にあんちゃん の商品レビュー
佐賀県の文学で朝日新聞に掲載されていたあまりにも有名な小説である。少女の日記ということは、それほど知られていないのかもしれない。県ごとの文学集の抄録で読んだ。文学ということで教育学としてはあつかわれないのかもしれない。
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なつかしい~!作者はわたしよりふたつ下だけなんだった。 ベストセラーになっていた高校生の時に読みましたが、 その時は小学生の日記のうまいこなんていう印象で、同時代性は感じていません。 読み直してみると貧乏ということが少々ちがっていても、 小学生の時の気持ちはおんなじですね。 物...
なつかしい~!作者はわたしよりふたつ下だけなんだった。 ベストセラーになっていた高校生の時に読みましたが、 その時は小学生の日記のうまいこなんていう印象で、同時代性は感じていません。 読み直してみると貧乏ということが少々ちがっていても、 小学生の時の気持ちはおんなじですね。 物が不足していてもあかるい気持ち、ひとにしんせつな気持ちを忘れなかった。 うらやましいお金持ちのおじょうさんもいたし(笑) いいところは貧乏を権利にしていないから。 でも、この本が売れて末子さんの奨学金になったというおまけが。
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昭和28年佐賀県の小さな炭鉱町。両親を失くした四人兄妹。10歳の末妹から見た社会の厳しい現実。 小3、10歳の女の子の日記。両親を失くし生活に困窮する兄妹。兄妹離れ離れになりながらも勉強を続け、日記をつける。子供の素直な視点と記述だからこその痛々しい現実が胸に迫る。 公表され...
昭和28年佐賀県の小さな炭鉱町。両親を失くした四人兄妹。10歳の末妹から見た社会の厳しい現実。 小3、10歳の女の子の日記。両親を失くし生活に困窮する兄妹。兄妹離れ離れになりながらも勉強を続け、日記をつける。子供の素直な視点と記述だからこその痛々しい現実が胸に迫る。 公表されることを想定していない日記だけが持つ生の現実。在日朝鮮人への差別も少しだが描かれている。 厳しい現実の中でも決して絶望しない姿に涙しました。 映画監督今村昌平のデビュー作の原作。「キューポラのある街」(こちらも脚本は今村昌平)と良く似たテーマ。 本書の解説にその後の兄妹について記されていのが救い。 ちなみににあんちゃんは2番目の兄という意味。
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ふとしたことで、手に取りました。母、炭鉱夫の父を亡くして、兄弟姉妹4人の暮らしで、末っ子の末子さんが綴った日記を出版したもの。「にあんちゃん」とは2人目のお兄ちゃんだからにあんちゃん。素朴で飾らない日々の日記の積み重ねの中に深い感動がある。
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往年のベストセラー。タイトルと、何となく子どもが書いたことくらいは知っていたけど、てっきり男の子が主人公のような気がしていた。ところが、実際は小学生の女の子の日記で、「にあんちゃん」というのは彼女の次兄。「二」番目の「あん」ちゃんというわけ。 「きょうがお父さんのなくなった日から...
往年のベストセラー。タイトルと、何となく子どもが書いたことくらいは知っていたけど、てっきり男の子が主人公のような気がしていた。ところが、実際は小学生の女の子の日記で、「にあんちゃん」というのは彼女の次兄。「二」番目の「あん」ちゃんというわけ。 「きょうがお父さんのなくなった日から、四十九日目です」と始まる日記の書き手の「私」の家は、父親が亡くなったばかり。母親はそれに先立って亡くなっており、10歳離れた長兄を頭に、姉とにあんちゃん、「私」という4人で暮らしている。年齢的に唯一の働き手の兄は在日朝鮮人であるためか、炭鉱勤めだが臨時雇いに甘んじざるをえない。日々の米に事欠くこともあれば、体調が悪く学校を休みがちな時期もあり、傘がないから学校に行けないということも。家を追われきょうだいが別々に過ごすようなことにさえなる。周りの友達と比べても、ひときわ苦しい生活の様子が読み取れる。 けれど、書きぶりが決して卑屈でないし、貧しさを絶望的に嘆くようなこともない。その日の欠乏に困ってはいるが、それはその日の出来事として書いてある程度なのは、明日の心配が切迫していない幼さゆえか、高度成長でだれもがそれなりに底上げされる時代の雰囲気ゆえか……などと書きつつ、その実は「私」の清らかさ、高潔さによるのだろう。清らかさといってもいい子ちゃんの清らかさではない。自分の気持ちに嘘をついていないとでもいおうか。ずっと読み通せば、文章の書きぶりも視点もとても小学3・4年生とは思えないくらい巧みで落ち着いている。それがこの本の魅力であり、貧しいなか、親もいないなか大変だとは思うけれど、さわやかな読後感を与えてくれる。 「にあんちゃん」なんだけど、きょうだいのなかでもにあんちゃんの存在が一番薄い気がした。
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60年くらい前に、10歳の少女が書いていた日記が昭和33年に出版されて、ベストセラーとなり、翌年には日活で映画(今村昌平監督)化され大ヒット、文部大臣賞(?)まで受賞という、まあ当時の社会的事件となった有名な一冊です。内容、文章、また、著者の観察力も素晴らしさは改めて言うまでもな...
60年くらい前に、10歳の少女が書いていた日記が昭和33年に出版されて、ベストセラーとなり、翌年には日活で映画(今村昌平監督)化され大ヒット、文部大臣賞(?)まで受賞という、まあ当時の社会的事件となった有名な一冊です。内容、文章、また、著者の観察力も素晴らしさは改めて言うまでもない。 ただし、もう一つ気に留めておきたいのは、この本は原日記のすべてではなく、出版社の編集者による抜粋であり、また、途中には著者の次兄(にあんちゃん)の日記を一部掲載するという編集が行われている。その結果、一冊の本として著者達兄弟姉妹の困苦の生活がわかりやすく、感動的に読めるように構成されている。また、何度か異なる出版社から発行されており、微妙な違いもあるらしい。 著者の家族が在日朝鮮人であったということをどのように意識してよむか、という問題も人によってはあるようだが、どこの社会にも普遍的な貧困や労働、家族、地域社会、学校教育などなどの問題に立ち向かう子供達の素直な力と可能性を感じることができると思う。そういう名著です。
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今年の1冊目は高校の先輩オススメの本です。 昭和28年に記された小3の女の子の日記。 幼くして両親をなくし、九州の炭坑町で兄妹4人で暮らす少女の切なく、そして凛とした日記です。 学校の教材費すら家計に重くのしかかり、食事もままならない兄妹が人の家に間借りし、きつく当たられ、兄...
今年の1冊目は高校の先輩オススメの本です。 昭和28年に記された小3の女の子の日記。 幼くして両親をなくし、九州の炭坑町で兄妹4人で暮らす少女の切なく、そして凛とした日記です。 学校の教材費すら家計に重くのしかかり、食事もままならない兄妹が人の家に間借りし、きつく当たられ、兄の失業によりバラバラに暮らす事を余儀なくされるという衝撃的な内容。 にも関わらず、書き手の末子さんの情緒あふれる表現力に舌をまきます。 貧乏のドン底でも、兄弟のことを思いやり、裕福な友達を妬むでもなく素敵だと感じ、勉強も学校も大好きだという末子さん。 このまっすぐで美しい言葉の日記を読んだ後につたないレビューを書くことすらちょっと恥ずかしく感じてしまいます
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誕生日プレゼントに頂き、早速読みました。 昭和20年代後半(おそらく27年か28年)に小学校3年生だった著者がつけていた日記です。 戦後。廃坑直前の炭鉱町。在日。両親死別れ。貧乏。四人兄弟(著者は末妹)。兄弟離れ離れ。 これらが作られたフィクション小説の設定ではなく、著者が...
誕生日プレゼントに頂き、早速読みました。 昭和20年代後半(おそらく27年か28年)に小学校3年生だった著者がつけていた日記です。 戦後。廃坑直前の炭鉱町。在日。両親死別れ。貧乏。四人兄弟(著者は末妹)。兄弟離れ離れ。 これらが作られたフィクション小説の設定ではなく、著者が実体験した生活そのものなのです。 辛く切ない境遇で運命に翻弄されながらも一途に生きている少女がいます。 純真な感受性を通したリアリティが心に突き刺さってきます。 この少女は辛い境遇ながらもまっすぐとリンとした目を向けて人生に立っていました。 同情を呼び寄せる類の甘ったれた境遇への悲観は露ほどもありません。 悲しみを悲しみ、痛みを痛み、 それでいてへこたれず、 兄弟一緒に暮らせるよう希望を持ちながら、 卑屈にならずに前を見て生きています。 感動しました。 うまく書ききれないですが、 丁度同じ年頃の長男を持っている父親としては、 ものすごく胸に突き刺さった本でした。 子供が一番頼りにするのは家族。 家族こそが子供が生きていける糧。 私はできるだけ多くの時間を一緒にすごし、 多くの体験を一緒に共有し、 精一杯の愛情を注ぎたいと思いました。 そして子供には、 清く正しく美しいと感じる心を持って欲しいと願ったのでした。
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