臨床真理(下) の商品レビュー
声に色がついて聞こえる共感覚の持ち主・司と臨床心理士の美帆。そこに美帆の同級生で警察官の栗原が加わり、事件解明へ挑む。ミステリーとしても面白さだけではなく、障害者の性という問題も提起している。真犯人は想像通りだったけど、終盤に向けて一気に読ませる筆致はすごい。これから追いかけてい...
声に色がついて聞こえる共感覚の持ち主・司と臨床心理士の美帆。そこに美帆の同級生で警察官の栗原が加わり、事件解明へ挑む。ミステリーとしても面白さだけではなく、障害者の性という問題も提起している。真犯人は想像通りだったけど、終盤に向けて一気に読ませる筆致はすごい。これから追いかけていきたい作家さんです。
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ワクチン副反応で発熱中に読んだので、なおさら過激さが強まってしまった。確かにすごい作家ですな。すぐにでもドラマや映画になりそうな作品。
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共感覚の人を知っている。実際に、共感覚の人はいる。他人には確かめようがないけれでも、共感覚という不思議な症状と、その理由を理解できたわけではないが、その人にとっては間違いなくあるのだと思う。共絶対音科の人にシエ全おあらゆるものが踏め状の音符になって聞こえるのと同じように、音が色と...
共感覚の人を知っている。実際に、共感覚の人はいる。他人には確かめようがないけれでも、共感覚という不思議な症状と、その理由を理解できたわけではないが、その人にとっては間違いなくあるのだと思う。共絶対音科の人にシエ全おあらゆるものが踏め状の音符になって聞こえるのと同じように、音が色となっても不思議はない気がする。感覚の持ち主であるつ藤木司と、彼を担当する臨床心理士の美帆。そして、美穂の友人である警察官の栗原が副施設で起こった事件の真相に迫る。共感覚と失語症が事件の鍵を握る。突拍子もないものとものが結びついているから、不自然と思える飛躍が散見するが、それがおもしろくもある。
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真実がどんどん判明していくので、一気に読めた。 だいぶえげつない欲がからむ話だったけど、ここまでじゃないにしろ現実で似たようなことが起こっていないとは言い切れないな、と思った。 主人公が大変な目に遭うシーンがあるのだけれど、描写が生々しすぎてちょっと嫌気がさしてしまった。 下巻...
真実がどんどん判明していくので、一気に読めた。 だいぶえげつない欲がからむ話だったけど、ここまでじゃないにしろ現実で似たようなことが起こっていないとは言い切れないな、と思った。 主人公が大変な目に遭うシーンがあるのだけれど、描写が生々しすぎてちょっと嫌気がさしてしまった。 下巻でもやっぱり美帆が突っ走るのでハラハラ。それヤバそうだから気付いてー!って思いながら読んでた。 後味が良い話ではないけれど、真相がきちんと全部わかって終わるのでスッキリ。 司が変な風に利用されないといいなと思ったり、栗原との関係はどうなるのかなと想像したりした。 後半、誤字脱字が多かった。その後、直っているのかなあ。 168ページ『さっきのおじさん見たいに →『さっきのおじさんみたいに 177ページ 性癖向き合って→性癖に向き合って 180ページ 強制するじゃない→強制するものじゃない
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一気読みだけど、嫌悪感だけが残る。 主人公の美帆の行動も自分の正義感だけで、見境なく行動するし、栗原の面倒な事はあえて突っ込まない精神なのに美帆に引きづられて関わっていく心理の変化がきちんと描写して欲しかった。 でも引き込まれる文章力は新人の頃からあったのだと実感。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2021.7.16角川文庫版にて読了。 説明 内容紹介 真実を話していると白、嘘をついていると赤……臨床心理士・佐久間美帆の担当患者・藤木司は、「共感覚」によって声に色彩を感じるため、嘘を見破ることができた。その上で彼は幼なじみの少女が自殺するはずがないと力説。信じがたい話だったが、美帆は司の治療のためにも調査を決意。知人の警察官・栗原の協力を得て、2人が暮らした知的障害者施設を探り始めるが、次第におぞましい出来事が明らかになる。第7回『このミス』大賞受賞作が文庫化! 著者について 柚月 裕子 (ゆづき ゆうこ) プロフィール 1968年、岩手県生まれ。山形県在住。フリーライター。雑誌やテレビ局のホームページで作家の対談・インタビューのまとめを担当している。第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞、『臨床真理』にて2009年1月デビュー。
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上巻から続けてひと息で読み終えた。話のそこここで無理があるし、登場人物の行動もチグハグ。読後感も決していいとは言えない。でも、一気に読ませるだけの力が文章にある。その後の活躍もうなずける処女作。
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結局、一気読み。ところどころ違和感が無いわけではないし、救われないなぁとは思いつつも、「このミス」らしい作品。おもしろく読ませていただきました。 2019/6/24読了
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一応それっぽい理由を書いてるけど、最後に犯人がダラダラと犯行経緯を詳細に告白するのはどうなん? 探偵役が捜査しきれなそうな場合の昔ながらのやっつけパターン。まぁ、処女作だからしょうがないけど。
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状況設定に多少の無理不自然さがあるが、主人公に感情移入ができたので一気読みでした。 オチ自体は、割と早い段階で読めるのですが、女性作家がここまで◯◯◯の事を赤裸々に書けるのに驚いた。 美帆さんと栗原君いいコンビでもあるので、またいつか活躍する作品読みたいな。
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