平等院鳳凰堂 の商品レビュー
『平等院鳳凰堂 現世と浄土のあいだ』 2022/2/3 読了 平等院鳳凰堂の5つの謎を軸とし、鳳凰堂の造形の背景にある平安時代の信仰世界を解き明かそうとするものだ。 経典の記述や仏画の構成を言及することもあるが、わかりやすい現代語訳があったり、図によって明示していたりするため...
『平等院鳳凰堂 現世と浄土のあいだ』 2022/2/3 読了 平等院鳳凰堂の5つの謎を軸とし、鳳凰堂の造形の背景にある平安時代の信仰世界を解き明かそうとするものだ。 経典の記述や仏画の構成を言及することもあるが、わかりやすい現代語訳があったり、図によって明示していたりするため、専門知識のない人も安心して読み進めることができる。 永承7年、日本は末法に入るとされ、関白藤原頼通が平等院を創建した。末法とは、仏が亡くなってから二千年後、仏の教えがすたれて意味をなさなくなる一万年もの時代を指す。 また、時を同じくして、天然痘の大流行もあったようだ。 まさしく今の私たちが直面している「コロナ禍」と同じ状況ではないか。 世界的災害の只中にいる私たちにとって、同様に危機に瀕していた平安時代の為政者の祈りや思いは、生きる上での指針になるのではないだろうか。
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