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親鸞に至る道 の商品レビュー

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2021/10/24

三國連太郎 「 親鸞 に至る道 」 親鸞、仏教、差別についての講演原稿を再編集した本。被差別民としての出自や徴兵忌避の経験を持つ著者が親鸞を追うことにより自由になっていくことを語っている。柔らかな語り口調に高僧の雰囲気すら感じさせる 親鸞思想だけにとどまらず、歎異抄と親鸞思...

三國連太郎 「 親鸞 に至る道 」 親鸞、仏教、差別についての講演原稿を再編集した本。被差別民としての出自や徴兵忌避の経験を持つ著者が親鸞を追うことにより自由になっていくことを語っている。柔らかな語り口調に高僧の雰囲気すら感じさせる 親鸞思想だけにとどまらず、歎異抄と親鸞思想の違い、原始仏教から親鸞思想への推移、政治と一体化し権威主義となった仏教への批判など 仏教関係者では 言いにくい部分まで考察している 著者の親鸞像は、念仏の実践から民衆の救済を目指し、宿業論(前世の種が現世の悪となる)の否定、悪人正機説、自然法爾(じねんほうに)の思想を通して、差別社会を否定した 異端者という論調 著者の歎異抄批判(親鸞の思想と異なる歎異抄の部分) *歎異抄の宿業論 *自然法爾は他力の信に徹することにより得られる能動的な信であり、歎異抄にあるような受動的な信ではない 自然法爾(じねんほうに) *如来の救いは昔に完成されたものであるから、私たちはすでに救われている *あるがままの自分を生き抜く〜その自分にしたがう生き方 *他力の信により開かれる悟りの世界〜宇宙的自然と人間社会の一体化した自分が確立し、呪縛から解放 南無阿弥陀仏とは、人間存在そのものを示す〜念仏を通して人間の根源的自覚、真の人間の目覚めが必要 実践哲学としての原始仏教から考察 *親鸞が気づいた原始仏教の本質は 自然の摂理 *仏教は 人間的な部分に合わせてつくられている(人間の卑怯を自覚する哲学) *悟りの教え〜人間の実践の道を真理とする *自然を超越する神の存在を認めない、救われる道は神に頼るのでなく、自分の努力による *仏教の原点には教理がない、現実に生きている人間をあるがままに見て、安心の境地を得られるように説く *思想としての無限性〜釈迦は 法(ダルマ)と呼び、法を持って仏教の権威とした

Posted byブクログ