ニューギニア大密林に死す の商品レビュー
伯父がいた西部ニューギニア、戦闘より餓えや病気で亡くなった人が多かったと聞く。本書を読み、父から聞いた伯父の体験談と被る部分が多く勉強になった。
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作者は陸軍中尉(ニューギニア戦当時)。極限状態の中、士官も兵卒も関係なく飢えやマラリアなどに苦しめられる…とはいえ、やはり生き残り、こうして体験談を書いている人には士官が大半を占めている気がする。自分の食べ物は自分で探すことが原則となったニューギニア戦末期にあっても、下士官と一般...
作者は陸軍中尉(ニューギニア戦当時)。極限状態の中、士官も兵卒も関係なく飢えやマラリアなどに苦しめられる…とはいえ、やはり生き残り、こうして体験談を書いている人には士官が大半を占めている気がする。自分の食べ物は自分で探すことが原則となったニューギニア戦末期にあっても、下士官と一般兵の間にはなお埋められぬ序列が存在したのではないだろうか。
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戦後半世紀以上が経ち、第二次世界大戦の事は風化され忘れられつつあるけれど 世間に知られる事もなく、歴史のなかに埋もれて行く真実もまた数多くある。 この本で書かれているニューギニア・イドレ転進も、まさにその一つ。 作中『以後の作戦は、ニューギニアを切り離して行わねばならなくなった』...
戦後半世紀以上が経ち、第二次世界大戦の事は風化され忘れられつつあるけれど 世間に知られる事もなく、歴史のなかに埋もれて行く真実もまた数多くある。 この本で書かれているニューギニア・イドレ転進も、まさにその一つ。 作中『以後の作戦は、ニューギニアを切り離して行わねばならなくなった』 という東条英機からの手紙が紹介されるが 作戦から切り離されるとともに 第二次大戦という歴史からも切り離されてしまったのだろう。 ニューギニアでこんなにも壮絶な行軍があった事を私は全く知らなかったし、多くの人が知らないに違いない。 この本には、戦争といってイメージする様な激しい戦いのシーンは出て来ないし、涙が止まらなくなるような感動的エピソードもない。 『この悲惨のイドレ転進を書き残すことを生還した私の務めとしてきた』 とある様に、実際にこの壮絶な四ヶ月を生き抜いた御本人だからこそ書く事の出来た真実だけが描かれている。
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