グローバル・ガバナンスの歴史と思想 の商品レビュー

遠藤乾【編】

2012/02/01

現代世界のグローバルガバナンス論はアメリカの圧倒的な国力が国際秩序の要となっている。アメリカは植民地をほとんど持っていない、１９世紀末のイギリス、ロシア、中国よりもない。アメリカの持つ経済力、軍事的力は主権国家としての領域を超える性格を当初かｒアカネ備えている。アメリカに基盤を置く資本は国境を越えて世界大に影響力を行使し卓越した遠方攻撃、展開能力は国境を超えた軍事的影響力を保障している。アメリカは建国時から自国が特別な国であるという意識を強く持った人々によって動かされてきた。
新しい定刻。自由な定刻。
アメリカの建国以来の政治思想において、さらに冷戦後世界に支配的となった価値規範において、アメリカが卓越した力を持っているという事実は同時に思想的な含意を持っている。アメリカが標榜する思想によって国際秩序の性質が決められていくということがおきている。

国際関係論においても国際法との接近が指摘されている。もともと国際法を議論の中に取り込んでいた英国学派を別にすれば国際法と袂を分かってその学問を創始したモーゲンソーの圧倒的影響下にあるアメリカの国際政治学が現実主義を称して国際法を軽視、無視してきた。