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ふたごのかいぞく の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/01/11

 本書は、絶版や品切れの本をリクエスト投票により、復刊させるサービスを行っている、「復刊ドットコム」から発売された、M・ウィリアムズの『ビロードうさぎ』の挿絵でもお馴染みの、イギリスの国民的画家、「ウィリアム・ニコルソン」の1929年作で、20世紀前半を代表する古典絵本と言われて...

 本書は、絶版や品切れの本をリクエスト投票により、復刊させるサービスを行っている、「復刊ドットコム」から発売された、M・ウィリアムズの『ビロードうさぎ』の挿絵でもお馴染みの、イギリスの国民的画家、「ウィリアム・ニコルソン」の1929年作で、20世紀前半を代表する古典絵本と言われており、ちなみに彼の絵本は、本書と『かしこいビル』(1926年)の二作だけらしい。  ある夕暮れ、海辺で「メリー」が見つけたのは、「ふたごのかいぞく」だったが、その場所が、なんと貝殻の中といった、意外な展開から始まるものの、物語のテーマは親子愛に思われて、もちろん、メリーと彼等に血縁上の繋がりは無いが、そんなことは一切関係ないことを、本書は教えてくれる。  その後メリーは彼らを連れて帰り、お風呂に入れて、いろんなものを食べさせて、いろんなことを教えていく、そんな物語に於けるニコルソンの絵は、画家のそれとはまた異なり、少ない色数の薄らとした世界で確かにそこに存在するものたちの中でも、黒色の彼らの存在感は特に際立っており、彼らの何気ない動作や細かい喜怒哀楽の表情は、とても惹き付けられるものがあって、そのイタズラ好きな様子も含め、読み進める内に次第と愛着が湧いてくる。  しかし、そんな彼らにも自然と自立心が芽生え出し、いつかは親元を去らねばならない時が来ることを悟る中、そこはかいぞくらしく漕ぎ出していき、そこでの暗い背景のみ、周りと同化し揺らぐような彼らの存在感がまた悲しみを煽るが、それでも彼らの心の中にあったものは決して忘れることはなく、それは、彼女がしてくれた様々なことへの感謝だけではない、同等の立場として一緒に人生を楽しんでくれた彼女の愛情を、イタズラをしつつも覚えていたからであり、そんな愛情に対する恩返しとも思えるものは、最後の彼らの決まり事にしていることからも充分に感じられて、そこには親と子の織り成す素敵な一日が描かれていたのであった。  そして、こうしてみると、一見、奇抜に思えた貝殻の中にいた彼らは、まるで『ヴィーナスの誕生』のパロディとも思われたが、このような親子愛の物語で提示されると、私には決してそうとも思えず、それは彼らがもたらしてくれたものが、少なくともメリーにとっては、実の子ではなくとも確かに愛だったからであり、その素晴らしさが彼女だけではなく、彼らも共に育み合うことで、より深まりを増していった、それは双方にとっての、『愛の誕生』なのであった。  児童文学研究者の吉田新一さんの解説によると、本書誕生のきっかけとなったのは、ニコルソンの娘ナンシーが10代の頃に、彼がパリで買ったが使わずにいたソックスを使いストッキング人形を作ったことで(実際にその写真もあって、これがとてもそっくり!)、これを読んで思い出したのが、リンドグレーンの娘が「長くつ下のピッピ」の名を考えついたことであり、子どもの遊び心溢れる発想が、そのまま絵本へと結びつくのが面白いなと思うと共に、それを受け継いで形にする親の思いとが交錯する様に、親と子、それぞれの人間性のやり取りとも感じられるのが、絵本の持つ魅力の一つだと思い、大人の描く絵本に子どもが共感出来るのは、もしかしたら、そんなやり取りを、絵本作家自身が心の中で行っているからなのかもしれない。

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2012/12/11

ちっちゃくても、海賊なんだもんなぁ。 でも忘れないんだよね。 メリーを思い出して涙する二人が たまらなく愛しいです。

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2011/12/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

かわいい、ちゃんと帰ってくるところが。 しゃべんないし、表情も読めないけど いちおーわかってんのねってなる。

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2010/03/29

ある日の夕暮れ、メリーは見つけた 貝殻に入っている双子の海賊 メリーは2人を連れて帰り、ご飯をあげたり洋服を着せたり たくさん面倒をみてあげた なのに、2人はイタズラばかり旅ばかり でもね、絶対にメリーの誕生日には帰って来るんだって 幼児~ 自分:小低~ 3分

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2010/03/02

「かしこいビル」の作者ニコルソンの絵本。谷川俊太郎さんの訳で出版されました。「かしこいビル」もそうやけど、魅力的でしっかりした絵に、不思議な力の抜け具合の筋の楽しさ。最後に原書を小さくですが、全ページ載せているのも、原文対比できて楽しいです。

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2010/01/25

「かしこいビル」の作者による1929年刊の絵本。メリーが海岸でみつけた“ふたごのかいぞく”を家に連れて帰って世話をするおはなし。 「かしこいビル」と同じようにやわらかい線で細々としたものを丁寧に描き、一つ一つの絵にユーモアが漂っています。 こんな食いしん坊のかいぞくたちを、メリー...

「かしこいビル」の作者による1929年刊の絵本。メリーが海岸でみつけた“ふたごのかいぞく”を家に連れて帰って世話をするおはなし。 「かしこいビル」と同じようにやわらかい線で細々としたものを丁寧に描き、一つ一つの絵にユーモアが漂っています。 こんな食いしん坊のかいぞくたちを、メリーはよく世話しているよね!

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