大学教授という仕事 の商品レビュー

杉原厚吉【著】

2010/06/04

大学の先生は教え方を学んでいない。
大学の先生は、学会、学科運営、入試、論文、授業、執筆活動など忙しい。
研究資金の獲得も大変。

2010/04/27

大学教授の仕事について、多岐にわたって分かりやすく書いてあります。ただし、あくまで著者自身の経験に基づくものです。もちろん他人のことより自分のことが一番詳しく書けるのが当たり前ですから、著者が自身の大学教授としての過ごし方について記述をすることに反対はしません。杉原教授の経験談は興味深く、面白かったです。しかしながら、世の大学教授一般に敷衍して、著者の述べる大学教授のライフスタルが当てはまるのか疑問が残ります。なんというか、本を通して多くの大学教授が経験するであろう苦労があまり見えてきません。（杉原教授が苦労していないとまで言うわけではないのですが。）やはりこの著者は大学教授としてとても活躍されている方で、一握りの成功ケースの話なのだと思います。
大学教授とはどういったものなのか知りたいと思っている人は読んで損はないと思いますが、この本だけでは物足りない面もあるかと思います。他の方が書かれている同類の本も合わせて読んだ方がいいかもしれません。

終盤に誤植が目立つのが残念。
１３３から１３４ページにかけての一文は誤植なのか意味が分からない一文になっている。
１４８の１０行目、思っている人「が」少なくない。
１５５の二行目、「著者」ではなく「著書」だと思う。