三題噺 の商品レビュー
初めて読む加藤周一氏の本には適さなかった。 冒頭1ページ目から「寺社仏閣を好まない」「木戸銭とるなら裸踊りと同じ仕組み」と、文句を述べるところから始まり印象が悪い。 またその後、老人と対話という名の知識の探りあいのような部分が続き、明るく読み進められそうになかったため脱落してしま...
初めて読む加藤周一氏の本には適さなかった。 冒頭1ページ目から「寺社仏閣を好まない」「木戸銭とるなら裸踊りと同じ仕組み」と、文句を述べるところから始まり印象が悪い。 またその後、老人と対話という名の知識の探りあいのような部分が続き、明るく読み進められそうになかったため脱落してしまった。 もし機会があれば、もう少し有名な本から手を出してみたい。
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解説で鷲津さんは、石川丈山を描いた「詩仙堂詩」の文体について、加藤が詩仙堂でたまたま出会った老人と「対話」するという形式で進むことに注目してこう言う。「亡霊が老人として登場し、対話を交わすという趣向は一体どこからヒントを得たものだろうか。一つの可能性は能楽だろう。能楽には亡霊が登...
解説で鷲津さんは、石川丈山を描いた「詩仙堂詩」の文体について、加藤が詩仙堂でたまたま出会った老人と「対話」するという形式で進むことに注目してこう言う。「亡霊が老人として登場し、対話を交わすという趣向は一体どこからヒントを得たものだろうか。一つの可能性は能楽だろう。能楽には亡霊が登場する作品が数多くあるが、加藤は能楽に学生時代から親しんでいた。」もう一つは芥川の影響か、と書いているが、私は1番目のほうだと思う。 2010年4月読了
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著者名とそのタイトルに惹かれ手に取った1冊。石川丈山の人生の決断、一休宗純の風狂、富永仲基の知的生活が、それぞれ漢文調、和文、会話体を文体として選び、著者の空想の赴くままに小説として描かれる。それぞれの文体がそれぞれの世界に実に相応しい。富永仲基について、湯川秀樹氏と著者の対談が...
著者名とそのタイトルに惹かれ手に取った1冊。石川丈山の人生の決断、一休宗純の風狂、富永仲基の知的生活が、それぞれ漢文調、和文、会話体を文体として選び、著者の空想の赴くままに小説として描かれる。それぞれの文体がそれぞれの世界に実に相応しい。富永仲基について、湯川秀樹氏と著者の対談が収録されているが、仏教儒教神道の比較や思想史的流れなど湯川氏のわかりやすく噛み砕かれた話のおかげで、その理解への道幅が一層広くなり有難かった。
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