ドイツ幻想小説傑作選 の商品レビュー

アーヒム・フォン・アルニム(著者),ホフマン(著者),アイヒェンドルフ(著者),ティーク(著者),シャミッソー(著者),今泉文子(訳者)

2024/02/12

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480426659/
４編読了。1編読止。
■金髪のエックベルト（ルートヴィヒ・ティーク）★２　
これもロマン派なのだろうか？
罪悪感が生む内省的な悲劇である。
グリム童話のような雰囲気。文体はすこぶるシンプルで飾りっ気がない印象です。

■アーデルベルトの寓話（アーデルベルト・フォン・シャミッソー）★４　
メスメリズムは好み。神話的な世界観。煩悩だけが突き動かす意欲の精神世界。情景にワクワクします。自己問答するうち幻想に陥る修行僧みたいです。ラストも逆に裏切られず良いです。

■アラビアの女予言者―メリュック・マリア・ブランヴィル（アーヒム・フォン・アルニム）★２
前半は貴族階級の不貞な恋愛。
後半はフランス市民革命に翻弄される登場人物たち。魔術の唐突感が否めない。
いろいろ盛り込もうとして話筋が散って集中できず楽しめない。

■大理石像（ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフ）？
読む人が読めば素晴らしいのでしょうけれど、古典の詩が多分に盛り込まれていて、解釈が難しくて…読むのを断念。一見ゴテゴテのメルヘンロマンチック。苦手な分野。

■ファールンの鉱山（Ｅ．Ｔ．Ａ．ホフマン）★４.5
物語としても面白いし、美と恐怖の緩急ある幻想夢想の中に浸かれる。そして読みやすいです。女王は残酷であるが、愛は尊い。
余韻良き。
名作。

2014/01/14

自らの意思で、“幻想小説”というジャンルに向き合ってみたのはこれがはじめてなのですが、
ずぶの素人の私にはあまり面白く読めませんでした。
というのも、この作品集が“ドイツ・ロマン派”のくくりであり、時代背景などが色濃く反映されているからか、
登場人物の男性が悉く愚かに思えて、まったく好感を持てなかったからです。
主人公は善きことであれ、悪しきことであれ、明確な意思を持って行動することに魅力を感じる、という
なかなか偏った思考を抱える読者の私には、この作品集は高尚過ぎたように思いました。

2011/07/11

金髪のエックベルト、アーデルベルクの寓話が面白かった。
後者の幻想的な空間に引き込まれました。

ホフマンが入っているのが嬉しかったが、やはり短編集を復刻してほしい(・ω・｀)

2010/04/06

ロマン派の短編５つの新訳。なかではシャミッソー「アーデルベルトの寓話」が面白かった。瞬く間に年月が経ち、天地を股にかける豪快さが。他の話も含めた全体的な印象として、幻想小説とはいえ小説の結構がしっかりして理が優っている気がするのは、お国柄だろうか。