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ガラスの巨塔 の商品レビュー

3.5

59件のお客様レビュー

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2010/05/09

NHKでプロジェクトXを立ち上げた元プロデューサーが退社後に書いた半自叙伝的小説。 ビジネス系小説の好きな自分にとっては、実体験に基づいているため興味深く一気に読めた。 NHKという官僚的な組織の中でゴールデンタイムに視聴率20%を獲得する人気番組を作り出し、天皇と呼ばれた会長...

NHKでプロジェクトXを立ち上げた元プロデューサーが退社後に書いた半自叙伝的小説。 ビジネス系小説の好きな自分にとっては、実体験に基づいているため興味深く一気に読めた。 NHKという官僚的な組織の中でゴールデンタイムに視聴率20%を獲得する人気番組を作り出し、天皇と呼ばれた会長からの寵愛を受ける主人公 西。周囲の強烈な妬みからあらゆる手段で足を引っ張られ疲弊しながらも番組作りに熱意を賭ける姿が描かれる。 物語自体はリアリティがあり面白いが、主人公が英雄的に描かれ過ぎている感じもする。 作中で最低の人物の1人として登場する上司の黒原が同じ出来事を 小説にしたら180度違った内容で描かれるのかも知れない。

Posted byブクログ

2010/05/05

テレビ界のコングロマリット・全日本テレビ協会。ここに、三流部署ディレクターから名実ともにNo.1プロデューサーにのし上がった男がいた。湾岸戦争時に作った1本のドキュメンタリーをきっかけに、受賞歴多数の社会派ディレクターとして名を馳せ、プロデューサーとして手掛けた「チャレンジX」は...

テレビ界のコングロマリット・全日本テレビ協会。ここに、三流部署ディレクターから名実ともにNo.1プロデューサーにのし上がった男がいた。湾岸戦争時に作った1本のドキュメンタリーをきっかけに、受賞歴多数の社会派ディレクターとして名を馳せ、プロデューサーとして手掛けた「チャレンジX」は視聴率20%超の国民的人気番組に。「天皇」と呼ばれる会長の庇護の下、「選ばれし者」の特別職に誰よりも早く抜擢され、さらなる野望をたぎらすのだが…。悪意と情熱が交差するとき、栄光は汚辱に塗り替えられていく。元NHK看板プロデューサーが書き下ろす問題小説。 一気に読み終えたのは、のめり込んだというよりかはむしろ読んでおかないと忘れてしまうからかもしれない。 作家の小説ではなくて、今井さんの実体験にフィクションを加えたエッセイみたいな小説。 これを読んで、改めて私は伏線がある小説が好きなのだと思った。 一本線の小説はわかりやすいけど、物語にのめり込めないから。 さすが半ノンフィクションだけあって、人が人を妬むことへの生々しい表現はすごいと思う。 熱意に突き動かされる若手が、権力者に邪魔される。出過ぎた杭は打たれる。 派閥による人事。汚職への対応。 日本の社内政治ってのはこうあるんだろうかーって思ってしまう。 「これは十年に一本の番組になるかもしれんな」 ”力が欲しい、邪悪な者を叩き伏せる力をくれ” 西の目に愉悦の光が宿り、抑えても口元がほころぶ。それは、西が一度も見せたことのない顔だった。 全日本テレビ協会は、税務調査があった場合には、全面的に協力しています。

Posted byブクログ

2010/05/01

NHKの内幕物。 これが事実だとしたら、気の毒ではあるけれど、なんだか憂さ晴らし的な要素が強いように感じた。 結局、上手く立ち回って残っている人に対する妬みなのか、NHKに対する未練なのか・・・

Posted byブクログ

2010/04/27

元プロジェクトXプロデューサーによる、NHKの陰の部分告発小説。 確かに辛かったと思うし許せないとも思うけど、こういう形の復讐でよかったのでしょうか。きっと思う程世間の反応は得られずまた悔しい思いをされるのでは、と思ってしまいます。 あと、末端とはいえ内部にいる身からすれば、NH...

元プロジェクトXプロデューサーによる、NHKの陰の部分告発小説。 確かに辛かったと思うし許せないとも思うけど、こういう形の復讐でよかったのでしょうか。きっと思う程世間の反応は得られずまた悔しい思いをされるのでは、と思ってしまいます。 あと、末端とはいえ内部にいる身からすれば、NHKでも仕事に一生懸命な人が大半なんです。みんな必死でいい番組作ろうとしています。この小説がそんな人たちの新たな足枷にならないことを祈ります。

Posted byブクログ

2019/02/24

元NHK「プロジェクトX」のプロデューサー。三流部署Dから名実ともにNO.1プロデューサーに。そして特別職にまで登りつめた著者の栄光と挫折。マスコミと内部闘争の餌食となってしまった著者に心から同情する。本人は何も悪くないのにこんなむごたらしい仕打ちをする者たちは人として最低ランク...

元NHK「プロジェクトX」のプロデューサー。三流部署Dから名実ともにNO.1プロデューサーに。そして特別職にまで登りつめた著者の栄光と挫折。マスコミと内部闘争の餌食となってしまった著者に心から同情する。本人は何も悪くないのにこんなむごたらしい仕打ちをする者たちは人として最低ランクだと誰もが思うはずだ。ところで人間っちゅうやつはどうしてこうも「嫉妬」というものにふりまわされなきゃいけないのだろう。人間の歴史そのものが「嫉妬」によって刻まれてきたという書物を昔読んだとき。ボクはなぜこうも会社の上層階はギスギスしてしまうのかと乱立する東京の高層ビル群を見て暗澹たる気分になったことがある。地震が起きたわけでもないのにまるでタワーの頂上はマグマ嫉妬でグラグラ揺れてる。震源地はかなり遠い。その人たちの過去にあるらしい。なぜそこまでエラクなることに固執するのだろうかと。その情熱と向上心は感心できるが、どうもエラクなりたい人が人の上に立つという意味をわからないままエラくなっている。個人のコンプレックスというものを解決するためにエラクなろうとするのはちょっと格好悪いぞ。いつもこういう本を読んでボクは思うことがある。正直者は救われなければならない。叶わぬ夢だがそういう社会を本当はみんなどこかで望んでいるはずだ。

Posted byブクログ

2010/04/04

NHK「プロジェクトX」の元プロデューサーが、どのようにして番組を創り、番組を追われたかの記録。小説というより実録という文体。NHKの内幕は分かるが、人物に魅かれるものがなかった。実に男の出世に絡む嫉妬心は恐ろしい。

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2010/04/03

久しぶりに読み応えのある小説だった。 でも「小説」というフィクションか?と考えると、限りなくノンフィクションに近いのかもしれない。 というのは、小説に登場するディレクターはまさに今井氏であり、全日本テレビ協会というのは「日本放送協会・・NHK」、そして番組名「チャレンジX」とい...

久しぶりに読み応えのある小説だった。 でも「小説」というフィクションか?と考えると、限りなくノンフィクションに近いのかもしれない。 というのは、小説に登場するディレクターはまさに今井氏であり、全日本テレビ協会というのは「日本放送協会・・NHK」、そして番組名「チャレンジX」というのは、誰が読んでも「プロジェクトX」のことだとわかるからだ。 穿った見方をすれば今井氏は「小説」という手段を使って、自分を正当化しようとしているとも取れる。 真実はわからないにしても、やはり巨大な組織というものは何かの緊急事態には個人を切り捨てようとすることは間違いないのかもね・・。

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2010/03/19

この本の目的は、著者にかけられたあらゆる疑いに対する言い訳と徹底した自己肯定にある。その真偽については分からないが、対立する人物への一方的、一元的評価の仕方には驚かされれう。NHKという組織の一端を知った気になれること以外に、小説としての面白みはもちろん、読むに値するものはない。

Posted byブクログ

2010/04/25

2010/4/25 巨大な特殊法人で繰り広げられる考えられないような醜態の数々が赤裸々に書かれた一冊。ベージを進めるたびに信じられないようなできごとが飛び出してくる。 企業小説いうよりは善良社員による告白文章に近い。 嫉妬による悪意が、誠意ややる気をはぎ取り企業を腐せていく。 ...

2010/4/25 巨大な特殊法人で繰り広げられる考えられないような醜態の数々が赤裸々に書かれた一冊。ベージを進めるたびに信じられないようなできごとが飛び出してくる。 企業小説いうよりは善良社員による告白文章に近い。 嫉妬による悪意が、誠意ややる気をはぎ取り企業を腐せていく。 通常の企業は利益創出に向け余念がないが、黙っていても入ってくる視聴料に依存する本企業で一番重要とされるのは出世するための醜いつぶし合い。 この企業に所属する誰もがそうだとは思わないが、正直救い用がない。 この腐敗体制。同じく巨大企業の内情をさらけ出した山崎豊子さんの『沈まぬ太陽』を思い出す。『沈まぬ太陽』同様に、本書がすべて事実であるかは知る由もないことだが、残念ながら視聴料を払う理由がひとつまた増えたことには違いない。 最後にもうひとつ。 事実というのは見方によって玉虫色に変化するもの。テレビでは悪の親玉と報道されていた某N○Kの会長も本書を読むとその内情は案外違った姿だったのか、とも思える。 結局は何を信じるかは自分次第。何の価値もない週刊誌だけでなく、時にテレビ報道というものも激しいバイアスがかけられていると思うべきだろう。 2010/3/22 amazonで購入。 2010/2/27 どこかで聞いたタイトル?! これは朝日新聞の広告掲載。

Posted byブクログ