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アーサー王宮廷のヤンキー の商品レビュー

3.8

14件のお客様レビュー

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2024/04/02

『トムソーヤの冒険』や『ハックルベリー・フィンの冒険』で知られるマーク・トウェインのタイム・スリップ小説。 イギリスのウォリック城を見学していた”私”が、奇妙な男に出会うところから物語が始まります。その男の話す内容は、アーサー王と円卓の騎士について、まるでその時代にいたかのよう...

『トムソーヤの冒険』や『ハックルベリー・フィンの冒険』で知られるマーク・トウェインのタイム・スリップ小説。 イギリスのウォリック城を見学していた”私”が、奇妙な男に出会うところから物語が始まります。その男の話す内容は、アーサー王と円卓の騎士について、まるでその時代にいたかのような口ぶりです。驚きから我に帰るといつの間にか男の姿はなく、夕刻に宿泊先のホテルにいると、男が部屋に訪ねてきて自分の来歴を語りだしました。 男の父は鍛冶屋、叔父は蹄鉄工で、2人の元で手先の腕を磨き、軍需工場に勤めてからは、当時考えられるあらゆる技術を身に付けて現場監督の親玉にまでなります。しかし、手下と喧嘩して鉄梃で殴られて気を失ってしまい、目覚めるとそこは1300年以上の昔、528年のアーサー王在位の宮廷でした… この物語、前半のマーリンとの魔法比べとその後に地位を固めてしばらくの間がとても面白い。持ち前の技術力の高さと豊富な知識や学力で、次々と改革をして行く様を、風刺の効いたギャグで笑いを誘います。 中盤は、アーサー王と2人で身分を伏せた隠密行動で、民衆の不満を垣間見る旅に出ます。しかし、奴隷制や教会への不満、選挙や共和政治など、風刺を散りばめて語っているのは、ちょっと欲張りすぎかなと思いました。そのせいで全体が560ページもある長篇になってしまっているのが残念。言いたいことはわかるけど、もう少しコンパクトにして欲しかった。 終盤は、ある経済政策がもとで内戦状態になり、力を持った教会の騎士たちとの戦いで、著者が生きていた19世紀の技術力と兵器による圧倒的(一方的)な戦いが繰り広げられますが、ちょっと残酷な気もしました。 ラストは”私”に手記を手渡すくらいなので、当然、元の時代に帰ってくる方法があるのですが、それは読んだ人だけのお楽しみ。 それにしても、タイムパラドックスもなんのそののやりたい放題な描きっぷりは、ある意味で著者の晩年に訪れる精神状態を垣間見ているようで興味深かったです。

Posted byブクログ

2024/12/18

元祖?知識無双系転生もの。6世紀のイギリスにタイムスリップした19世紀のアメリカ人が、魔術師マーリンを科学知識で押しのけアーサー王の側近となる。石鹸、爆薬、電信、銃、機関銃、等々を開発したり、人々を啓蒙し民主主義を定着させようとしたりもするのだけど…。 明治期の作品なのに、ユーモ...

元祖?知識無双系転生もの。6世紀のイギリスにタイムスリップした19世紀のアメリカ人が、魔術師マーリンを科学知識で押しのけアーサー王の側近となる。石鹸、爆薬、電信、銃、機関銃、等々を開発したり、人々を啓蒙し民主主義を定着させようとしたりもするのだけど…。 明治期の作品なのに、ユーモアというかギャグが全然さび付いていないのが凄い。

Posted byブクログ

2021/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

19世紀のコネチカット出身の男が6世紀のアーサー王の時代にタイムスリップして、もっている知識で王の側近にまでなっちゃう話。 題名が「ヤンキー」なので、どんな話だとビビってたが、いわゆる「ヤンキー」は出てこない。アメリカのヤンキーのことだった… 雰囲気は「吾輩は猫である」に似てる。笑いどころもあるし、社会批判チックなところもあるし。「猫」物に飢えてた私としては満足。 にしても、貴族ヤバすぎ。やりたい放題すぎて読むのに手が止まる箇所もあった。あの時代に生まれなくてほんとよかった… 教育の重要性も感じた。小さい頃からの教育は洗脳にもなり得るよね。自分にも子どもがいるので、ちゃんと考えさせる教育をしようと決意。 あとラスト。マーリンってずっと小物扱いだったけど、ちゃんと魔法使いじゃん…19世紀まで眠らせるとかそんな魔法使えるんじゃ、一流だよ…

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2020/10/01

6世紀ブリテン島に転移した19世紀の兵器製造工場主は、遍歴の騎士に「魔法使いだ」と捕らえられアーサー王宮廷に引っ張っていかれた。火刑になる寸前、予言した日蝕が起こって運命逆転、宮廷付き大魔術師となったが…/密かに火薬を作り銃を作り、教会以外で読み書きと科学知識を与える軍人学校も…...

6世紀ブリテン島に転移した19世紀の兵器製造工場主は、遍歴の騎士に「魔法使いだ」と捕らえられアーサー王宮廷に引っ張っていかれた。火刑になる寸前、予言した日蝕が起こって運命逆転、宮廷付き大魔術師となったが…/密かに火薬を作り銃を作り、教会以外で読み書きと科学知識を与える軍人学校も…電信電話網も/アリサンド・ラ・カルトルワーズ美女を割り当てられて「魔物退治」の旅に出て、よくわからない結末でなぜか「大成功」となって美女が妻となり愛称サンデー/中世に馴れ段々に残酷になっていく/しっぺ返しに国王とともに奴隷に売られ

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2015/09/23

アーサー王の時代にタイムスリップした”ヤンキー”がまず作ったのが特許制度という設定に興味を持ったので読んでみたが、特許制度についてはほとんど出てこなかった。トムソーヤやハックルベリ・フィンといった、夢あふれる少年小説かと思いきや時代風刺色が強く、真剣に読むと難しい。マーク・トウェ...

アーサー王の時代にタイムスリップした”ヤンキー”がまず作ったのが特許制度という設定に興味を持ったので読んでみたが、特許制度についてはほとんど出てこなかった。トムソーヤやハックルベリ・フィンといった、夢あふれる少年小説かと思いきや時代風刺色が強く、真剣に読むと難しい。マーク・トウェインが生まれたのは1835年。篤姫、小松帯刀、坂本龍馬、福澤諭吉、松平容保、土方歳三らと同級生らしい。アーサー王宮廷のヤンキーが出版されたのは1889年。南北戦争が終わって24年、日本では大日本帝国憲法が発布された。日本の特許法が公布されたのは1885年。その時代の小説と考えると、確かに興味深い。

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2014/07/19

http://blog.goo.ne.jp/shirokuma_2007/e/04a580c6fffc7c9464b54d88cbc3db7c?fm=rss

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2013/09/23

マーク・トウェインにこんな作品があるのを知らなかったのだが、朝日新聞の読書欄の紹介で知った。本屋さんでタイトルだけを見たなら購入しなかっただろう。構想は、なんとなく『ドン・キホーテ』を思わせるもの。痛快と言えば痛快だが、筆者の主張がダイレクトに語られ過ぎている点は、物語としての妙...

マーク・トウェインにこんな作品があるのを知らなかったのだが、朝日新聞の読書欄の紹介で知った。本屋さんでタイトルだけを見たなら購入しなかっただろう。構想は、なんとなく『ドン・キホーテ』を思わせるもの。痛快と言えば痛快だが、筆者の主張がダイレクトに語られ過ぎている点は、物語としての妙味に欠けるか。正直に言えば、中盤以降はやや退屈かな。

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2019/02/03

この作品のことはずっと前から知っていた。作者が誰かもわかっていた。だが、作品名がずーっとわからなくて、どうやって探したらいいか困っていた。

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2010/10/05

ロラン夫人の「自由よ、汝の名の下でいかに多くの罪が犯されたことか」に対する反論のようなテーマ性を持ちつつも、「モンティ・パイソンのホーリー・グレイル」よりシュールでブラックなギャグが多数散りばめられている。

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2010/08/28

 ハラハラしてワクワクして、そしてラストにちょっとウルウルした。中学時分に読んでそんな印象を持った思い出の一冊。改訂版ということで久しぶりに読んでみた。  こんな理屈っぽい話だったか。もっと、、、こう、、、何というか、タイムトラベルもの、そんな楽しさに満ちてたんじゃなかったか。 ...

 ハラハラしてワクワクして、そしてラストにちょっとウルウルした。中学時分に読んでそんな印象を持った思い出の一冊。改訂版ということで久しぶりに読んでみた。  こんな理屈っぽい話だったか。もっと、、、こう、、、何というか、タイムトラベルもの、そんな楽しさに満ちてたんじゃなかったか。  同窓会なんか出なきゃよかった。そんな気分を味わいました。

Posted byブクログ