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映像のポエジア 刻印された時間 の商品レビュー

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2012/01/28
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タルコフスキーというと、芸術至上主義一辺倒の偏屈家というイメージが強かったが、そうではなかった。本著作の中でも、俳優と観客に対する彼の寛容さが随所に表れている。例えば、『惑星ソラリス』のドナタス・バニオニスや『鏡』のマルガリータ・テレホワと演技に対する見解を異にしつつも、最終的には歩み寄ることができ、それぞれの映画がいいものに仕上がったと彼は回想する。その背後に存在したであろう数限りない折衝と対話に想いを馳せる時、彼は常に俳優や観客の側にいるのだと実感できる。  芸術家の使命は自らを犠牲にして全人類に奉仕することだと訴える彼の姿は確かに孤独だが、その真摯な姿勢は何よりも信頼に値すると思う。

Posted byブクログ