天才たちの値段 の商品レビュー
解説で『大漢和辞典』について触れられていましたが 怏々として、とか 巧言令色少なし仁、とか 気になってピックアップした言葉でした (両者とも高校国語の教科書で出てきているので) 表紙 《アンドロス島のバッカス祭》1523-1526 イタリア ルネサンス期のヴェネツィア派巨匠...
解説で『大漢和辞典』について触れられていましたが 怏々として、とか 巧言令色少なし仁、とか 気になってピックアップした言葉でした (両者とも高校国語の教科書で出てきているので) 表紙 《アンドロス島のバッカス祭》1523-1526 イタリア ルネサンス期のヴェネツィア派巨匠 ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 酒の神ディオニュソスの話、バッカス祭の話、興味深かった
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門井氏の本は「家康、江戸を建てる」を先に読んだので、時代小説の作家と思ったら、推理小説でのデビューとのこと。この本のタイトルに惹かれて読んでみたが、膨大な美術の蘊蓄が書かれていて読み飛ばしながら読んで行った。本物かどうか、見た瞬間に味で分かるという、特異体質の青年美術コンサル(神...
門井氏の本は「家康、江戸を建てる」を先に読んだので、時代小説の作家と思ったら、推理小説でのデビューとのこと。この本のタイトルに惹かれて読んでみたが、膨大な美術の蘊蓄が書かれていて読み飛ばしながら読んで行った。本物かどうか、見た瞬間に味で分かるという、特異体質の青年美術コンサル(神永)と美術専門の短大講師(佐々木)が繰り広げる真贋論争。表向きは短大講師が勝つのだが、その裏でひっそりと神永が勝っているというパターン。神永のせいで仕事を無くした学芸員がライバルとして何度も立ち塞がる。政治家の親と子や佐々木講師の伯母との遺産問題も何となく最後は良い話しで終わる。もっと素人も分かる美術論争だったらとも思うが、多彩な人物像や筋としては悪くない。続編に手が出るかどうかは?
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舌で真贋が分るという特殊設定なので、鑑定にまつわるといっても、こっちが本物で終る、単純な話は当然ない。美術品やその鑑賞にまつわる蘊蓄をベースに、凝った話が続く。細かいところのまで神経が行き届いた美術ミステリとして完成度は高いが、重点はそこにはなく、人間ドラマの方のようだ。きちんと...
舌で真贋が分るという特殊設定なので、鑑定にまつわるといっても、こっちが本物で終る、単純な話は当然ない。美術品やその鑑賞にまつわる蘊蓄をベースに、凝った話が続く。細かいところのまで神経が行き届いた美術ミステリとして完成度は高いが、重点はそこにはなく、人間ドラマの方のようだ。きちんとした、と形容されるような話が好きな人には合うと思う。
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美術品の真贋を舌で瞬時に判別できる神永美有と、女子短大で美術講師をしている佐々木昭友のコンビによる、美術品にまつわる連作短編集。神永は舌で判別というオカルトチックな能力はありながらも、理路整然とした思考を持ち魅力的な探偵役となり、語り手となる佐々木は、はちょっとおとぼけもある名助...
美術品の真贋を舌で瞬時に判別できる神永美有と、女子短大で美術講師をしている佐々木昭友のコンビによる、美術品にまつわる連作短編集。神永は舌で判別というオカルトチックな能力はありながらも、理路整然とした思考を持ち魅力的な探偵役となり、語り手となる佐々木は、はちょっとおとぼけもある名助手役。言わば定番スタイル。 そんな設定の上で取り扱われる美術品については、ボッティチェリ、古地図、涅槃図、フェルメール、アールヌーボーのガラス工芸品と幅広い。どれも含蓄が豊富でいてそれだけでも楽しめるのに、物語としても完成度高し。シリーズ化されているので次作にも期待。
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主人公の美術講師が、ある古本屋の息子である、じきに美術コンサルタントとなる男と出会うところから始まる。 主人公の講師としての知識もさることながら、コンサルタントの男は真贋を舌で感じる変態な上、頭も切れる。メインの知識は講師、それを補填するコンサルタントの男の関係は、この美術ミステ...
主人公の美術講師が、ある古本屋の息子である、じきに美術コンサルタントとなる男と出会うところから始まる。 主人公の講師としての知識もさることながら、コンサルタントの男は真贋を舌で感じる変態な上、頭も切れる。メインの知識は講師、それを補填するコンサルタントの男の関係は、この美術ミステリーをより楽しく感じさせる。まさに美術探偵と言える。 構成はいくつかの美術品に関する事件が各話で描かれていく短編型。個人的に好きな話は早朝ねはん。 続編も出ているので非常に気になる。
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p.41 「ひとりの人間を知るのは一つの図書館をまるごと買い占めるに等しい。」 「十二夜」トレヴァー・ナン監督 「日本通信」モラエス
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作品が贋物なら見た瞬間苦味を感じ、本物なら甘みをおぼえるという天才美術コンサルタント・神永美有。短大美術講師の私視点で二人が上手く絡んで美術品にまつわる謎を解く連作短編でした。設定も謎解きも悪いわけではないのですがなぜか読みにくく入り込めず読み終えるのにやたら時間がかかってしまい...
作品が贋物なら見た瞬間苦味を感じ、本物なら甘みをおぼえるという天才美術コンサルタント・神永美有。短大美術講師の私視点で二人が上手く絡んで美術品にまつわる謎を解く連作短編でした。設定も謎解きも悪いわけではないのですがなぜか読みにくく入り込めず読み終えるのにやたら時間がかかってしまいました。神永の舌がもっと生かされてもいいと思いますし、特殊能力なのでキャラの魅力をもっと押し出したらもっと読み易くなるのではないかとも思います。美術品の薀蓄やミステリ要素は楽しかったのでとりあえず二作目も読んでみます。
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天才肌の神永と理論派の佐々木が問題のある美術作品の真偽を見極める。専門的知識満載ながら、ストーリーとしても面白い。脇役も活躍し、対決形式でのやり取りには思わず見入ってしまう感じがした。佐々木さんの家族に関わる最終話が特に面白かった。
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軽く読めて、実はけっこう考えどころの多いのではないかと思わせるミステリー小説。楽しく読みました。(2018年4月19日読了)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
美術品の真贋を眼力ではなく舌で見わけるという天才美術探偵・神永美有が、ボッティチェッリやフェルメールなどの泰西名画から正倉院宝物まで、様々な美術品にまつわる謎を快刀乱麻を断つかのごとく解き明かしていく。 美術探偵・神永が、ちょっとまぬけで人の好い美大講師・佐々木をお供に、美術品の真贋を味覚で判定するという美術ミステリーの連作短編集。 この作品では、美術品の価値の高低は真贋や芸術的な優劣という基準だけではなく、歴史的な研究対象としての価値であったり個人的な思い入れのある特別な品であったりという様々なアプローチで、美術品の魅力に迫っていきます。 単に美術品の鑑定での謎を解いていくだけに収まらず、その品に関わった人たちのさまざまな思いや心の動きが明らかになっていき、視点を変えると見事に一転した真実が見えてきて思わずカタルシスを憶えるという、素晴らしい構成になっています。 ホームズ役の神永とワトソン役の佐々木のコンビの推理合戦も楽しいわ、知的好奇心も刺激されるわ二転三転する構成も楽しいわで、文句のつけようの無いほど面白かった! 悪い人が一人も出てこないというのも読みやすい一因だと思いました。 ラストもいいんですよねー。 頼りないと思ってた佐々木の成長ぶりがグッときます。 鮮やかな謎解きと美術の世界の奥深さが味わえる、贅沢な一冊でした。
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