ジャストインケース の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
わたしも子どものころからずっとヒポコンドリー(心気症)のような傾向があって、病気で死ぬんじゃないかとびくびくしたり、夜中にとつぜん胸がどきどきして眠れなくなったりした時期があったから、ジャスティンの気持ちはわからなくもないような。 でも彼はじっさいに飛行機につっこまれかけたり、髄膜炎で死にそうになったりしてるから、もっと運命に追いつめられているのね。 さいごのさいご、弟のチャーリーが「ぼくの目線で考えてみて」というのは、要するに "Grow up!" ってことなんだろうな。それがなかなかむずかしいんだけど。 わたし自身は、子どもが生まれたころになってようやく自分の心の牢獄から逃れられたような気がしてる。でも、どうしてそうだったのか、かんたんに説明なんかできないし。この作品のとっぴさとわかりにくさも、心の不可解さを現しているものなのかなあと思ったりする。
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物語としての幻覚があることによって、なんだか奇妙奇天烈な物語にしてしまっている。翻訳でよんだのだけど、原書で読んでたら、途中で投げ出していたような。
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運命と闘う少年の話。 不思議でちょっと世知辛い雰囲気が好みです。 中学生の時読んで衝撃を受けました。 そして大好きな本です。 当時は冥土の土産にしようと本当に思いました。 一度お試しあれ。
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借り物 まずカバーアートがすばらしい。いつも表紙を隠して読む主義だが、これは隠すのは勿体なく感じる。 主人公は自分に降りかかるであろう不幸な運命から逃れるために自らの名前を突拍子の無いものに変えてしまったり、空想の犬を作り出したりする。主人公の空想の犬のくせに他人にも視認でき...
借り物 まずカバーアートがすばらしい。いつも表紙を隠して読む主義だが、これは隠すのは勿体なく感じる。 主人公は自分に降りかかるであろう不幸な運命から逃れるために自らの名前を突拍子の無いものに変えてしまったり、空想の犬を作り出したりする。主人公の空想の犬のくせに他人にも視認できたり、迷子になったりする。彼の弟はなぜか全てを知ってるかのような言動をする赤ん坊だし、運命もまた一つの人格のように主人公を追い詰める。この様な世界観や設定はなかなか印象深い。いわゆる中二病というやつに囚われているのだが、これこそが悩める少年というものをよく表している。 主人公の良き理解者もいれば彼を利用しようとする者もいて、周りに翻弄されるまま終盤を迎えてしまう。 ラストは主人公の山積する問題が解決したようで、全く解決しないままのようでもある。すっきりしない終わり方だが、無理やり大団円にするよりはいいかもしれない。ともかく、彼は運命に打ち勝つのだからハッピーエンドと言えるだろう。だが僕は「私は生きていける」の方が面白く感じた。
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なんか中二病な話だなあ、と。 表紙を書いているカスヤさんのファンなので読んでみたのですが、主人公がなんとも不安定で読んでてイライラした。 結局この作者は何を伝えたかったのか分からなかった。
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何でも良いけど、 グレイハウンドが地球上で2番目に足の速い動物なんですね。 初めて知りました。 デイビッドが幼少の弟のI can flyを止めて、 自分もみすみす弟を殺した兄として生きずに済んだ、 そんな場面から、デイビッドは運命から逃れるために、 名前をデイビッド・ケースから...
何でも良いけど、 グレイハウンドが地球上で2番目に足の速い動物なんですね。 初めて知りました。 デイビッドが幼少の弟のI can flyを止めて、 自分もみすみす弟を殺した兄として生きずに済んだ、 そんな場面から、デイビッドは運命から逃れるために、 名前をデイビッド・ケースからジャスティン・ケース(念のため)と言う名前に変え、外見を変え、空想の犬グレイハウンドを連れ、 生きていく物語。 病んでるw ハッピーエンド(?)なのが残念。
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「ぼくは少年を喪失する 痛いほどせつなく・・・」 と書かれた帯に惹かれて購入したのですが、「少年を喪失」する過程を淡々と描いたような印象をもちました。面白いといえば面白かったけど。
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これまた久々の翻訳本。なんか、むずかしかった…。主人公の弟のことばはいいな、と思ったけど、後は「どこまでが現実?」って思ったりして。海外小説は「訳によってかわってしまいそう」ってイメージがあって、やっぱりそれが抜けきらなかった。
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デイヴィッド・ケースは、ある瞬間を境に、「破滅の運命」につかまりかけていることを確信する。名前をジャスティン・ケース(ジャスト・イン・ケース=万が一に備えて)と改め、今までと違う服で身をかため、運命から逃れようとするのだが…。初めのうち彼の妄想と思われたことが、徐々に現実味を帯び...
デイヴィッド・ケースは、ある瞬間を境に、「破滅の運命」につかまりかけていることを確信する。名前をジャスティン・ケース(ジャスト・イン・ケース=万が一に備えて)と改め、今までと違う服で身をかため、運命から逃れようとするのだが…。初めのうち彼の妄想と思われたことが、徐々に現実味を帯びてゆく。時々差し挟まれる、運命その人?の言葉が、不安を掻き立てる。なにもかもわかっている赤ん坊の弟チャーリー、奇抜な服装でジャスティンを魅了するカメラマンのアグネス、何物にも動じないジャスティンの理解者である友・ピーターとその不思議な妹たち。そして、ジャスティンが「もう大丈夫」と安心した瞬間に襲い掛かる信じられない恐怖。 実に不思議で魅力的な物語。少しジョナサン・キャロルを思い出させる。 ホラーなのか、ファンタジーなのか、青春小説なのか。渾沌として恐ろしく、でも、絶妙に着地するラスト。なかなか。
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