いま考えたい災害からの暮らし再生 の商品レビュー
大規模な災害が起きたとき、「暮らし」には何が起こり、「再生」とは何なのか、を論じた本。 東京大震災以後の国内の災害と、それらへの対応を検証している。 また、本書では、災害が起きた場合、そこから遠く離れた場所に復興住宅を建設するよりも、被災地で、たとえバラックからでも復興を図る...
大規模な災害が起きたとき、「暮らし」には何が起こり、「再生」とは何なのか、を論じた本。 東京大震災以後の国内の災害と、それらへの対応を検証している。 また、本書では、災害が起きた場合、そこから遠く離れた場所に復興住宅を建設するよりも、被災地で、たとえバラックからでも復興を図るべきだ、という主張をしている。 これは、「復興」の中でも「コミュニティの復興」を重視しているためだ。 災害以前と以後では、年齢層のバランスをはじめ、コミュニティが崩壊してしまう。 そのため、災害を契機とした「発展的な都市開発」には否定的である。 とはいえ、東日本大震災の津波の被害を受けたような地域に、再度、同じようなまちづくりとコミュニティを再形成しよう、というのは、将来的な安全面からも難しい。 (本書は東日本大震災以前に書かれているので、この点は念頭に置かれていない) 「出来る限りそのままの形を取り戻す」という理想的な復興は、「既存のコミュニティが、適正な場所に適正に存在していたか」という検証なくしては実現できないだろう。
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