狂言でござる 僕の「日本人の笑い」再発見 の商品レビュー
【概略】 伝統芸能の一つ「狂言」に挑戦するのは現代の芸人「ウッチャンナンチャン」の南原清隆(著者)。現代の笑いを研究し、芸人として一定のキャリアを築き上げた著者から見た狂言はどう映ったか。狂言の持つ特色から、日本人のお笑い観と身体的な特徴まで幅広く語る一冊。 2017年07月...
【概略】 伝統芸能の一つ「狂言」に挑戦するのは現代の芸人「ウッチャンナンチャン」の南原清隆(著者)。現代の笑いを研究し、芸人として一定のキャリアを築き上げた著者から見た狂言はどう映ったか。狂言の持つ特色から、日本人のお笑い観と身体的な特徴まで幅広く語る一冊。 2017年07月10日 読了 2023年03月12日 読了 【書評】 100 WISH LIST の中にある項目の一つに「狂言を習う」というものがあって。本書内で南原さんが触れている「根無し草のような不安」「確固たるものがない」という部分に共通しているのだけども、自分にも何か一つ伝統芸能をしっかりやりこみたいというものがあって。(日本語の)落語は絶対に人前ではやらないと決めている(日本語の落語は、プロの噺家の方達が披露するものであると思っている)ので、それ以外のもの・・・楽器なら篠笛、芸としては狂言と思っている。お三味線(長唄)は高校時代にやっていたのだけど、「息」のものをやりたくて。 そんな狂言について南原さんならではの視点で紐解いてる本書は、「笑い」というものを理解するという意味では、狂言そのものに興味がなくても十分に楽しめる一冊だと思う。上方の笑いではなく、東京の笑いが流れる南原さんのお考えは、日本人の身体的特徴であったり発声であったりと、多岐にわたる。 興味深い点は二点、「肩甲骨・股関節」と「道行き」。前者はおよそ狂言とは関係のない話題なのだけど、パントマイムやダンス、はてはスポーツ・格闘技とも関連する項目なのだよね。そして、美しい姿勢を身につけるにも、凄く重要。接骨院経営の友人と長年取り組んでいるこの美しい姿勢を手に入れることと、身体の操作という部分で、この肩甲骨と股関節の重要性は頻繁に出てくるのだよね。それが狂言でも触れられるというね。どんなジャンルでも、身体のこの2か所、大事だと認識させられる。 もう一点の「道行き」というもの。漫才やコントで場面転換を示す際、クルッと回ったりする芸人さん、いるよね。これに似た作法が狂言の「道行き」で。舞台をぐるりと一周することで場面転換を示すというね。現代のお笑いに連綿とつながる作法の存在を知ると、どこか嬉しくなっちゃう。 この本、2017年に一度手にしてて。今回が2度目の読了なのだけど、やはり読み手としての変化なのか、感じ方が違う。前述の肩甲骨・股関節あたりの項目は、当時は流して読んでたのだよね。2017年の秋口ぐらいから「美しい姿勢・立ち姿」を研究しだしてて。知識の蓄積とその分野における好奇心の感度が上がったのだろうね。このような感覚の変化があるからこそ、同じ本を何度読んでも楽しめるという。そんなことを感じた一冊だったね。
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8月24日(土)に第29回いわむら城址薪能が行われます。能と狂言が上演されますが、高尚過ぎると敬遠する方もいらっしゃるかもしれません。が、さにあらず!こと狂言に関しては、日本人の笑いの原点であることを再発見できる本書。現代の漫才のボケとツッコミも、舞台上の二人の掛け合いで笑わせる...
8月24日(土)に第29回いわむら城址薪能が行われます。能と狂言が上演されますが、高尚過ぎると敬遠する方もいらっしゃるかもしれません。が、さにあらず!こと狂言に関しては、日本人の笑いの原点であることを再発見できる本書。現代の漫才のボケとツッコミも、舞台上の二人の掛け合いで笑わせる狂言と同じ型。600年もの長い狂言の歴史の中で、日本人がいかに”笑い”と言う芸能を大切にしてきたかがわかります。
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一気に読んでしまった。現代のお笑いとの違いや共通点から見えてくる狂言の魅力を、読みやすく分かりやすい構成でまとめている。 そして何より、ナンチャンがいかに"お笑い"というものと真剣に向き合っているかがひしひしと伝わってくるのが良い。 狂言は日本の誇るべき守る...
一気に読んでしまった。現代のお笑いとの違いや共通点から見えてくる狂言の魅力を、読みやすく分かりやすい構成でまとめている。 そして何より、ナンチャンがいかに"お笑い"というものと真剣に向き合っているかがひしひしと伝わってくるのが良い。 狂言は日本の誇るべき守るべき伝統芸能であることに間違いはないけれど、その固いイメージだけで敷居が高そうだと避けてしまうのは非常に勿体ない!
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ナンチャンの笑に対する真摯な姿勢と日本人としてのアイデンティティを融合し、分かり易く書いてくれています。これからも素晴らしい芸を見せて欲しいと思います。
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○184「和楽」とは文字どおり和らぎ、楽しむ事 ★和らぐことが少ないよね。トゲトゲした笑いが多い。楽しんでてもせせこましい。
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まだ4年目の「現代狂言」ですが、この本を読んでぜひ観たくなりました。 ところが、東京公演終わったばかり。来年こそぜひ。 ナンチャンもお笑いの求道者だったんですね。「スーパー戦隊ものの低く腰を落としたポーズは日本人特有」、「マルセル・マルソーにパントマイムを習うため自宅を直撃したら...
まだ4年目の「現代狂言」ですが、この本を読んでぜひ観たくなりました。 ところが、東京公演終わったばかり。来年こそぜひ。 ナンチャンもお笑いの求道者だったんですね。「スーパー戦隊ものの低く腰を落としたポーズは日本人特有」、「マルセル・マルソーにパントマイムを習うため自宅を直撃したら、極意は日本の能や狂言といわれた」、「現代のコントはディテールをすべて説明して余韻がない」、「笑いの基本は緊張と緩和」(枝雀も同じ結論に到達していた記憶があります。)など。 「好きなこと≠他人から評価されるもの」と現実的な考察や、「始球式でメジャーリーガーに真剣勝負を挑んで前代未聞のデッドボール」の逸話など、根がとても真面目なところも意外な発見でした。
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