未来思考 の商品レビュー
現状の統計データを基に未来を予測するのはよくあるが、それをとことん統計的手法を用いて数学的に説明しているところが読んでいて気持ちいい(あくまで、自分が数学科出身だからだろうけれど)。政府やシンクタンクが発表する未来予測について、数学者がどうとらえるかと言う観点で読むと良い。 逆に...
現状の統計データを基に未来を予測するのはよくあるが、それをとことん統計的手法を用いて数学的に説明しているところが読んでいて気持ちいい(あくまで、自分が数学科出身だからだろうけれど)。政府やシンクタンクが発表する未来予測について、数学者がどうとらえるかと言う観点で読むと良い。 逆に数学的手法によっているがために、大胆な予測が出てこないのを物足りない・斬新でないと思う人も多いかもしれない。 最後に述べられている「問題にすべきでないこと」と「問題にすべきこと」はとても重要。 ビジネス書や啓発本の多くが、"はじめに問題ありき"のようになっていることからも、本書のように問題(課題)を考察する視点は説得力があり良い("はじめに問題ありき"が悪いと言うわけではないのだが…)。
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現在入手できる統計資料を用いて、これから日本はどうなっていくのかを思考実験している。統計資料をどのように使えば、論理的に未来予想を導けるのか、また今メディアで報道されている未来予測はどうやって作られているのかを知ることができるのが面白い。特に、今後30年で大型地震が関東に発生する...
現在入手できる統計資料を用いて、これから日本はどうなっていくのかを思考実験している。統計資料をどのように使えば、論理的に未来予想を導けるのか、また今メディアで報道されている未来予測はどうやって作られているのかを知ることができるのが面白い。特に、今後30年で大型地震が関東に発生する確率が70%以上であるという結果はどうやって導かれたのか、そして本当に70%以上なのかについての検証は興味深かった。統計の基礎を学び、実際の応用例を見てみたい人向けである。
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いろんな統計データが示され、とても参考になった。最後の締めくくりの「問題を考えるときの最大の罠は、問題にすべきでないことを問題にしてしまうこと、そして、問題にすべきことを問題にしないことにあるのです。」は、納得できた。
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201202/ 社会の安定は、子どもの出生数に大きな影響を与える/旧東ドイツはベルリンの壁崩壊後に合計特殊出生率が大きく下がる/ 男性の年収と結婚している割合(有配偶率)との間には、身もふたもない関係がある/ 子どもに注目してみた統計によれば、驚くべきことに、所得そのもので見た...
201202/ 社会の安定は、子どもの出生数に大きな影響を与える/旧東ドイツはベルリンの壁崩壊後に合計特殊出生率が大きく下がる/ 男性の年収と結婚している割合(有配偶率)との間には、身もふたもない関係がある/ 子どもに注目してみた統計によれば、驚くべきことに、所得そのもので見た貧困率よりも、社会保障費や各種控除などを含めた再分配後の所得の貧困率のほうが「高く」なる/ 子どもたちは、高齢者の世話をするために生まれてくるのではありません/ 「子どもの数を増やすことで、社会の状態がよくなる」わけではありません。「社会の状態がよいから、子どもを安心して産める」のです/
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BBM(ビジネスブックマラソン)で紹介された本だったと思います。Amazonでほしいものリストにずっといれていたものだ。細かいデータを分析して、巷に言われている「日本の少子化」や「大地震の到来」を予測している。 内容? 内容は・・・うん、そうだな。「まあまあ」ってところかな。でも...
BBM(ビジネスブックマラソン)で紹介された本だったと思います。Amazonでほしいものリストにずっといれていたものだ。細かいデータを分析して、巷に言われている「日本の少子化」や「大地震の到来」を予測している。 内容? 内容は・・・うん、そうだな。「まあまあ」ってところかな。でもデータの大切さは学んだ。
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すごくわかりやすい本。さらさらと頭の中に入っていった。 主張も同意する内容ばかり。データも出されていて納得しやすい。 ひとつだけ、大学の件について言及してみる。 はっきり言って、大学の勉強が社会に生かされないものが多いのであれば、 政府の補助は必要ないように思う。だか...
すごくわかりやすい本。さらさらと頭の中に入っていった。 主張も同意する内容ばかり。データも出されていて納得しやすい。 ひとつだけ、大学の件について言及してみる。 はっきり言って、大学の勉強が社会に生かされないものが多いのであれば、 政府の補助は必要ないように思う。だから、筆者のいう「貧しくても学べるシステムをもっと広げるべき」 というのは順序が間違っていて、まずは大学教育を実学にそったプログラムにすることが肝要かと思う。 最後の一言、「制度」のイノベーションが足りない。 確かにそうだと思う。著作権は既得権益があって対応がされない。 他にも多くのイノベーションを阻害する要因がありそれを取り除くのは容易でない。 働かない正社員によって非正規社員がしわ寄せを食っているのだって既得権益だ。 こう考えてみると日本は既得権益が多いような気がしてくる。(他国を知らないので何とも言えないが) --気になった言葉-- 全体的にみると、最低賃金を上げることは、貧困を減らすための対策としてはあまり強力なものではないようだ(P185) 非正規雇用が増えている事自体が問題ではなく、「非正規雇用者の待遇が、リスクの割に良くないこと」が問題なのではないでしょうか(P192) 統計を眺めて気づくのは「グローバル化が絶対的な貧困を減らす」という事実です(P232) 「より生産性の高い産業に資本と労働力を投入することで、まだ経済成長できる」(P263) 日本には、間違いなく技術力はあります。足りないのは「制度」のイノベーションなのだ(P268)
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グローバル化が世界的には格差を減らしている。 ただしIT技術による格差影響の方が大きい。 都市への人口流入と二極化。 人口減が、失業率低下や経済成長停滞にそのままつながるわけではない。 PART1 少子化と結婚 子どもは何人欲しいですか/生物学的限界 →晩婚化で、物理的にう...
グローバル化が世界的には格差を減らしている。 ただしIT技術による格差影響の方が大きい。 都市への人口流入と二極化。 人口減が、失業率低下や経済成長停滞にそのままつながるわけではない。 PART1 少子化と結婚 子どもは何人欲しいですか/生物学的限界 →晩婚化で、物理的にうめる人数が減っている。 PART2 都市と高齢化 →都市への人口流入。北海道の現状、老人にとっての限界集落が増える。 交通の便がよくなるストロー効果で人口減。 PART3 仕事と経済 社内失業/蜘蛛の糸 →社内失業を考えると失業率17%ぐらい。人口減だからって失業率は改善しない。 同一賃金同一労働 →リスクがある派遣が高くあるのが正しい 相対的貧困率=貧困の指標?/相対的はく奪 先進国における貧困とは?/非正規増加のミステリー 日本の政策がまずいのか/グローバル化を追い詰めろ →グローバル化は、世界レベルでは格差を減らしている。ただし、格差は技術(IT)の影響の方が大きい。 労働市場の二極化 失われた10年の犯人/勤勉こそ美徳? →成長会計から、労働時間短縮が成長停滞の理由とする考え方。ただし、現在の停滞は技術の成熟化?の要因が大きい
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ある現象に対して仮説を立て、実際のデータがそれを証明しているか、それを証明するデータがあるかを確かめるというループが勉強になった。 また、これは「統計思考力」でも感じたことだけれども、そういった証明のベースとなるデータも、実は容易に手に入るケースが多いというのは驚き。
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このようにデータに基づく推計が出来る場合に、それを根拠としてどれだけ有効な政策が立てられるのかが、われわれの課題になってくる。
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■読みたいと思ったきっかけ(2010年4月29日) 仕事で統計を扱っており、時々自分の知識を確認する必要があるので。
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