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狩久探偵小説選 の商品レビュー

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2011/07/23

どの作品も雰囲気が良くて読んでいて楽しい。My Best 3 を選ぶとするならば、月並みなセレクトかもしれないけれど「虎よ、虎よ、爛々と――」「すとりっぷと・まい・しん」「恋囚」だろうか。

Posted byブクログ

2011/07/06

50年以上前に書かれたとは思えない、古くささを感じさせない作風が大好き。この作品集は、狩久作品の中でも論理性の強いモノを集めたそうですが、まさかこの収録作品の中で、作品をまたがってあんな展開をする短編があるとは思わなかった!(詳しく書くとネタバレるので…) 私小説的な作品と言われ...

50年以上前に書かれたとは思えない、古くささを感じさせない作風が大好き。この作品集は、狩久作品の中でも論理性の強いモノを集めたそうですが、まさかこの収録作品の中で、作品をまたがってあんな展開をする短編があるとは思わなかった!(詳しく書くとネタバレるので…) 私小説的な作品と言われているモノもありますが、この作家さんの場合は虚構とリアルを徐々に織り交ぜつつ、メタ的な雰囲気も併せ持って展開していくので、いわゆる「私小説」が苦手な人でも楽しめると思います。 評論・随筆の方も共感できるものが多く(他者を攻撃することなく、自己の客観的な評価・分析をしているあたり好感度高い!)、作品だけでなく作家さんのファンになりました。

Posted byブクログ

2010/10/15

温故知新。というか、全く存じ上げなかった作家さんですが、あちこちで目にし気になったのでちょっと読んでみました。 「かりきゅう」さんです。 昭和26年『宝石』の短編懸賞で「落石」が優秀作の中の一作に選ばれデビュー。 その後結核で自宅療養中に数々の作品を発表するが、37年に休筆。 ...

温故知新。というか、全く存じ上げなかった作家さんですが、あちこちで目にし気になったのでちょっと読んでみました。 「かりきゅう」さんです。 昭和26年『宝石』の短編懸賞で「落石」が優秀作の中の一作に選ばれデビュー。 その後結核で自宅療養中に数々の作品を発表するが、37年に休筆。 50年に『幻影城』にて最デビューするも52年肺がんのため急逝されたそうです。 現「SRの会」の前身、「関西鬼クラブ」を主宰しただけあって、本格!という感じでした。 どの作品も古臭さは感じられず、今読んでも面白い。 というか、現代の叙述などのサプライズがない分地味な印象ですが、とてもロジカル。 男女の繊細な心の機微が犯罪に反映されていて、逆に新鮮でした。 一番気に入ったのは「すとりっぷと・まい・しん」です。 こういう皮肉なラスト大好き。 タイトルでごたごたがあった、というのもご愛嬌。 あと驚いたのは「氷山」。 このトリックを一番に使ったのはこの方だったのですね。 瀬折研吉・風呂出亜久子のコンビも面白かったです。 作風が「私小説風」とも言われているようですが、ちょっとメタっぽい感じやアンチな感じも受け、そのあたりはちょっと合わないかなぁ、とも思いました。 この時代ならやっぱり横溝正史が好きだなぁ、と再確認したりして。

Posted byブクログ