福田和也の超実践的「文章教室」 の商品レビュー
『文章教室』なのにまずは、 「読む力」の必要性を説く。それは書くための目標を明確に定めるため。何処に行きたいのかわからずに車を走らせる人はいない。なのにただ漠然と「文章が上手くなりたい」と思う人へのメニュー提案だ。さまざまな作家の作品を取り上げ「あなたはどんな文章に魅了されたか」...
『文章教室』なのにまずは、 「読む力」の必要性を説く。それは書くための目標を明確に定めるため。何処に行きたいのかわからずに車を走らせる人はいない。なのにただ漠然と「文章が上手くなりたい」と思う人へのメニュー提案だ。さまざまな作家の作品を取り上げ「あなたはどんな文章に魅了されたか」→「こんな文章が書きたい」と感じさせてくれる。そしたら、少しだけその文章の輝きの理由を福田和也氏がすてに解き明かしてくれている。あなたにとって、好きな作家も、人間としては好きでなくても惹きつけられる文章を書く作家も、そして知らなかった作家もたくさん用意されています。 そして、 「書く力」ここでは、3点あげているけれども、私はあえて1点に絞って共感した。それはいいと感じた文章を分解、分析すること。そしてそれを認識すること。どこのところが、何故、自分を惹きつけるのかを強く見つめること。それは自分を知ることにもつながる。 というアドバイスは根本的なところに立ち戻って言葉というものに取り組む訓練になる。 冒頭の方に書いてあった、好きな文章を手書きで写す練習を進めていたが、その感覚がわかる。それは「読んでいて掴める快感」と「書くことで感じとる質感」の違いのようなもので、緩やかなテンポと指を動かす意識が伝える刺激か脳で発火するときに生じる特別な何かがある。 最後に 「調べる力」が挙げられているが、これは重要なことはわかるが、福田氏があげる「調べる力」が私のもとめる「文章力向上」とはかけ離れているので、ここでは触れない。 かつて読んだ本の魅力の謎解きにも役立った。
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※このレビューにはネタバレを含みます
思い出すだけではなく、あの鯨に、あの熊になりたいと無性に思うことがある。そしてその想像は私を甦らせてくれる。あの巨きな獣になった自分を私は感じることができる。 一点、誰かが撃った小さな銃弾に負った小さく深い傷の痛みを交えながら。
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作家に必要な素質はどれだけ感度のいいアンテナを持っているか。 文章を書きたいというきっかけは、違和感を感じたとき。 資料をできるだけ集めたほど、その結論がしっかりしている、といえないこともないが、資料と結論との関係をそういうように考えることは結局結論を資料によって縛るということに...
作家に必要な素質はどれだけ感度のいいアンテナを持っているか。 文章を書きたいというきっかけは、違和感を感じたとき。 資料をできるだけ集めたほど、その結論がしっかりしている、といえないこともないが、資料と結論との関係をそういうように考えることは結局結論を資料によって縛るということにほかならない。 自分と共通の基盤も何もない他者とどうすれば通じ合うことができるのか。プロの文章とはお金をとれる文章のこと。このことを念頭に置く。他者にどうやって自分の考えを伝えるか。 読書の効用の1つはボキャブラリーの増強。
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「垂れ流しの文章はなぜダメなのか」「『プロの文章』を目指す」などはなるほどなるほど…なのだけれど。 引用の作品・作家がともて大雑把だと感じる。
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福田和也が様々な作家の名文から、その作家がどう考えどういう視点で、背景に何があって、その文章が具体的にどういう効果をもたらしているかなどを読み解いた本。 名文を書くためには読む力が大事、という事で大部分がそれに割かれている。その後に書く力、調べる力という章が若干。 タイトルは...
福田和也が様々な作家の名文から、その作家がどう考えどういう視点で、背景に何があって、その文章が具体的にどういう効果をもたらしているかなどを読み解いた本。 名文を書くためには読む力が大事、という事で大部分がそれに割かれている。その後に書く力、調べる力という章が若干。 タイトルは釣りで、名文を書くためにはたくさん読んで、地道に書き写しながら呼吸やリズムなどを学び、そしてしっかり調べ物をしよう、つまり絶え間ない努力が必要だと伝えている。同感です。 また直接的には書いていないけれど、福田和也が各作家の名文をどう取り上げているか、その編集力を学ぶことが良い内容を伝える事に繋がるだろうと思った。それだけコンパクトに各作家の素晴らしさがまとめられている。
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各作品の名文が次々と紹介され、日本文学のレベルの高さを実感できる。紹介されている名文が名文すぎて、興奮する。
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エンタメでない、新書等の実務系はテーマで選ぶので誰が書いたかは気にせず買うのだが、読むうちに内容の良さに改めて著書名を確認すると福田和也だったということが二、三度あった。本作もかなり早い段階で「おいおいこれは」状態になった。 「読む力」「書く力」「調べる力」の3部構成であるが「読...
エンタメでない、新書等の実務系はテーマで選ぶので誰が書いたかは気にせず買うのだが、読むうちに内容の良さに改めて著書名を確認すると福田和也だったということが二、三度あった。本作もかなり早い段階で「おいおいこれは」状態になった。 「読む力」「書く力」「調べる力」の3部構成であるが「読む」「書く」はノウハウもさることながら上質のブックガイドとであり、「調べる力」もそれ自体がノンフィクションの作品のようで楽しめる。途中に挿入されたコラム添削実例集もピリッと効いていて中だるみすることなく最後まで楽しめる。840円は高くない。ただこれだけ良いつくりでありながらタイトルのセンスが悪く読者を限定してしまう可能性が残念。新書より文庫でだした方が売れたのでは。 宮本常一と双葉十三郎と増井和子を読んでみたくなった。文中作品から引用された文章はどれも印象深いが中でも江藤淳と宮本常一は感動。
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良い文章を書く為に、まずは良い文章とは何かを知らなければならない。 本書では様々なジャンルの文章を引用して、その良さを丁寧に解説している。 文章を書くために身につけるべき能力を 「読む力」「書く力」「調べる力」の三つに分類しているが、 中でも「読む力」の章に特に力を割いているよう...
良い文章を書く為に、まずは良い文章とは何かを知らなければならない。 本書では様々なジャンルの文章を引用して、その良さを丁寧に解説している。 文章を書くために身につけるべき能力を 「読む力」「書く力」「調べる力」の三つに分類しているが、 中でも「読む力」の章に特に力を割いているように感じられる。 ブログなどを通じて誰でも手軽に情報を発信できる現代だが、 玉石混合の書き手が限りなく存在するがゆえに、 「商品」となり得る優れた文章を書ける人材がより必要とされる。 これはその為の良い指南書になると思う。
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