1,800円以上の注文で送料無料

跳躍者の時空 の商品レビュー

3.9

12件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/09/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フリッツ・ライバーは好きな作家である。 そう思い込んでいたのに読んでいたのはファファード&グレイマウザーシリーズだけで、それを自覚して数年前に『妻という名の魔女たち』を読んだ。琴線に触れるものはあったがジャストミートとはいかず、もう一冊なにかを求めて本書へ至る。 本書は読者の教養が試される。めぐりあわせの妙で先日読んだばかりの『ハムレット』についてはかろうじてその試練に耐えたが、「バイロンふうの虚無感」やら「ゴシック的な孤独感」とか言われてもまったくピンとこない。 文学がそれ以前の文学を引き、それを解することこそ教養とされる向きがなきにしもあらずな風潮があるように思う。いわゆる文学について思うことの出来た昨今、オタクのマウントとなにが違うねんと思わなくもない。 表題作『跳躍者の時空』はガミッシュという名前の猫が主人公である。いっとき『テイルチェイサーの歌』を思い出させたが、どこかランクマーの汚穢を感じさせる文章に、勘違いだったと理解した。 ラブクラフトとはその死の直前四ヶ月ほど文通し、作品のレビューとはげましをもらったことに感謝の念を抱き続けたという。ニンゴブルやシールバに感じたラブクラフト臭は気のせいではなかったようだ。

Posted byブクログ

2019/09/22

前半の天才猫ガミッチシリーズは楽しく読めた。後半の短編はこの河出シリーズの真ん中を行くというのか、要するに自分には理解が難しかった。作者はシカゴ生まれでアメリカでは移民が一番多い土地らしい。うーん、でも、郊外の鬱々した感じと閉鎖された家の中だけで世界を作ってる感じとか、から回って...

前半の天才猫ガミッチシリーズは楽しく読めた。後半の短編はこの河出シリーズの真ん中を行くというのか、要するに自分には理解が難しかった。作者はシカゴ生まれでアメリカでは移民が一番多い土地らしい。うーん、でも、郊外の鬱々した感じと閉鎖された家の中だけで世界を作ってる感じとか、から回ってる明るさとか、惹かれる書き手なんだよなあ。思春期の自分の子供に対して発した自分のから回った発言を思い知らされるような。理解したいのに、ちっとも向こうにはその気が起こらないという。

Posted byブクログ

2018/10/29

書店で見かけ、なんとなく購入。 奇想コレクションシリーズ、前から気になってるんだけど、 書店で置いてあるのをあまり見かけない…。

Posted byブクログ

2014/03/11

●自分、生まれ変わって猫を飼ったらガミッチって名前にします。もう1匹飼ったらサイコにします。 ●ガミッチの〈馬肉のせんせい〉や〈ネコちゃんおいで〉に対する意見を拝聴してると、漱石の猫を連想したりしなかったり。 猫短編×5本と、『ハムレットの四人の亡霊』、『骨のダイスを転がそう』...

●自分、生まれ変わって猫を飼ったらガミッチって名前にします。もう1匹飼ったらサイコにします。 ●ガミッチの〈馬肉のせんせい〉や〈ネコちゃんおいで〉に対する意見を拝聴してると、漱石の猫を連想したりしなかったり。 猫短編×5本と、『ハムレットの四人の亡霊』、『骨のダイスを転がそう』が楽しかったです。 『冬の蠅』は…アル中やべえ……!  1年以内に禁酒しようと思いました。できるかな?←きっと無理

Posted byブクログ

2013/07/07

いろいろな本と同時進行で読んでいるが、帰ってきた空飛びネコとこれを続けて読んで見ると、ネコ好きなひとってネコの小さな動作についてあれこれ考えてみるんだなと感じる。 自分はそれほど気にしたことがなかったけど、こうして、お話しにして貰うと、あぁ確かにそんな動きしてるしてる!と妙に納得...

いろいろな本と同時進行で読んでいるが、帰ってきた空飛びネコとこれを続けて読んで見ると、ネコ好きなひとってネコの小さな動作についてあれこれ考えてみるんだなと感じる。 自分はそれほど気にしたことがなかったけど、こうして、お話しにして貰うと、あぁ確かにそんな動きしてるしてる!と妙に納得してしまう。 よく見てるなあと感心しながらも、ネコの動きを想像してニヤニヤしてる自分が居る。 残りの話は、SFっぽかったが好みではなかったな。

Posted byブクログ

2011/08/19

いつも旅行などに持って行く本。 短編集なので読みやすいです。 読み返すたびに新たな発見があるするめのような本です。 個人的にはガミッチシリーズが好きです。

Posted byブクログ

2011/07/16

まずは、SF史上最高の猫ガミッチが活躍する物語から。天才仔猫が大人の階段上る過程の、おかしくも痛々しい事件を描いた表題作から、本邦初訳の「三倍ぶち猫」まで、シリーズ全5作を一挙収録。ほかに、死神との一世一代の大勝負に出た男を描いてヒューゴー賞、ネビュラ賞の二冠に輝いた傑作「骨のダ...

まずは、SF史上最高の猫ガミッチが活躍する物語から。天才仔猫が大人の階段上る過程の、おかしくも痛々しい事件を描いた表題作から、本邦初訳の「三倍ぶち猫」まで、シリーズ全5作を一挙収録。ほかに、死神との一世一代の大勝負に出た男を描いてヒューゴー賞、ネビュラ賞の二冠に輝いた傑作「骨のダイスを転がそう」、家族の夢想が奇妙に交錯する「冬の蠅」、数をテーマにした特異なファンタジー「春の祝祭」など、全10篇を収録。

Posted byブクログ

2011/05/19

10篇収録の短篇集。IQ160のスーパー猫ガミッチに癒されるなあ。コーヒーを飲めば人間になれると信じている姿など可愛くてしょうがないw。 ガミッチものも良かったけど、一番のお気に入りは「骨のダイスを転がそう」かな。

Posted byブクログ

2011/01/08

初フリッツ・ライバーと思ったら、『魔の都の二剣士』(ファファード&グレイ・マウザーシリーズ)の作者だったのか。 日本オリジナル短篇集。10篇収録。スーパー猫ガミッチものが5篇。 ガミッチいいなぁ。 まさに猫の生態が描かれているのだけれど、過度にものものしくていかめしい表現が、な...

初フリッツ・ライバーと思ったら、『魔の都の二剣士』(ファファード&グレイ・マウザーシリーズ)の作者だったのか。 日本オリジナル短篇集。10篇収録。スーパー猫ガミッチものが5篇。 ガミッチいいなぁ。 まさに猫の生態が描かれているのだけれど、過度にものものしくていかめしい表現が、なんとも不思議なSF風味を醸しだしている。 「骨のダイスを転がそう」も好きな一篇。 妻と母親に頭が上がらない男のさえない日常、賭博場の魔術的雰囲気、最後には宇宙的な広がりまで味わえて面白い。   Space-time for Springers and Other Stories by Fritz Leiber

Posted byブクログ

2010/07/20

(2010.07.20中断)(2010.07.07借入) 返却期限までに読めたのは、186頁まで。 スーパー猫ガミッチが主人公の作品「跳躍者の時空」「猫の創造性」「猫たちの揺りかご」「キャット・ホテル」「三倍ぶち猫」5つは読み切りました。 6つ目の作品「『ハムレット』の四人の亡霊...

(2010.07.20中断)(2010.07.07借入) 返却期限までに読めたのは、186頁まで。 スーパー猫ガミッチが主人公の作品「跳躍者の時空」「猫の創造性」「猫たちの揺りかご」「キャット・ホテル」「三倍ぶち猫」5つは読み切りました。 6つ目の作品「『ハムレット』の四人の亡霊」まで読み切ったところで時間切れでした。 「骨のダイスを転がそう」「冬の蠅」「王侯の死」「春の祝祭」は、読み残しました。 「跳躍者の時空」1958年、深町真理子訳 人間になるつもりだった天才子猫ガミッチの挫折の物語?です。 「猫の創造性」1961年、深町真理子訳 水鏡と化粧台の姿見の違いに関する考察をするガミッチ。 ガミッチは、ボウルの水を飲まず、ボウルをひっくり返して、その流れる水の描く軌跡に創造性見ようとする飼い主の「ネコちゃんおいで」。ガミッチはなんと、水洗トイレの水を飲んでいた。 「猫たちの揺りかご」1974年、深町真理子訳 「キャット・ホテル」1983年、深町真理子訳 名探偵ガミッチが猫医者の正体を暴く?話です。猫医者は、実は魔女? 「三倍ぶち猫」1992年、深町真理子訳 (2010年7月20日・記)

Posted byブクログ