終生ヒトのオスは飼わず の商品レビュー
ロシア語通訳米原万里氏の晩年をともに過ごした「毛深い家族たち」(犬・猫たち)に関するエッセイ。ちょっと感情過多でのめりこみがちな米原氏が毛深い家族たちにかける愛情はやはり並々ならぬところがあり、まるでジェットコースターのような日々が愛おしい。そして、後半部分の子供時代を振り返るエ...
ロシア語通訳米原万里氏の晩年をともに過ごした「毛深い家族たち」(犬・猫たち)に関するエッセイ。ちょっと感情過多でのめりこみがちな米原氏が毛深い家族たちにかける愛情はやはり並々ならぬところがあり、まるでジェットコースターのような日々が愛おしい。そして、後半部分の子供時代を振り返るエッセイの集成も発見が多かった。そうか、お父様は共産党員で、それでチェコにいたのだな、とか、お父様やお母様の人柄とか。
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ご自身のペット共生の、あるいみ壮絶なエッセイ。 気持ちはとってもよく分かりました。 ペットは飼っていないということもありますが、よそのお宅のペットは、あくまで別家族。人も一緒ですよね。そこまでは共感できなかったです。
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"米原さんの四足家族を語ったエッセイ。 動物たちへの愛情あふれる日常が垣間見れる。 あとがきには、米原さんが逝ってしまった後の顛末も秘書の方が書いてくれている。"
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2010年(底本2007年)刊行。 動物(著者の飼い犬・飼い猫など)をテーマにしたエッセイ。私の家族は動物を飼っておらず、本書に関しては、個人的な興味や嗜好とはかなり離れた内容である。ただし、本書にある著者の父・祖父評は別儀だ。 ところで、本筋とは関係ないが、本書を含む著者の文体、なかでも一文毎の繋がりや文の連鎖が、文脈や意味を掴まえる上で、上手いなぁという印象。接続詞を使わなくとも、いや使わないことで読みやすくなっている不思議さに感銘を受けた。
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万里さんの犬や猫への愛情ったらすごい。自分はどちらも飼ったことないのでピンとこないが猫にも精神的ケアが必要なんですね。ゲンちゃんは今どこにいるのだろう?天国で著者と再会できただろうか。
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著者が一緒に暮らした猫たち犬たち、ご近所の人や友人、仕事について書かれた前半部と趣を異にする自身の生い立ちや両親、言語についての後半部から成る本書は目のつけ所のニクい映画の二本立てのよう。 ほんわかした装丁デザインを気持ちよく裏切ってくれる著者の骨太な筆致、生き方はひれ伏した...
著者が一緒に暮らした猫たち犬たち、ご近所の人や友人、仕事について書かれた前半部と趣を異にする自身の生い立ちや両親、言語についての後半部から成る本書は目のつけ所のニクい映画の二本立てのよう。 ほんわかした装丁デザインを気持ちよく裏切ってくれる著者の骨太な筆致、生き方はひれ伏したくなるほど熱い。仕事にも動物にもなぜこんなあふれんばかりのエネルギーで向い合うのか合えるのか、後半の生い立ちが種明かしのようになっている。後半部は「文藝春秋」「諸君!」への寄稿の再録でテーマは憲法第九条からロシアの叙事詩と多岐にわたるが掲載後十年以上たった今も深く刺しこんで来る。憲法第九条を「貞操帯」に喩える彼女の重くも軽やかなセンスは外国語や他の文化に半分以上足を突っ込んでることにも無縁じゃないのだろう。猫好き、犬好き、言語好きな人は全員読むとよい。
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しぬまで独身だった著者が飼っていた猫や犬について書かれたエッセイです。ペットは家族という意味を履き違えていない著者の”家族”へのやさしさに心がほっこりしました。 九州大学 ニックネーム:山本五朗
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著者のイヌ、ネコに注ぐ愛情の深さは、ハンパじゃない。頭の下がる思いだ。ちゃんと彼らの視点からも考えて行動しているから。ただ可愛いというだけじゃない。一緒に生活している仲間としての『目』だ。どのコのキャラもしっかり立っている。著者の芯がブレていない。
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毛深い家族たちは、家族だからこそ溺愛もあれば腹の立つことも、気持ちが通じなく感じることもあるんだね。だからこそ、ペットじゃなくて家族なんだね。
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とてもわかりやすい文章。 猫などの動物に対する心。 人であっても、動物であっても、同じようにやさしさが向けられる。 本当は、人間に向けられるとよかった思い。 もし、米原万里さんが、人間の雄を飼っていたらよかったのにと残念に思いました。 あるホテルの文庫コーナに常備してありました。 面白くて一晩で読めました。
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