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検証・狭山事件 の商品レビュー

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2018/11/06

「じっくり読んでいただければ真実がわかります」というコメントと共に、先週の日曜日の新聞にこの事件に関する意見広告が載っていました。狭山事件…なんとなく聞いたことはあるけど、詳しくは知りませんでした。昭和38年に起こった女子高生殺害事件で逮捕され一時は死刑判決を受けた石川一雄さんと...

「じっくり読んでいただければ真実がわかります」というコメントと共に、先週の日曜日の新聞にこの事件に関する意見広告が載っていました。狭山事件…なんとなく聞いたことはあるけど、詳しくは知りませんでした。昭和38年に起こった女子高生殺害事件で逮捕され一時は死刑判決を受けた石川一雄さんという方が、50年以上経った今も冤罪を訴え続けているらしい。俄然興味が沸き、さっそく図書館で関連書籍を借りてきました。 事件の概要と、2008年頃の周辺住民へのインタビュー、事件現場の現在の写真などが掲載されていました。どうせなら当時の写真も載せてほしかった。(ネットで探したら出てきたけど)脅迫状が不気味で怖すぎる。逮捕された石川一雄さんが被差別部落出身ということで、この事件の関連書籍は差別問題を主眼に置いた本が多いようですが、この本ではその辺りは多くは触れておらず、主に被害者の善枝さんの当日の行動から事件を検証した内容になっています。警察の証拠品のでっち上げや、被害者周辺の人たちの相次ぐ不審死など、かなり闇深なにおいがする事件です。善枝さんは日記などを読む限りとてもしっかりした娘さんのように思いました。16歳という若さで命を奪われた善枝さんも、無実の罪を着せられてしまった石川さんも、どっちも被害者だと思う。

Posted byブクログ

2012/09/28

「狭山闘争」がどうしても想起されるし、猟奇趣味的に言えば「戦後犯罪史最大の暗黒事件」ということになる。 だけれどもこれは、関心が深く、結果として社会のあらゆる層を巻き込んだので、今となってみると、社会の定点観測のようになっている。 その「社会」というのは、戦後とも昭和とも違う。 ...

「狭山闘争」がどうしても想起されるし、猟奇趣味的に言えば「戦後犯罪史最大の暗黒事件」ということになる。 だけれどもこれは、関心が深く、結果として社会のあらゆる層を巻き込んだので、今となってみると、社会の定点観測のようになっている。 その「社会」というのは、戦後とも昭和とも違う。 滝川コミューン1974と通底するものを感じる。 石川一雄氏を始め、関係者が存命なのにこういう興味の持ち方は不謹慎かもしれないのだけど、事件全体が結果として貴重な資料になってしまったのではないかと思う。 もちろんこれを言うには、権力側・司法側の定点観測という意味もある。次はそっちか。でもちょっと気が重いな。

Posted byブクログ