ブルーノ・ムナーリの本たち の商品レビュー
ブルーノ・ムナーリが手がけた全ての本を、年代順にオールカラーで紹介する。 『芸術新潮』の、ブルーノ・ムナーリの特集が面白かったので、とても重いにも関わらず図書館から借りてきてしまった本。 しかし、見て楽しむには少々物足りなかった。 ムナーリが手がけた本は膨大で、それを全て掲載す...
ブルーノ・ムナーリが手がけた全ての本を、年代順にオールカラーで紹介する。 『芸術新潮』の、ブルーノ・ムナーリの特集が面白かったので、とても重いにも関わらず図書館から借りてきてしまった本。 しかし、見て楽しむには少々物足りなかった。 ムナーリが手がけた本は膨大で、それを全て掲載するためにはひとつひとつを丁寧に解説できないのはわかる。が、あまりに解説が簡素かつ、それぞれの本の内容がわからない文章が多いため、読んでいて楽しめなかった。 図版も上に同じ。表面的な写真が多く、本の内容のよさが十分に読者に伝わっていないと思った。 読者が、実際にムナーリの本を見てみたい、読んでみたい、と思わせるような工夫がもっと必要だったのでは・・・。そういう意味では、『芸術新潮』のムナーリ特集を読むことのほうをおすすめします。 紹介されている本の中で、私が実際に手に取ったとことのある本は二冊。 『木をかこう』と、『きりのなかのサーカス』である。 『木を~』のほうは、一箱古本市で見かけて、買おうかどうしようか散々迷い、結局買わなかった一品。 タイトルの通り、「木を描いてみよう」というシンプルな内容の本なのだが、とても想像力に富んだ素敵な本で、今になって、買わなかったことをとても後悔している。たしか、本文中に小さく「僕の友達にレオナルドという人がいて、その人はダ・ヴィンチ村で生まれました」みたいなことが書いてあったと思う(笑)。 もうひとつの『きりのなかのサーカス』は、手に取れただけでも幸運だったと思っている本。 ムナーリが故郷ミラノの霧をイメージしながら作ったそうである。トレーシングペーパーの半透明さで見事に「霧」が表現されていて、めくるごとにその効果が楽しめる、素晴らしい絵本だった。その場で買いたいと思ったくらいだったのだが、トレーシングペーバーを使っているせいか、刷った冊数が少ないためか、絵本一冊にしてはとても高かったので、これまた断念した。 『きりのなかのサーカス』を誰かがプレゼントしてくれたら、すっごく嬉しいだろうなぁ。
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