未来のフットボール(1) の商品レビュー

大和屋エコ(著者)

2012/01/09

タイトルから想像できる通りの内容。「未来のフットボール」というタイトル通り、タイムスリップ×フットボールのお話。面白いには面白い。ある意味期待通りだが、期待と寸分違わなすぎて、悪い意味で驚きがなく、世界を感じられない。主人公、未来は、10代のサッカー選手。鳴り物入りでスペイン二部のチームに移籍するが、あっという間に二軍に落とされてしまう。結局東洋人差別か、と自暴自棄になりかけていたところで、遠征中に事故にあい、120年前のイングランドへタイムスリップしてしまう。そこで出会ったのは、黎明期のフットボールと、ダーラムというチームだった。クライマックスの未来が「サッカーやってないのは、俺の方じゃねえか」と気付くシーンはそれなりに感動的で、少年マンガならコレくらいが限界値だと思う。ただ、テーマとしては、もっと膨らませられる可能性を感じただけに、一発ネタで終わってしまったのが惜しい。個人的にはこの題材なら、「ジパング」のように、チームごとタイムスリップさせて、「戦術クロニクル」を見せて行く方が面白いと思う。だがそれを実現するには、相当なサッカーの知識と筆力が必要とされることは明白。現実には難しいだろう。