ベルリン・コンスピラシー の商品レビュー
ユダヤ=弱者、ナチ=悪者、という単純な区分では整理できないドイツの状況をベースとしたミステリー小説。英MI6、米CIAの思惑に振り回される強制収容所サバイバーのジューイッシュ爺さんとその息子が主人公。息子はアラバマで育っている設定なのだけど、「アラバマ臭さ」が全くない好青年すぎる...
ユダヤ=弱者、ナチ=悪者、という単純な区分では整理できないドイツの状況をベースとしたミステリー小説。英MI6、米CIAの思惑に振り回される強制収容所サバイバーのジューイッシュ爺さんとその息子が主人公。息子はアラバマで育っている設定なのだけど、「アラバマ臭さ」が全くない好青年すぎるのが違和感。 ロンドンホテルでチェックインして眠ったら、目が覚めたらベルリンだったという誘拐の設定は無理がありすぎだろ、と思ったら日本語版2010年出版。どうりでネットの位置情報的なプロットがいっさい出てこないわけだ。
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カーの『死者を語らずとも』を読んだ時のように、作中のドイツと現在の日本の相似を感じた。偶然だろうけど。自国の正義を貫くためなら、1人の老人の命も尊厳も踏みにじる、巨大国家の傲慢の恐ろしさ。これがフィクションと笑い飛ばせない現実の恐ろしさ。今のドイツはここに書かれているほどひどくは...
カーの『死者を語らずとも』を読んだ時のように、作中のドイツと現在の日本の相似を感じた。偶然だろうけど。自国の正義を貫くためなら、1人の老人の命も尊厳も踏みにじる、巨大国家の傲慢の恐ろしさ。これがフィクションと笑い飛ばせない現実の恐ろしさ。今のドイツはここに書かれているほどひどくはないだろうが、アメリカと日本はよりひどいかも知れない。
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何気なく手にした本だつたけど、大当たり。 構成の骨が太く、ネオナチなど右傾化しがちな現代ドイツと過去の過ちを上手くテーマに織り込み、尚且つ西側体制の中でのドイツの立ち位置を米英の思惑から発した陰謀の形で組み込んだ作家としての力量は確かであり、読み手を飽きさせることがない。 ストー...
何気なく手にした本だつたけど、大当たり。 構成の骨が太く、ネオナチなど右傾化しがちな現代ドイツと過去の過ちを上手くテーマに織り込み、尚且つ西側体制の中でのドイツの立ち位置を米英の思惑から発した陰謀の形で組み込んだ作家としての力量は確かであり、読み手を飽きさせることがない。 ストーリーは、実在したユダヤ人の復讐組織、グループ・ナカムの老いたメンバーがドイツで訴追されロンドンで拉致されてドイツで逮捕されるところから始まる。右傾化と西側体制からの独立を標榜する現首相が首相選挙をリードする中で顕在化したユダヤ人の逮捕、票読みの行方が変わってゆくなか政治的駆け引きが進む。
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15年ぶりの巨匠の新作。本格的なエスピオナージュを久しぶりに堪能した。現代を舞台にしても、おもしろいスパイ小説が書けるというよい見本。
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手練れの作家の作品だから、読みやすいというか、澱みなくすいすい読まされてしまうけれど、内容としては「なんだかな」と思うところはある。
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「週間ブックレビュー」で絶賛であったが、期待していたほどではなかった。一部史実であるということは興味深いが、オチがなっとくゆかない。ミステリではなく、スパイものだね、しかたないか。
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本当に久しぶりの新作。ノンフィクションは未読だったので、作品を読むこと自体も十数年ぶりのはず。冒頭の謎から哀切に満ちたエンディングまで、堪能できる一冊です。
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NHKの「週刊ブックレビュー」で紹介されていて、面白そうなので読んだ。出だしがあり得ない設定で引き込まれる。中盤くらいまで一気に読んだが、後半は失速。でも、この著者の他の本も読んでみたいと思った。オーストリアに誕生したハンサムなネオナチ党首っていたなー(ハイダーだっけ?)と思いだ...
NHKの「週刊ブックレビュー」で紹介されていて、面白そうなので読んだ。出だしがあり得ない設定で引き込まれる。中盤くらいまで一気に読んだが、後半は失速。でも、この著者の他の本も読んでみたいと思った。オーストリアに誕生したハンサムなネオナチ党首っていたなー(ハイダーだっけ?)と思いだした。その後、どうしたんだろう?
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過去と現在を行き来しながら陰謀の真相を暴く。そこに反ナチの思想が深く絡んでくるため、ある程度の読み難さは覚悟していたが、意外とスラスラ読めてしまった。 外堀を埋めてからストーリーが動き出すタイプなので、62年前の事件に至る背景部分は重くてしんどい。事件が展開すると一気にエンタメ...
過去と現在を行き来しながら陰謀の真相を暴く。そこに反ナチの思想が深く絡んでくるため、ある程度の読み難さは覚悟していたが、意外とスラスラ読めてしまった。 外堀を埋めてからストーリーが動き出すタイプなので、62年前の事件に至る背景部分は重くてしんどい。事件が展開すると一気にエンタメ性が濃くなってくる。ヘビーな背景は薄れ、スパイ小説としての面白さを堪能できる。ここが本作品の真骨頂なので、謎解きそのものには過剰な期待をしないように。ハリウッドが好みそうな題材ではある。
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久々のマイケル バー=ゾウハー。「本の雑誌」での評価も高く期待して読みました。 冒頭から引き込まれあっというまに読了。ただ、「陰謀」のおそまつさ、都合が良すぎるのではないか、と思わせてしまう展開にちょっと疑問あり。(それも著者の計算の可能性があるけど)ただ、主人公の最後の選択の重...
久々のマイケル バー=ゾウハー。「本の雑誌」での評価も高く期待して読みました。 冒頭から引き込まれあっというまに読了。ただ、「陰謀」のおそまつさ、都合が良すぎるのではないか、と思わせてしまう展開にちょっと疑問あり。(それも著者の計算の可能性があるけど)ただ、主人公の最後の選択の重さはどうだ!。 いろいろ余計なことを考えてしまう。 ・アメリカにとって日本の存在ははるかに軽いものになってしまったが地政学的に日本の存在が重いものであったら同様の操作はありえるのか。 ・マイケル バー=ゾウハーの初期の作品を読んだときから比べるとイスラエルへの反感が若干増している。それが読後感に影響を与えているのではないか。 ・また、その意識が同時に主人公の選択に衝撃を受けさせた理由ではないか。(著者はイスラエルの国際的なイメージに危機意識を持っているのではないか?) マイケル バー=ゾウハーは初期の短めの作品のほうが面白い。長くなればなるほどつらくなる。あまり読まなくなってしまったのはそれも理由にあったと思い出す。
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