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戦う者たちへ の商品レビュー

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2022/12/25
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 「世のため人のため」に精一杯尽くすことを良しとし、「少なくとも人様に迷惑をかけないように」と教えていた日本の社会道徳は、「自分のためにだけ生きる」憲法思想に取って代わられ、上から下まで自己の欲求を最優先する輩が日本を占有している。明治神宮武道場「至誠館」館長 荒谷卓「戦う者たちへ 日本の大義と武士道」、2010.3発行。著者は、戦後の日本人が憲法精神に従って放棄したのは「戦争」ではなく、「戦うことも辞さない正義心を持った生き方」なのではないか。と!

Posted byブクログ

2014/09/21

―――――――――――――――――――――――――――――― 天皇の御位と万世一系の世襲は残されたことで、国体は守られたとも解されているが、それが戦後保守派の甘えとなり、占領政策からの脱却が遅々として進まず、むしろ深く定着してしまった原因となっているように思われる。23 ――――...

―――――――――――――――――――――――――――――― 天皇の御位と万世一系の世襲は残されたことで、国体は守られたとも解されているが、それが戦後保守派の甘えとなり、占領政策からの脱却が遅々として進まず、むしろ深く定着してしまった原因となっているように思われる。23 ―――――――――――――――――――――――――――――― 『冷戦が終わり、そして日本は消滅した』 「……脅威でなくなった日本がこうも退屈で凡庸な存在と化したのはいかにも残念だ」(N・クリストフ、ニューヨーク・タイムズ東京支局長)31 ―――――――――――――――――――――――――――――― ソロス氏はさらに「資本主義が、これまでマルクスが『共産党宣言』で指摘した悲惨な状態にならなかったのは、公共の利益を重視する民主主義によって阻止されたのだ」とも言っている。34 冷戦構造の考えのままの人は民主主義と資本主義はイデオロギーとして一体だと勘違いしているようだ。35 ―――――――――――――――――――――――――――――― そこに、日本人の価値観がある。 いかに智謀・武力に優れた強者が現れようと、その者は上の座を侵すことなく、上の意を汲んで、その知能・実力を社会に奉仕することを良しとしてきた。46 ―――――――――――――――――――――――――――――― 「スパルタの戦士が、この精神をいかに養成したかの手がかりはすでに失われた」 「ドイツ人とゲルマンの神々とのつながりは途絶えてしまった」 「正義、倫理、道徳」といったものが失われ、人の心が荒廃しているという問題認識にある。 憂慮すべきことに、こうした問題を解決するための有効な思想が、近世以降世界をリードしてきた西欧の社会思想の中にはもはや見い出せないと言うのである。59 ―――――――――――――――――――――――――――――― 「正しさ」は心の状態であって概念ではない。78 ――――――――――――――――――――――――――――――

Posted byブクログ

2011/05/14

著者の経歴と本書の記述から、彼は非常に厳しく自分を律している方だと推察されます。 しかし明確な定義づけがないまま「武士道」という言葉をやたら濫用している感があり、少々疑問に思います。内容的には面白かっただけに残念です。

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2011/03/27

「武士道」に興味がある人はぜひ読むべき。 著者は、自衛隊に初めて特殊部隊を創設した人物。(今は引退していて、合気道の指導者。) 西洋的なものの見方、考え方と対比させて、日本人の伝統的な自然観、正義感といった事柄について説明しており、「正義」「良心」「理想」について改めて考えを...

「武士道」に興味がある人はぜひ読むべき。 著者は、自衛隊に初めて特殊部隊を創設した人物。(今は引退していて、合気道の指導者。) 西洋的なものの見方、考え方と対比させて、日本人の伝統的な自然観、正義感といった事柄について説明しており、「正義」「良心」「理想」について改めて考えを巡らせる機会を与えてくれる。 「力」は、使う者次第で、「暴力」に成り得る。「力」とは、振りかざすためのものでなく、正しい行為を行う裏付けとして、備えておくべきものだ。肉体的な修練(武術)と同時に、精神の修練(武道)も欠かさず、「文武両道」を目指して、今後も努力しようと思えた。 (「日本の大義と武士道」ってサブタイトルだけ見るとすごく右翼的に感じられる(汗)、、何とかならないものでしょうか??)

Posted byブクログ

2010/04/03

合気道部でお世話になっている荒谷先生の著書。現在は明治神宮武道場至誠館の館長で、自衛隊特殊作戦群初代郡長というおっかない肩書きの持ち主。(実際はかなり気さくで優しい方ですが) 若干グローバル資本主義を敵視しすぎているように感じられるところや、左寄りの人からはあまりに天皇礼賛と見...

合気道部でお世話になっている荒谷先生の著書。現在は明治神宮武道場至誠館の館長で、自衛隊特殊作戦群初代郡長というおっかない肩書きの持ち主。(実際はかなり気さくで優しい方ですが) 若干グローバル資本主義を敵視しすぎているように感じられるところや、左寄りの人からはあまりに天皇礼賛と見受けられそうなところもあるが、基本的に非常に面白い内容。体験談と、学問的な内容と、生き方の哲学に関わる内容となっている。 体験談に関しては、正直、荒谷先生、よく生きてますね、と。訓練中に銃口がこっち向いて嫌な感じがしたからよけたら次の瞬間実弾が飛んできたとか、上空100メートルからパラシュート降下とか。。。読んでるだけでも冷や汗モノです。 社会や国家の在り方についてロックなどからとき起こしているところも興味深かったが、それ以上に、マズローの欲求段階説第六段階の話が出てきたのが面白かった。Twitterではじめて知ったのに、結構有名なんだろうか。色々学んでらっしゃる。アメリカンドリームは、自己実現の欲求であるのに対し、武士道の理想は、その一つ上の自己超越(コミュニティ実現)の欲求であるという。そういう対比もできるのか。 生き方としては、目的を持って、自分の意志で生きること、自然体で生きること、行動にうつすことの重要さが解かれている。戦うものとして、マシーンのようなGIではなく、自分の信念を持って自律的に行動できることが大切だという。軍事においてさえもそういう時代なのか! 合気道の稽古に対する姿勢がまた引き締められたとともに、マシーンのようなGIではなくゲリラやテロリストのように自律分散的な組織の強さについても色々と荒谷先生から学んでみたくなった(ここ最近の自習のテーマの一つ)。軍事に関してのスペシャリストでもいらっしゃるわけだし。

Posted byブクログ