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文藝春秋にみる坂本龍馬と幕末維新 の商品レビュー

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2013/08/05

 本書を読んで「歴史」と「歴史小説」は違うということを痛感した。  本書は、「文芸春秋」に掲載された記事から選ばれたということだが、著名な小説家の文章や有名な歴史上の人物の子孫の証言等である。  「歴史の検証」というよりは、それぞれのイメージの発露やエピソードの羅列のようにも思え...

 本書を読んで「歴史」と「歴史小説」は違うということを痛感した。  本書は、「文芸春秋」に掲載された記事から選ばれたということだが、著名な小説家の文章や有名な歴史上の人物の子孫の証言等である。  「歴史の検証」というよりは、それぞれのイメージの発露やエピソードの羅列のようにも思え、面白さはあるが、さてこれは「歴史」といえるのだろうかと思った。  それぞれの文章には、それなりの知識と説得力はあるが、深さはあまり感じられないのが多いし、「玉石混交」という言葉もあるが「歴史読み物」といっては失礼か。  雑多な多方面の知識を得られるという点はあるかもしれないが、かたよった歴史の見方にならないとも限らないと思えた。  本書は、ちょっと残念な本であると思う。

Posted byブクログ