氷の海のガレオン/オルタ の商品レビュー
生きづらいけれど賢い子供を書くのが上手いと思う。わたしは特にオルタの方が心に残った。 ある男子のことがきっかけで学校に行かなくなった1年生の女の子。それをめぐる母の考えをたどっている。
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ガレオンはなんとなくおぼえてたけど、オルタは読んでない気がするので、最初の本の方を図書館あたりで読んだのかも知れない。能年ちゃんイチオシなので取っておこ。
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クラスになじめない、というかクラスメイトの話す言葉自体がなんだか自分と違っていて、違和感を感じ、浮いてしまっている杉子11歳。違和感と闘い続ける杉子。友達がいない杉子。言葉の通じなさというか会話の出来なさが小学校時代の自分にそっくりで驚いた。 みんなが楽しんでいることを楽しいと思...
クラスになじめない、というかクラスメイトの話す言葉自体がなんだか自分と違っていて、違和感を感じ、浮いてしまっている杉子11歳。違和感と闘い続ける杉子。友達がいない杉子。言葉の通じなさというか会話の出来なさが小学校時代の自分にそっくりで驚いた。 みんなが楽しんでいることを楽しいと思えない自分はきっと楽しいという言葉を理解していないのだろうな、と私は考えていた。そんなことを思い出した。そして振り返るとやっぱり自分のこととは思えない。自分が変わったとか強くなったとかそういうことじゃなく、ああいう期間って誰にとってもきっと「誰かほかの人の夢」を見ているような感覚でしか思い出せない期間なのかな。 もう一編の「オルタ」もとてもよかった。自閉傾向のあるわが子と同じく自閉傾向が強いクラスメイトとのいさかいを母親目線で描いた作品。
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※このレビューにはネタバレを含みます
結構問題作として有名だったようですね。 そして賛否ぱっくり。 うん、自分は肯定も否定も両方だなぁ。 確かに「氷の海のガレオン」が好きかな。 「自分」を持つことは勿論大切。 むしろ社会に溶け込むために「自分」が必要とも言えると 思うので、社会に溶け込むことも「生きていくこと」であることを 感じさせるこちらはなかなか良かったと思います。 ただ、「まりかちゃん」が凄い嫌。 この子がというより、「こんな子がいじめられるのよ」的な 書かれ方が凄く嫌。 ま、煙たがっていた主人公・杉子のフィルターもかかってるだ ろうけど、兎に角嫌でした。 親御さんもアバウトすぎて、社会に馴染めなかったから 「自分」を保ちながら馴染むことはできる、 なんて教えられなかったんだろうな。 後半の「オルタ」も後味が悪い。 学校って沢山あるわけで、その気になればどこの学校にも 行けると思うので、学校の子、クラスに合わない、馴染めない だけで「行かない」て選択肢になるのは何か違うような、と 思えたのです。 テーマは凄く興味のあるものなのですが、 確かに妙なむなくそ悪さが残りますな…
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ハードカバー版にはないオルタが読みたくて買ったんだけど良かった……。私は好き。何とかうまくやってこれた(り、うまくできなくて軋轢生じさせたりした)けど、こども時代を生き抜くのは大変だよなあと、大人になった今、思う。
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奥歯さんのブログから。 同じように社会に戸惑いや、恐怖を感じている人に読んでもらいたい本。 ただ、『氷の海のガレオン』の11歳の杉子は殻を破って成長の兆しを見せるが、 『オルタ』の6歳のオルタは幼い故の壊れやすさから関わりを放棄してしまった。 正論はあっても正解はない。 一...
奥歯さんのブログから。 同じように社会に戸惑いや、恐怖を感じている人に読んでもらいたい本。 ただ、『氷の海のガレオン』の11歳の杉子は殻を破って成長の兆しを見せるが、 『オルタ』の6歳のオルタは幼い故の壊れやすさから関わりを放棄してしまった。 正論はあっても正解はない。 一般的なモラルを放棄した登場人物たちに 眉をひそめる人もいると思うが、 自分自身も過去に学校という強制されたコミュニティの中で 虐げられ、困惑したから気持ちはわかる。 現実世界にいるのたくさんの彼、彼女たちが どのような選択においても幸せな道を歩めるよう祈るばかり。
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小さな世界の平凡な少女の癖に妙な選民意識をもった主人公とその家族が鼻につきまくり。 あのねえ・・・。自分を「変わってる」なんて言う奴って、ほんとたいしたことないのよ。 自分がほかの子と違うって、いや、それは思い込みで、大差ないから。 こういう子は(家庭環境はともかく)クラスに一人...
小さな世界の平凡な少女の癖に妙な選民意識をもった主人公とその家族が鼻につきまくり。 あのねえ・・・。自分を「変わってる」なんて言う奴って、ほんとたいしたことないのよ。 自分がほかの子と違うって、いや、それは思い込みで、大差ないから。 こういう子は(家庭環境はともかく)クラスに一人はいます。 それを増長させる父、音楽教師。 最低ですね。 私も本好きで友達いない子どもだった。 学校も大嫌いだった。 けれど、成長するにつれ、学校や社会と調和しながら、他人の価値観を認めつつ自分を磨く人、才能のある人がたくさんいると知って、自分の狭量さ、自意識過剰を心から恥ずかしく思った。 「オルタ」も不愉快。 学校はね、もちろんやな教師や生徒もたくさんいますよ。 でもいい教師や友人も皆無じゃない。 自分から心を閉ざしては、出会うべき人に出会えなくなる。 まあ、こういう子ってほんといっぱいいるから、「私って間違ってない」と勇気づけるって意味はあるのかもしれないが。 ほんとにとんがった女の子の話が読みたいならマヤ・ヴォイチェホフスカを読みなさい。 こんなの読まなくてよい。
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周りの友人の・学校の「普通」に馴染めない女の子のおはなし。 自分のことを「周りの皆とちょっと違う」「普通じゃないかも…」って、感じる時って、意外と誰でもあるのではないかなぁ、と思っています。自分も結構そう感じて生きてきた気がするし。笑 何が「普通」なのかって、分かってい...
周りの友人の・学校の「普通」に馴染めない女の子のおはなし。 自分のことを「周りの皆とちょっと違う」「普通じゃないかも…」って、感じる時って、意外と誰でもあるのではないかなぁ、と思っています。自分も結構そう感じて生きてきた気がするし。笑 何が「普通」なのかって、分かっているようで、分からないなー。 「自分って、他の人と比べてちょっと変かも…」と思って悩んでいる子どもたちに読んでみてもらいたい本。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『氷の海のガレオン』 自分のことを天才だと信じて疑わない小学6年生の杉子が主人公。 詩人の母と、ふらりと海外へ消えてしまうニートの父、兄と弟の風変わりな家族。 杉子は自分の言葉を理解できない同級生はバカで、天才である自分はバカに理解されなくても構わないと思って生きている。 というスタンスではあるものの、孤高になりきれなかった杉子が本当に孤高の存在になるお話だと感じた。 杉子とその家族的な考え方もわかるけれど、杉子が平凡でつまらないと感じるクラスメイト達もとてもリアルでなんだかヒリヒリする話である。 誰しも杉子のように自意識が過剰になる時期があるのではないかと思う。 杉子はこのあとどうなっていくのだろう。 かなり悩ましい物語。 『オルタ』 母親の手記のような形式。 発達障害と思しきコミュニケーション不全の男の子と隣の席になったことで、情緒不安定になった娘オルタが不登校を経て学校で学ぶことを放棄するまでを綴っている。 最初はいじめや子供同士の力関係の話が主題かと思っていたら、 途中からオルタもアスペルガーの気があることが明かされ、ふつうと違う娘について冷静な目で分析が重ねられる。 全体を通して「ふつう」の子供達を決まった金型に押し込める学校というシステムへの強い疑問の提示がなされている。 2作品とも「ふつう」の子たちと違う子供を扱っている。 こういう生き方もあるんだろうなとは思う。 ただ多数派と違うってすごくパワーのいる生き方で、私は孤高の存在になるのは割に合わないと感じ、そのパワーを別の方向に使ったほうが自分のためだと思う人間であるから、読んでいてとても生きづらそうだなあ、と思った。 ただこの本を読んでとても楽になれる人もいると思う。 『氷の海のガレオン』はほむほむの『整形前夜』で「印象的な書き出し」として紹介されていた本です。
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2012.04.10. 久しぶりに読みたくなって。前に読んだのは、ピュアフル文庫じゃなかったのかな。「オルタ」は初めて。なんだか、読んでて泣きそうになる。最近、ずいぶんお疲れ気味、感傷モードなのかも。
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