シゴトの渋滞、解消します! の商品レビュー
仕事をスムーズに進めるためのコツを著した本.車間が詰まりすぎるから渋滞する,車間を適切にあければ渋滞は解消するということのアナロジーで,仕事の間隔を詰めすぎない,7 割程度の力で仕事をする,成功を譲り合う,など,具体的な方策が語られている. 最後は「全体最適」に向けた筆者の考え ...
仕事をスムーズに進めるためのコツを著した本.車間が詰まりすぎるから渋滞する,車間を適切にあければ渋滞は解消するということのアナロジーで,仕事の間隔を詰めすぎない,7 割程度の力で仕事をする,成功を譲り合う,など,具体的な方策が語られている. 最後は「全体最適」に向けた筆者の考え (妄想) が書かれているが,全体最適って難しいな,と改めて実感した.
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○1日の時間割をつくる。計画と実践を繰り返す。 ・東京大学の事務は、2時間を1単位に分割。 ・私の研究時間は90分から2時間ほど集中したあとは30分間の休憩 ・事務の現場では、だれか独りは、1日の1単位は「ゆとりの時間」にする。→未達業務の実施、同僚の手伝い(分散)。多能事務員の育成を目指している。 ○限界能力の7割で継続処理する ・未来を予測 ・今週や来週の予定をふまえて仕事を進行 ○仕事のやめかた ・やめどき:×きりのいいところ、○パッとノートを開いたら、自動的に前のつづきができるようにしておく。5分もあればしあげができるという状態で今日の仕事をやめる。 ・翌日:些細な一歩から仕事を進められる。 ○仕事はほとんど渋滞現象そのもの。泥沼にはまっている。 ・研究の成否は才能よりも体力よりも「勇気」がものを言うのではないか。 ○クリアファイルの活用 ・6つのポケットがあるクリアファイルを2-3冊携帯。 ・ポケット一つに、ひとつの研究テーマにおいて自分の最新の計算結果などが収めてある。 ・ほかにも、雑誌の対談原稿で修正が必要なもの。やりかけのママキープ ・15分とか細切り時間の活用 ・アイデアに集中している時間朝6:30-7:30。移動時間も集中 ○メモ ・毎朝:アイデア帳。 ○リトルの公式:行列の人数÷1分間の到着人数=待ち時間 ○他人のマネはしない。 ○目的と期間を設定する ○机の上、今日実行する仕事だけを配置する。終えたら、明日実行する仕事だけを配置する。 p.185 在庫回転率=売上額÷棚卸資産額 ・ある特定の期間に何回倉庫にある在庫がいれかわったのか。製品が売れ方を示す。 ・渋滞学の公式:速度×密度=流量。流量こそが売上。 ・経験則からは、在庫を減らしたほうがトータルで考えればよい場合が多い。 ○ボトムアップ型 ○3つか4つの分野で数年間もがいて、パッと共通項に気づく。各分野のテクニックをあたらしいくみ合わせでつなぐ。 ○社会につながるためには、社会の難問を解決しなければ。 ・仕事として、商品としての研究を社会に提供しなければならない。 ・勉強 8年間流体力学、新分野2年間。初見でも3ヶ月位あれば ・渋滞を徹底的に数学で表現
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後半にちょこっとある著者の自分の過去の話(貧乏話)が人間臭くて良い。こんなに若くて東大卒業で一流雑誌に論文も掲載されるような人が就職に苦労する日本って変だよな。 個人は社会の問題を解決しなければ社会につながれないのです (P224) 実感がこもっているな?
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112:「渋滞学」の第一人者としてテレビ等でもお馴染みの西成先生の本。テレビで見た「車間距離を開けると渋滞が解決していく様子」が衝撃的で、飛びつくように本を読みました。どのビジネス書にも言えることですが、本の内容があてはまる職種とそうでない職種があるでしょうが、私の職種ではかなり...
112:「渋滞学」の第一人者としてテレビ等でもお馴染みの西成先生の本。テレビで見た「車間距離を開けると渋滞が解決していく様子」が衝撃的で、飛びつくように本を読みました。どのビジネス書にも言えることですが、本の内容があてはまる職種とそうでない職種があるでしょうが、私の職種ではかなり当てはまりますし、自分が無意識にしていたことにも「流れ」の観点から解説がなされていて、なるほどと唸らされました。仕事だけでなく、勉強や趣味にも応用できることだと思うので、ご興味がある方はぜひ。
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こういう類の本にしては、アプローチが理系で興味深い。結局は同じところに落ち着いていくが納得感はある。 個人、部門、会社に分けて語っているが、最後の会社の部分は何が言いたいかわからなかった。
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組織や予算のムダをとること(組織や予算の渋滞を解消すること)は、国家規模の懸案事項でもあるのです 渋滞解消のためには、車間距離を開けましょう 仕事には「全力の7割」で取組んでください 最高の渋滞解消法は「会話をすること」「命令しないこと」 部内の改革に成功すれば、ドミノのように全体に効果をもたらします 全体の改革のためには、視点を変えて仕事を見なければいけません 売り上げは「流れの分量」ととらえるべきなのです
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渋滞学の教授らしく、仕事の出来、不出来を「流れ」と考えるところがユニーク。 「成果が出ない」のは「仕事が渋滞している」から。「成果を出す」のではなく「流れを滞らせない」ようにすれば、ふんばらなくとも成果は勝手に流れ出てくる。 仕事の渋滞を解消するためには「仕事の車間距離」を開け...
渋滞学の教授らしく、仕事の出来、不出来を「流れ」と考えるところがユニーク。 「成果が出ない」のは「仕事が渋滞している」から。「成果を出す」のではなく「流れを滞らせない」ようにすれば、ふんばらなくとも成果は勝手に流れ出てくる。 仕事の渋滞を解消するためには「仕事の車間距離」を開けることが必要。もっと具体的に言えば本気を出さない、スキマ時間を設定する。 常にフルアクセルで仕事をしていると急な割り込みには対応できないし、突発的なハプニングが起こると、後ろに控えている仕事も滞ってしまう。 スキマ時間に何もすることがなければ、利他的な行動に向けてみる。つまり、平準化。 こうすることで、組織のパフォーマンスが1+1+1=2になりがちなところが0.9+0.9+0.9=5にもなるのだ。
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一番ぐっときたのは「ほとんどの人にとって「いい」と思える政策こそが非常に危険である。」というもの。 たとえば、「自転車に乗るときにはヘルメットを着用しましょう」などという安全のための政策を否定する人はなかなかいません。しかしフタを開けたら「自転車に乗るときにヘルメット着用を義務づ...
一番ぐっときたのは「ほとんどの人にとって「いい」と思える政策こそが非常に危険である。」というもの。 たとえば、「自転車に乗るときにはヘルメットを着用しましょう」などという安全のための政策を否定する人はなかなかいません。しかしフタを開けたら「自転車に乗るときにヘルメット着用を義務づけたことで、死亡事故が増えた」例もでてきました。なぜなら「運転手は、ヘルメットをつけている自転車を見かけると安全だと思い込んでしまって、より自転車の近くをすりぬけるようになったから」とわかりました。
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格差や年金、高齢化、人口減少、不況等様々な社会的な問題を解決するには、従来のようにその分野の専門家だけで議論をしていても問題は解決できないのかもしれない。 これからは、渋滞学の研究過程で得た知見を仕事の改善に応用したように多様な分野を応用し、複眼的な視点で問題解決に取り組んでいく...
格差や年金、高齢化、人口減少、不況等様々な社会的な問題を解決するには、従来のようにその分野の専門家だけで議論をしていても問題は解決できないのかもしれない。 これからは、渋滞学の研究過程で得た知見を仕事の改善に応用したように多様な分野を応用し、複眼的な視点で問題解決に取り組んでいく必要性を感じた。
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私が社会人になった20年前と比較して、間違いなく全体の仕事量は増えているのですが、それをこなすための人員は確実に減っていると思います。 当時は職場にコンピュータがワープロの代わりに導入され始めた頃で、文書を作成したり回覧するシステムは確実に進歩していますが、肝心の人間が仕事を...
私が社会人になった20年前と比較して、間違いなく全体の仕事量は増えているのですが、それをこなすための人員は確実に減っていると思います。 当時は職場にコンピュータがワープロの代わりに導入され始めた頃で、文書を作成したり回覧するシステムは確実に進歩していますが、肝心の人間が仕事をこなす能力は上がっているのでしょうか。 シゴトが溜まっていく(渋滞)状態だった私ですが、昨年の夏頃から、会社の方針で「Outlookカレンダー」に予定を入力することが義務付けられました。 会議を勝手に入れられたくなければ事前に入力する必要があり、その対策として、仕事に集中したい日にはあらかじめ仕事(予定となる仕事)を入れるようにしたところ、仕事がはかどるようになっています。この本では、それと同様のことが書かれてあり(p39)、共感を覚えました。 以下は気になったポイントです。 ・渋滞を解消するためにクルマとクルマの車間距離をあけたように、スケジュールとスケジュールの合間も「車間距離」をあけて、仕事の安全運転をしておくべき(p27) ・仕事の計画を作成するための鉄則は、はじめは余裕を持って確実にできる計画にすること、仕事の質や量よりも、「継続」を求めるべき(p33) ・会社についたら、「就業時間を分割させる、例:午前午後各2つずつの合計4区分」がポイント(p39) ・90分から2時間ほど集中したあとには、約30分の休憩を入れることまでを予定する(p45) ・仕事を継続させるために渋滞学を生かすとすれば、1)未来を予測する、2)今週、来週の予定を踏まえて仕事を進行させる、である(p51) ・ランチタイムの待ち時間は、「行列の人数」÷「1分間の到着人数」=「待ち時間」となる(p76) ・アイディアの管理方法として、「ホームランにあたるネタ」と、「ヒットかなというぐらいのネタ」を同時並行で狙うことがポイント(p90) ・自分や周囲をうまく乗せられる言葉こそが、言霊と言える(p130) ・ムダ取りの第一歩は、出勤から退社するまで、1日のあいだに何をやるのかをまず先に決めて、その進捗を記録する、ことである(p149) ・残業を減らすために、1日の仕事を4つに分割する(p160) ・トップが現場全体を上手く束ねられないと機能しない、トヨタ生産方式を導入出来ているのは製造業でも25%程度(p184) ・渋滞学の公式として、「速度×密度=流量」、距離の間(ある時間に進んだ距離)にクルマが何台いるか(ある時間に通過したクルマの数)、速度に密度をかければ良い(p186) ・自分の全力とは、個人のパフォーマンスを最大にするのと同時に、自分のエゴも最大限に発露させることになる(p205) ・新発見をするには、複数の分野のテクニックを、あたらしい組み合わせでつないでみることがポイント(p216) ・コンピュータが計算できるのは、簡単に現実をモデル化したもののみ(p259) ・問題を厳密に解くことは実際には無理で、厳密に解ける問題は、大学2年生くらいまでの問題(p260)
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