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荷風と明治の都市景観 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2012/05/08

「東京は醜い」と言う言葉から始まる面白い本だ。 題名の通り、永井荷風が描き、批判し、好んだ都市景観が網羅されている。 以下の言葉は著者が使った言葉。 都市計画者やデザイナーではないだけに、ボク自身にとって参考になるユニークな言葉だ。 文化景観官覚シティビューティフルな空間像ヴァン...

「東京は醜い」と言う言葉から始まる面白い本だ。 題名の通り、永井荷風が描き、批判し、好んだ都市景観が網羅されている。 以下の言葉は著者が使った言葉。 都市計画者やデザイナーではないだけに、ボク自身にとって参考になるユニークな言葉だ。 文化景観官覚シティビューティフルな空間像ヴァンダリズム遊歩者フラヌール淫祠東京趣味

Posted byブクログ

2011/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1910年の東京の地図が裏表紙だ。 荷風の生家は、小石川の植物園のそば。 荷風の住居は、牛込。 慶応義塾が、芝。 須崎の遊郭が深川。 これらの位置関係が、背景として認識。 都市景観の課題提起から始まる。 家屋の建築、塗り色等に対する面倒な制限を1908年に提案されていたという。 ちょうど、荷風が1908年に東京に戻ってきて、その後慶応義塾の文学科教授になったころのことで、 荷風を通じて、ヨーロッパと東京を対比しながら考えている。 たしかに、パリのシャンゼリゼを歩いたときに、世界の文化の中心だという感じがした。 ドイツのベルリンを歩いたときには、パリに対抗したいという意思を感じた。 東京を歩いても、皇居は別にして、都市の主張が分からなかった。 そんな東京の都市景観の歴史と主張の背景を知るのによい。 都市景観は、100年かけないとかわらない。 ドイツのミュンヘンが、教会の塔よりも高い建物を市街地に建てさせなかったり、中央地区から自動車を締め出して、すごしやすい都市にしていることに学ぶとよいかもしれない。

Posted byブクログ