太郎が恋をする頃までには… の商品レビュー
感想 見たくないものを見ない。友人の、恋人の、家族の。欠点は目についても見ないようにしている。でもそれは自己防衛。矮小で醜い自分を隠すため。
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小説家ではないから想像されるよりも事実を確認させられるシーンが多く、ちょっと読み疲れた。あと、完全にハッピーエンドだと思っていたから最後ビックリした。唐突感あるなぁと思っていたら、やっぱり後から書き変えたのね。 でも、前から勧められていて、たまたま読んだ日が3月15日だったことにちょっと入り込んでしまった。 そうではなかったのだ。これまで出逢った相手は、真実の相手ではなかった、ということだ。やっと、やっと、出逢えた。42歳で、私は真実の相手と出会い結ばれた。やっと最大の理解者をゲットできたのだ。私が私らしく伸び伸びと生きてゆくためには、私がもっと本当の私らしさを見つけるためには、この人の傍にいなければならない。情熱と負けん気と強運で生きてきた私に、理解者というものすごい力が加わったのだ。248 →伸び伸びと生きていくための理解者探し。ふむふむ。 自分も無意識のうちに差別意識をいだいてしまったということ、それに気付いたハジメは自分自身に愕然となった。「人間には理屈では説明しきれない感情がある。それにもそれがあったってことだ」・・人間としての醜さを、哀しい性を、愚かさを、今私に打ち明けたのだ。「でもおれはその後すぐに、思ったんだ。俺は間違っているって。でも気付いたからといって何かができるわけじゃない」P326 →リーガルハイでも言っていた「醜さを愛せ、そこから人に何かをできるようになる」。だから辛い想いをした人は強く優しいのだろう。私もまずは醜さを愛さないと。
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部落差別に立ち向かうカップルの実像を描いたノンフィクションのようなフィクション小説。差別意識というものが理屈では解決できない感情であることがリアルに描かれている。部落差別という重いテーマを取り扱いながら、奇をてらわずに淡々とストーリーを展開させている点が良い。終盤部分で太郎が全て...
部落差別に立ち向かうカップルの実像を描いたノンフィクションのようなフィクション小説。差別意識というものが理屈では解決できない感情であることがリアルに描かれている。部落差別という重いテーマを取り扱いながら、奇をてらわずに淡々とストーリーを展開させている点が良い。終盤部分で太郎が全てを受け入れる姿勢を見せるシーンは、切なくもなぜか温かい。
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タイトルからしてわかるように、言葉のすわりがどうにも…で 作品として、素晴らしいというものでは決してないけれど、 栗原美和子さんという、知られている存在が、 切実な思いと葛藤を抱えながら、書きあげたのが伝わってきて、こみ上げるものがあった。 あとがきでさらに泣いた。 しばらく長...
タイトルからしてわかるように、言葉のすわりがどうにも…で 作品として、素晴らしいというものでは決してないけれど、 栗原美和子さんという、知られている存在が、 切実な思いと葛藤を抱えながら、書きあげたのが伝わってきて、こみ上げるものがあった。 あとがきでさらに泣いた。 しばらく長野に住んでいて、初めて同和の問題を知ったとき、 学校で教えたりするから、差別はなくならないのだと感じた。 でも違うんだ、隠したりしなければいけないこと自体が差別なんだ。 ハジメの、太郎の強さは、優しくて美しい。 そして栗原さんも、本当に強い。
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