技術者の意地 の商品レビュー
入社して真っ先に上司から課題図書として渡された本。初学者には取っ付きにくい品質工学だが、小説風で読み物としても面白く読みやすい。品質工学とは何か、どういうときに有効かがスッと入ってくるため、品質工学の入門書として最適。
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今までのやり方で行き詰っているが、何とかしなければならいない状況が自分と似ており、とても参考になった。また、ストーリーになっているのでサクサク読めた。
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これは読みやすく、また品質工学についても良くイメージが湧く本だった。小節風で、やや冗長な設定に若干の苦笑はあるが、ざっくりとイメージするには今まで読んだ中でベスト。本書を読んで、やっと他の入手済の品質工学本を読めそうだと思えた。続編も読み、開発の質を変えたいと強く思う。
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タグチメソッドと呼ばれる品質工学の方法論を小説形式で解説した本。 この本の中で、製造工程のばらつきが製品の安定性に与える影響は軽微であり、ほとんどが設計問題であるという点が指摘されている。設計者は安定した条件化で行われた数回の実験で得られたデータに目を向けるのではなく、極限条件化...
タグチメソッドと呼ばれる品質工学の方法論を小説形式で解説した本。 この本の中で、製造工程のばらつきが製品の安定性に与える影響は軽微であり、ほとんどが設計問題であるという点が指摘されている。設計者は安定した条件化で行われた数回の実験で得られたデータに目を向けるのではなく、極限条件化で行う実験を通してロバスト性を高めることにも目を向けるべき。そして、そのような実験を通して技術の中身を理解することこそが肝要。
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「タグチメソッド」の基本的な使い方、考え方について、小説立てで紹介している。具体的でわかりやすい。 製品設計の話が中心なので、プロセス・工程の管理について関心のある人は「続・技術者の意地」の方がより理解しやすいだろう。
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あるセンサーメーカーが市場品質問題を解決する過程を通し、ロバスト性、SN比、要因効果図、2段階設計、損失関数等々、品質工学の手法と考え方を学んで実践して成果を出して行くお話です。(田口、矢野、両氏の書籍数冊を拝読させて頂いたが、いずれも特殊な言い回しが多く、とっつきにくく、適切な...
あるセンサーメーカーが市場品質問題を解決する過程を通し、ロバスト性、SN比、要因効果図、2段階設計、損失関数等々、品質工学の手法と考え方を学んで実践して成果を出して行くお話です。(田口、矢野、両氏の書籍数冊を拝読させて頂いたが、いずれも特殊な言い回しが多く、とっつきにくく、適切な解説なしには理解できるものではない。欧米で先に評価されたと聞くから、英語版があれば、そちらの方が良いのではないかと思えるほどである。)それらと比べ、平易な文章で書かれており、わかりやすく、物語仕立てで、本質的なことまで理解が進むように構成されている。初学者向けの優れた副読本です。尚、組合せ型とすり合わせ型に対する目標管理方式の効果について言及されている。ここも面白かった。 [目次] まえがきーーリコールとは「見えない不良」 八方ふさがり 論争 可能性 動き出し 見せかけの矛盾 因数分解 思いもよらない収穫 ロバスト性 SN比 極端条件 懸念項目 いじめられる子ども 製造工程の改善 改善のパラメータ 基本は安定性 要因実験 設計の責任 実験の意味 レビュー 見えない不良 マネジャーの責任 常識のウソ 実験結果 報告 製造技術の問題 現場の観察 結果の解釈 偶然の必然 なぜなぜ分析 免疫に学ぶ汎用技術 生産の開始 Q研での発表 目標管理 プロセス改善プログラム 成果報告 エピローグ [解説] 現状把握 心理的惰性からの脱却 SN比 二段階設計 設計の責任 損失関数とマネージャーの役割 実験結果の見方 ばらつきの意味 フロントローディング 目標の達成と体質の改善 田口玄一博士の本当の言葉
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タグチメソッドの本だった。考え方が面白い。 極端な条件でどのような製造時の要因が機能をばらつかせるかを設計段階で考慮する。要するに色々な過酷な状況でテストする。それで機能の品質がばらつかない性質を「ロバスト性が高い」と言う。新しい製品はロバストさを考慮しないと、製造段階で品質テ...
タグチメソッドの本だった。考え方が面白い。 極端な条件でどのような製造時の要因が機能をばらつかせるかを設計段階で考慮する。要するに色々な過酷な状況でテストする。それで機能の品質がばらつかない性質を「ロバスト性が高い」と言う。新しい製品はロバストさを考慮しないと、製造段階で品質テストをパスしたものも市場の使用状態によって使い物にならなくなる。 ・レガッタは一人ひとりの動作が正確に合わないとスピードが出ない。タイミングを合わせる事が目標だが、その為にはまず同一の動きが出来るように訓練する必要がある。 ・免疫システムは各々の免疫細胞が特融に持っているカギと合致する物質を検知するというシステムで成り立っている。しかし、人間の身体に外部から侵入してくる物質を全て記録しようとしたらDNA全てを使っても足りない。なので免疫システムはタンパク質をランダムに切り刻み、その破片をランダムに組み合わせて新しいたんぱく質を合成する。出来た物が自分の身体と反応するか検査し、反応しなかったものだけを免疫細胞として体内に送り出す。95%は自分の身体と反応するが、5%は反応しない。5%とはいえ組み合わせが膨大で、十兆種類にも及び地球上に存在しない物質まで検出できる可能性があるそうだ。これが汎用性というもの。目先の効率と、本質的な良さは異なるのだ。
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人間にとって矛盾に思えること(「心理的惰性」による)でも、自然にとっては当たり前のことがいくらでもある。(「パラダイムシフト」による顕在化)それらの手法の一つとしてタグチメソッドがある。 ●パラメータ ロバスト性:信号の大きさがノイズに比べて十分大きいこと、SN比で表現できる。...
人間にとって矛盾に思えること(「心理的惰性」による)でも、自然にとっては当たり前のことがいくらでもある。(「パラダイムシフト」による顕在化)それらの手法の一つとしてタグチメソッドがある。 ●パラメータ ロバスト性:信号の大きさがノイズに比べて十分大きいこと、SN比で表現できる。「どうでも良いことには鈍感であるが、興味のあることについては白黒をはっきりしたがる人のようなもの」 SN比=a^2+b^2=(a+b)^2/2+(a-b)^2/2=(平均値の効果)^2+(ばらつきの効果)^2=m^2+σ^2 極端条件:N1, N2を導入することで、実験数が格段に少なくなり開発活動が効率化する。極端条件での振る舞いを見ることが大事。 思い込みで結果が分かっているものだけで実験しないように。 ●システム 二段階設計:パラメータ実験での制御因子とその水準の選び方。製造工程の改善方法、基本は安定性。第一段階で機能のばらつきが少なくなるような実力をつけておき、その後に狙いの機能やスペックに合わせるという二段階の方法。 要因実験では、検出値とSN比との関係を見る検出値変化大、安定性(SN比)小は調整用に使う。 安定性がキモ、いつでもだれでもどこで使っても安定した機能を発揮するよう設計することが肝要。 損失関数:被害金額=管理費用。損失関数のカーブを下げることによって社会的損失を小さくする。 フロントローディング:技術開発と製品開発をを分けておき第一段階目の技術開発に力を入れ戦略である。人間の免疫システムと同様である。つまり人間の免疫システムは二段階に分かれていて一段階目は多種多様な異物に対処できるシステム(汎用性は高いが迅速性に劣る)と一度経験したシステムにすばやく対応できる(経験済みのシステムしか無理、遺伝しない、が迅速に対応)システムの二段階。 ●心構え 目標管理:自分の悩んでいる問題は特殊なもの、難しいものであると認識を持っていると目の前の問題は必ずしも解けなくてもいいかと甘えがでる。が自分の悩みは見せかけの矛盾に過ぎず、観点を変えれば矛盾の解消も可能である。労務管理とその他のクリエイティブな管理とをごっちゃにしない。 製造業のキモ:①出荷検査による品質管理、②合格品が市場で問題を起こさない技術管理。 プロセス改善:プロセス改善は良いことだが、プロセス改善プログラムはよくないが、すくなくとも良くないことが多い。 ●まとめ タグチメソッドの真意は効率化のツールではない。やるべき作業内容自体を切り替えることである。創造性を発揮するには作業だけをこなしていてもできない。創造的仕事により多くの時間を割り振るために、実験や試験作業を効率化すればよい。そのためには少ないさぎょうからいかにして多くの技術情報を獲得するか、その方法が重要であることだ。タグチメソッドはマネージャーの技術管理ツールであり戦略ツールである。 日本のモノ作りの「意地」を見た気がした。 優れたものは自社のこと、日本のことだけを考えるのではなく、世の中全てのことを考えているのだと感動した。←損失関数における社会的コストを考えていたことで。 自己の勉強においても二段階で考えたいと思う。このような異分野の勉強は汎用性に富む地力のようなモノを身につけていくため継続したい。
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