの人達がイランに救援に行く件では、何故だか思わず泣きそうになってしまいましたよ。

Posted byブクログ

2012/05/18

『恩』と言うものが、どれだけ人の心を揺さぶるものかを感じました。 エルトゥールル号遭難事件と日露戦争勝利の2つが、トルコ(オスマン)の人々に子々孫々まで大きな影響を与えていたんですね。秋山真之が絡んでいた事、野田正太郎や山田虎次郎と言う人物がいた事、そして95年後のイランイラク...

『恩』と言うものが、どれだけ人の心を揺さぶるものかを感じました。 エルトゥールル号遭難事件と日露戦争勝利の2つが、トルコ(オスマン)の人々に子々孫々まで大きな影響を与えていたんですね。秋山真之が絡んでいた事、野田正太郎や山田虎次郎と言う人物がいた事、そして95年後のイランイラク戦争での事は全く知りませんでした。作品には、都合の良い脚色も多いかと思いますが、真実を追求する意味はあまりなく、素直にトルコ人に感謝したいです。 ただ、本書の「解説」で、日本人を過小評価している内容がありました。エルトゥールル号遭難事件で、最初に日本人がトルコ人を助けたのは、『恩』ではなく純粋な『人道的見地』からの行為です。イランイラク戦争でのトルコ人の行為は『恩』が先立っての『人道的見地』です。そう考えると、『恩』もないのに『人道的見地』のみで行動した当時の日本人も素晴らしく、その子孫である我々にその血は受け継がれています。 そんな風に視点を変えると、日本人は、過去の恩に捉われ過ぎず、『人道的見地』から平等な行動できる民族なのかもしれません。もちろん『恩返し』は素晴らしい事であって、恩に熱いトルコ人は大好きです。少なくともこの作品(出来事)は、日本人もトルコ人も素晴らしいと言う事が物語られているだけに、締めである「解説」の内容としては矛盾を感じるものでした。 そうは言っても、作品自体は素晴らしいもので、涙なしには読み続ける事ができません。その涙腺を緩めるものは『人道的見地』ではなく『恩』だったりするんですよね! エルトゥールル号遭難事件は1890年、日露戦争勝利は1905年、イランイラク戦争(邦人のイラン脱出)は1985年、トルコ大地震(日本の支援)は1999年、東日本大震災(トルコの支援)は2011年、色々と助け助けられています。これからもこんな関係を続けて行きたいものです。 ---☆--- 下記の記事で、トルコ首相の気持ちに「エルトゥールル号遭難事件」があると感じる事ができるのは、知る人ぞ知る人の特権ですね。 【東日本大震災の記事から】 震災後には、世界20カ国・地域から救助隊や医療支援チームが来日。3月20日に現地入りしたトルコの救助隊が約3週間と最も長く活動した。エルドアン同国首相は「日本に十分貢献するまで帰国するな」と送り出したという。・・・背景にはトルコ国民の親日感情に加え、地震国としての共感がある。1999年に約1万7000人が死亡したトルコ大地震で、日本が救助隊を送ったことは同国民の記憶に新しい。 ---☆--- ありがとうございます。

Posted byブクログ

2012/04/13

もうじいさんな年頃になってきたというのに、恥ずかしいが、朝の通勤バスの中でこの本を読書中に落涙してしまった。小説としてはかなり下手くそなのだが、やはり、「受けた恩義を100年忘れなかったトルコの人々」という単純だが人としてうれしいストーリーに感動する。人間って捨てたもんやないなぁ...

もうじいさんな年頃になってきたというのに、恥ずかしいが、朝の通勤バスの中でこの本を読書中に落涙してしまった。小説としてはかなり下手くそなのだが、やはり、「受けた恩義を100年忘れなかったトルコの人々」という単純だが人としてうれしいストーリーに感動する。人間って捨てたもんやないなぁ、いや、日本人も捨てたもんやないと思ってもらえる行動ができているのだろうか。エルトゥールル号事件とテヘラン邦人救援機の話は、人情噺としておぼれてしまいそうになるが、時代背景や事実関係については、ちょっと調べてみたい。

Posted byブクログ

2012/03/07

トルコは日本人に優しい親日国家だなんて、歴史的背景とトルコ人のことを知らないで言っている自分が恥ずかしかった。 その意味で出会えてよかった一冊です。後半は久々に感動して泣けてきました。

Posted byブクログ

2012/02/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

このハナシはデスねー。 やべえデス。 いまから120年前の1890年。和歌山県・紀伊大島沖で、トルコの軍艦エルトゥールル号が沈没するという海難事故がおきたとき、紀伊大島島民が献身的な救援作業をおこなったことを発端に、遭難者への義捐金運動が日本じゅうに広がり、ついに明治政府は2隻の軍艦で当時国交のなかったトルコへ向けて生存した遭難者を送り届けたということがあったそうで、現在でもトルコ国内ではそのとき受けた恩義を、日露戦争で日本がロシアを破ったことでロシアの脅威がトルコに及ぶことが防がれたことと併せ、教科書や口伝によって語り継いでいるのだそうです。 エルトゥールル号の事故からおよそ100年後。 イラン・イラク戦争只中の1985年、イラク・フセイン大統領が突如「3月19日20:30以降にイラン上空を飛ぶ全ての航空機を無差別撃墜する」ことを宣言。当時イランの首都・テヘランに在留していた外国人が次々に国外へ脱出するなか、日本政府が取り残された自国民を脱出させる航空機を飛ばすことができない状況で、トルコ政府は、トルコ国民を救出するタメの航空機に加え、100年前の恩がある日本人のタメに航空機を飛ばすことを決断。 さらに、在留トルコ人は、1機の航空機に乗り切ることができなかった日本人を優先的にトルコ人用の航空機に乗せ、自らは戦渦の陸路で帰国することを選ぶというトンでもない行動で、語り継がれた恩義がカタチばかりのモノではないことを証明したというのです。 日韓W杯のときのトルコのイルハン選手とかの報道から、トルコ人には親日家が多いとは聞いていましたが、その陰にあった「エルトゥールル号」はおろか、わが国の国民が受けたイラン・イラク戦争での恩さえ、恥ずかしながら、この本を読むまで存じあげておりませんでした。 私を含め、自己の利益を第一に考えるようになってしまったように見える現代のニホン人が、自国民の脱出すらさせられない政府をもつ現代のニホン人が、同じような状況で他国のヒトに席を譲ることができるかどうかは、残念ながら甚だ疑問です。 そういうイミでも、一連のトルコの友情をニホン人はおしなべて、すべからく知るべきであり、ワレワレが受けた恩を常に心にとどめておくべきだとおもいました。 「グローバル化」ってそういうことだとおもう。 とにかく、まず読んでいただきたい本です。 ちょっと読みにくいけどね。 http://blueskyblog.blog3.fc2.com/blog-entry-1605.html

Posted byブクログ

2012/01/23

史実に基づく小説。日本人として知っておくべき歴史。次は日本人が恩返しする番だと思いますが、我々日本人はいざという時に行動出来るのでしょうか? 事情・状況はわかりますが、当時の日本航空の労働組合!なんとかしろよ、とつい思ってしまいました。 また、小説内で都合によりトルコからの救援機...

史実に基づく小説。日本人として知っておくべき歴史。次は日本人が恩返しする番だと思いますが、我々日本人はいざという時に行動出来るのでしょうか? 事情・状況はわかりますが、当時の日本航空の労働組合!なんとかしろよ、とつい思ってしまいました。 また、小説内で都合によりトルコからの救援機を実際と違う727に変更したとありますが、たぶん搭乗可能な乗客数を少なく見せる事が理由かと推測しますが、必要な事なのか疑問です。

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2011/12/20

なんとなく知ってはいたけれど、というトルコと日本の歴史。 しっかり知っておきたいことで、読んでおいて良かったと思う。

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2011/10/23

これは是非皆さんに読んでほしい作品。 現在、トルコと日本が友好関係にあることは知られていますが、そのきっかけとなったのが紀伊沖で起きたエルトゥールル号事件です。 この作品はエルトゥールル号事件でトルコ人を命がけで助けた紀伊の人々の姿や、その恩返しにイラン・イラク戦争で孤立した日本...

これは是非皆さんに読んでほしい作品。 現在、トルコと日本が友好関係にあることは知られていますが、そのきっかけとなったのが紀伊沖で起きたエルトゥールル号事件です。 この作品はエルトゥールル号事件でトルコ人を命がけで助けた紀伊の人々の姿や、その恩返しにイラン・イラク戦争で孤立した日本人を救出するトルコ人の姿が、実際に関わった人達の伝承や証言をもとに活き活きと描かれています。 私自身が和歌山県民ということもあってこの事件には思い入れが深いのですが、本当に感動できる物語でした。エルトゥールル号事件と日本‐トルコ交流が後世に語り継がれることを願って。

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2011/09/24

以前、テレビで見たことのあるトルコ軍艦の事故と、遭難者を助けた明治の人達の話。トルコが100年前のその恩返しに、イラン・イラク戦争の際、日本人救出のために飛行機を出してくれた。当時の世界情勢が分かりやすく描かれており、興味深く読むことができた。トルコの方は親日家だ、ということはな...

以前、テレビで見たことのあるトルコ軍艦の事故と、遭難者を助けた明治の人達の話。トルコが100年前のその恩返しに、イラン・イラク戦争の際、日本人救出のために飛行機を出してくれた。当時の世界情勢が分かりやすく描かれており、興味深く読むことができた。トルコの方は親日家だ、ということはなんとなく知っていたが、こんなことがあったとは知らなかった。はたして、自分は100年前に受けた恩を返そうと思えるだろうか。とても考えさせられた。 友達から借りた1冊。

Posted byブクログ

2011/09/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 トルコと日本の交流について。イランイラク戦争下において、邦人脱出についての顛末と、どうしてそうなったのかを紐解いていく。  明治時代の日本がした事に、トルコがどんな気持ちで何を百余年も語り継いでいったのか。そして、それらは更にトルコ地震の際に日本とトルコを繋ぐ橋となる。

Posted byブクログ