ただいまおかえりなさい の商品レビュー
外国のペーパーバッグのようなざらざらの安い紙でできていて、中を開くとこれまた安っぽいイラストと意味不明の短文集。 たいしたことが書かれているわけではないのに、なんか気になる。 買わずにいられない。 そして読み始めて、やっぱりその中身のなさにのけぞりそうになる。 飛ぶサンマ さ...
外国のペーパーバッグのようなざらざらの安い紙でできていて、中を開くとこれまた安っぽいイラストと意味不明の短文集。 たいしたことが書かれているわけではないのに、なんか気になる。 買わずにいられない。 そして読み始めて、やっぱりその中身のなさにのけぞりそうになる。 飛ぶサンマ さっきからサンマが飛んでいる。 頭のまわりをぐるぐる回って飛んでいる。 遠くの方で富士山が見えている。 突然富士山が噴火した。 おどろいたサンマが口の中に入った。 生臭かった。 とこの調子。楽しくもなく、ためにもならず。
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戌井さん、多田さんを知るきっかけとなった本。 鉄割の舞台を観に行ったり、多田さんの個展を観に行ったり、の発端。 絵と文章のマッチングが最高で、 この本を見つけてきた人と、わたしと、2人がとりわけ気に入ったのは、 ・タンバリン ・板の間パッチ ときどき優しく、ときどき冷た...
戌井さん、多田さんを知るきっかけとなった本。 鉄割の舞台を観に行ったり、多田さんの個展を観に行ったり、の発端。 絵と文章のマッチングが最高で、 この本を見つけてきた人と、わたしと、2人がとりわけ気に入ったのは、 ・タンバリン ・板の間パッチ ときどき優しく、ときどき冷たく。 戌井さんのシュルレアリズム的な文章を 身近に感じられるのは、多田さんの絵の力だと思う。 とてもバランスの良い、だいすきな本。
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戌井昭人さんの本。 『眠るとき、目覚めるときに、いつだって、この本の世界に戻ってゆけるようにって枕もとに置いています。』 とはなんて素敵な帯なのだろう。by 川上未映子
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ぎっしり詰まった玩具箱のような本。あんまりにも詰め込むから、玩具一つ一つの状態がよかったり悪かったり、新しかったり古かったり、まちまちなんです。お気に入りなんて何度も出したり仕舞ったりするもんだから、劣化しまくってほぼ半壊。逆に言うと、半壊になったところでお気に入りはお気に入りだ...
ぎっしり詰まった玩具箱のような本。あんまりにも詰め込むから、玩具一つ一つの状態がよかったり悪かったり、新しかったり古かったり、まちまちなんです。お気に入りなんて何度も出したり仕舞ったりするもんだから、劣化しまくってほぼ半壊。逆に言うと、半壊になったところでお気に入りはお気に入りだから気にもなりません。 シュールでくすくす、113のショートショート。大人用です。
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ゴールデン・ウィーク期間中の中休みに手に取った本。作中のイラストは、多田玲子が担当。装丁は池田進吾。柴田元幸さん関連の出版物を調べていて、『ヴィレッジブックス』社のHPの宣伝文句に惹かれて読んではみたものの、ちょっと期待外れ。不条理でナンセンスなショートストーリーが次から次へと繰...
ゴールデン・ウィーク期間中の中休みに手に取った本。作中のイラストは、多田玲子が担当。装丁は池田進吾。柴田元幸さん関連の出版物を調べていて、『ヴィレッジブックス』社のHPの宣伝文句に惹かれて読んではみたものの、ちょっと期待外れ。不条理でナンセンスなショートストーリーが次から次へと繰り出され、それぞれに「へたうまな」イラストがくっついているのだが、クスリとも笑えない。これはきっと読み手である私のセンスが、この作家やイラストレーター(多田玲子)のセンスと合わないか、かれらとの否応ないジェネレーション・ギャップが存在するせいだろう。
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『おろかものには おろかもののステップがある そのステップ を 気づくかが もんだいだ そんなの知ってますよ 生きるのて(ママ) はずかしいことなんすよ つねにおなかがすきますしね』-『馬鹿の骨頂(多田玲子)』 多分、川上未映子の本を何冊か買った記録が残っているからだろうか、そ...
『おろかものには おろかもののステップがある そのステップ を 気づくかが もんだいだ そんなの知ってますよ 生きるのて(ママ) はずかしいことなんすよ つねにおなかがすきますしね』-『馬鹿の骨頂(多田玲子)』 多分、川上未映子の本を何冊か買った記録が残っているからだろうか、それとも芥川賞の候補になった作家の本を検索した記録が残っているからだろうか、何故かAmazonが全く意識していない方向からお薦めをしてきたので(そして恐らく[すいません、自分のことなのに曖昧で]いしいしんじが推薦文を書いていたからだと思うけれど)この本を手に入れたのだが、手に取って頁を開いて、う~む、と唸る。 ちょっと「合法的に頭のなかに青空が広がります」っていうよりも、頭の中が白くなる。ああ、今こういうユーモアを受け容れる余裕がないんだなあ、ということが分かってしまう。 どちらかっていうと、戌井昭人の文章は10に一つくらいしか、あはは、という気持ちにならなかったけれど、多田玲子の残す言葉は割とツボにはまる(絵の方は、すいません、元々ヘタウムというのがよくわからないもので、、、)。実は、引用は前半と後半で別々の章に付けられたもの(後半は『ぼけた菩薩』)なのだけれど、何となく問答のようなものが成り立っているのを感じて、敢えて続けて引いてみました。
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みじかいみじかい小説集。 文とイラストで構成された、113篇を収録。 ほとんどの文章は1ページに収まる分量。 しかし、いわゆるショートショートとは別物に感じられる。 劇的な感じがしないからかもしれない。 起こっていることは異常だけれども、劇的でない。 だからかなぜか、受け入れて...
みじかいみじかい小説集。 文とイラストで構成された、113篇を収録。 ほとんどの文章は1ページに収まる分量。 しかし、いわゆるショートショートとは別物に感じられる。 劇的な感じがしないからかもしれない。 起こっていることは異常だけれども、劇的でない。 だからかなぜか、受け入れてしまう。 そのくせ物語性はあるから引き込まれてしまう。 絵のかわいらしさも相まって。 かわいくて、まぬけで、グロい。 おとなのための絵本とも言えるのではないでしょうか。 2010/01/07 読了
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