古典を読む 里見八犬伝 の商品レビュー
読本の大著「南総里見八犬伝」 著者の少年時代の読書記憶から玉梓、伏姫、船虫ら、ひときわ異彩を放つ特殊な立場の女性達について古今東西さまざまな文学、伝説、神話から論じ、八犬伝解釈に新しい光を投じる。 高田衛先生の「八犬伝の世界」で紹介されてた時から気になってた。確かこれ大学の図書...
読本の大著「南総里見八犬伝」 著者の少年時代の読書記憶から玉梓、伏姫、船虫ら、ひときわ異彩を放つ特殊な立場の女性達について古今東西さまざまな文学、伝説、神話から論じ、八犬伝解釈に新しい光を投じる。 高田衛先生の「八犬伝の世界」で紹介されてた時から気になってた。確かこれ大学の図書館にもあったので、その時も気になってたし実に六年ごしくらいの読書の夢がかなった感じ。川村氏は鏡花研究でも有名なのですが私の好きなものが結びついた感じが嬉しい。 研究書という川村氏の少年時代の読書記憶からスタートするので川村氏の八犬伝観という感じに近い。古今東西を問わない文学や神話、伝説を解釈に用いて自由な感じに書いていて面白い。馬琴さまの執拗な書き方や頑固なこだわりにちょこちょこ苦言を呈しながらもその筆が作り出す物語の世界に川村氏も魅了されていたよう。玉梓や伏姫、浜路や船虫に注目して書いてくれてたのが嬉しい。特に玉梓伏姫ひいきの私にはかなり嬉しかった。玉梓たちが土着の神に模された存在であり侵略者である義実がきたことで立場が逆転し初めて玉梓は妖婦となった、だから強力な呪いをかけることが出来た、という考えは私の考えにもかなり近かったのでやっぱそういう読み可能だよねと深く頷いてました。 信乃と浜路について孤児同士の恋愛と書いていたのですが浜路口説きにそっけない信乃には結構辛辣に書いていてちょっと胸がすく思いがしたような。そうだよね信乃がわるい。八犬伝綺想がこの書の影響下にあるなら読んでも大丈夫かなあ。 あとあんまり関係ないけど角川八犬伝を結構面白かったと書いてたのでやっぱ見たくなりました。DVD買おうと思って買ってない。
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