勝海舟 の商品レビュー
1ヶ月経つけどまだ読み終わらない。 勝海舟好きなのに、キライになっちゃいそう(涙) 結局読了をあきらめた。 今読むべき本ではなかったのかも。
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凄い本である。「勝海舟」の生涯を克明に追いかける中で幕末史、明治史の詳細をも知ることができる。 「勝海舟」本人の膨大な自筆資料のみならず、周辺関係者の日記等々を駆使した本書の考察は、800ページを超える分厚い本であるが、飽きることなく最後まで読めた。 また、凄いのは「脚注」...
凄い本である。「勝海舟」の生涯を克明に追いかける中で幕末史、明治史の詳細をも知ることができる。 「勝海舟」本人の膨大な自筆資料のみならず、周辺関係者の日記等々を駆使した本書の考察は、800ページを超える分厚い本であるが、飽きることなく最後まで読めた。 また、凄いのは「脚注」である。その分量だけでも優に新書1冊分以上あるのではないだろうか。本書を読書中の途中に「脚注」の面白さに気づき、途中からは本文を読みながら注記をめくることに、わずらわしさも覚えないほど夢中になって読み続けたことはいまだかつてない楽しみだった。 個人史もここまで深く追求すると、こうも面白く読めるものなのか。 これは対象が「勝海舟」だからなのかもしれない。 以前「咸臨丸」についての本で、「勝海舟」を低く評価する考察に違和感を持ったことがあるが、本書を読んでその疑問も解消した。「勝海舟」は実に非凡な人物である。 「勝海舟」が江戸幕府の幕引きを、幕府側から行いえたことは、それなりの理由と力量があり、周辺の人々はみなそれを熟知していたことがよくわかる。 ただ「西郷隆盛」が幕府に融和的姿勢をとり、それがゆえに新政府内部で主導権を失っていったかのような考察がある。これははじめて聞いたが、どうなのだろうか。 それにしても「勝海舟」は、面白い人物だ。思想・行動力・判断力・見通し等々すべて超一流のレベルであるにもかかわらず、日記の記載は実に大雑把。 日付や連続性などについては実に無頓着であり、会計の出納記録もあてにならないとは笑ってしまうが、後世の歴史家がみな振り回されているのだから、笑い事ではない。 また、「勝海舟」が「日清戦争」に反対していたことも初めて知った。 同時代の「福沢諭吉」が「脱亜論」を唱えていたことを思うとだいぶ違うが、日清戦争後に清国の弱体化が進みロシアの介入を招いたとの考察には深く考えさせられた。 朝鮮半島の派遣をめぐってロシアと戦った日露戦争は、日清戦争の勝利の結果おきたと言えるのだろうか。 幕末・明治期の政治家の日記等の多くの文書記録を活用すれば、本書のようなすばらしい考察ができることがわかった。 「日清戦争」や「日韓併合」などのその後の日本の帰趨を左右したような歴史的事実についてもぜひ、本書のような考察を読みたいとも思った。 本書を優れた歴史書として高く評価したい。 実は、本書を読むのはこれで三度目となる。上記のレビューは最初に書いたものだが、本書は三回読み直しても新たな発見がある。 日本という国の権力構造の重心のありかたや、権力分散の仕組みを本書で見ると、日本という国が西洋から近代国家という仕組みを輸入しながら、日本文化に合わせた試行錯誤と苦闘をしてきたことをよくわかる思いがした。 しかし、本書を読むと「勝海舟」は日清戦争には徹底して反対していたそうだが、日本という国家は明治期において、朝鮮半島や中国との関係においてまた別の可能性があったのかもしれないとも思えた。 本書は、現代まで通ずる歴史を考えさせてくれる本でもあると高く評価したい。
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半世紀にわたって勝海舟研究をライフワークとしている著者の集大成というべき大著。幕末期はもちろん、一般にあまり知られていない明治期の動向も余さず叙述。史料解釈・史料批判に相当紙幅を割いているため(勝の日記や書簡は内容が不正確で取り扱いに注意を要する)、一般向けの評伝としては必ずし...
半世紀にわたって勝海舟研究をライフワークとしている著者の集大成というべき大著。幕末期はもちろん、一般にあまり知られていない明治期の動向も余さず叙述。史料解釈・史料批判に相当紙幅を割いているため(勝の日記や書簡は内容が不正確で取り扱いに注意を要する)、一般向けの評伝としては必ずしも読みやすくはないが、当分は勝海舟伝の決定版としての位置は揺るがないであろう。
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今日入手。全18章。900ページ以上。ある程度知ってる人向きかなぁ、自分は興味のある9章「静岡東京往復期」11章「金と人の動き」とか最初から通しで読むより章ごとに拾い読み。読了までしばし。
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