1,800円以上の注文で送料無料

物質のすべては光 の商品レビュー

4.3

9件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2018/10/20

物理学の最先端まで連れて行ってくれるが、なかなか理解がそれに伴わない。ノーベル物理学賞受賞者の著作。

Posted byブクログ

2018/10/19

150418 中央図書館 質量という比例定数も、究極は、ほぼエネルギーである。世界を記述するには法則方程式という言語しかないが、現在のそれは高校物理からはるか隔絶した高次元グリッドをイメージできないと、その足元にも寄れない。

Posted byブクログ

2024/03/08

素粒子物理学で私の理解が欠けていたいくつかのピースがはまった! 強い相互作用、クォーク閉じ込め現象、超対称性理論、ダークマターの候補などについての明晰な説明が嬉しい。 電弱統一理論の説明が詳しかった『標準模型の宇宙』、自発的対称性の破れから質量の意味を説いた『質量はどのように...

素粒子物理学で私の理解が欠けていたいくつかのピースがはまった! 強い相互作用、クォーク閉じ込め現象、超対称性理論、ダークマターの候補などについての明晰な説明が嬉しい。 電弱統一理論の説明が詳しかった『標準模型の宇宙』、自発的対称性の破れから質量の意味を説いた『質量はどのように生まれるのか』と併せて読むと理解が深まるだろう。 物理学者の仮説の提示の仕方が興味深い。著者は漸近的自由性の発見でノーベル物理学賞を受賞している。本書は訳者の注が適切で、理解を助けてくれた。 ・基本粒子(クォーク、反クォーク、グルーオン)の色荷は本来、小さく、ソフトな輻射の方が頻繁に起こる。フーリエ変換を使うと簡単に説明できる。 ・リアリティーの第一の構成要素は、量子活動を盛んに行っている。量子活動は自発的であり、かつ予測不能。しかも、量子活動を観察するには、それを乱さざるを得ない。 ・空間を満たすクォークと反クォークの霧は、カイラル凝縮体と呼ばれる。 ・1.発達する嵐。2.高くつく相殺。3.そのバランスを取ると、アインシュタインの第二法則(m=E/c^2)から質量の95%の起源が生まれる。 ・特殊相対性理論は、ローレンツ変換が前提で光速度cが導入される。量子論は波動ー粒子の二重性から、プランク定数hが導入される。一般相対性理論は、エネルギーー運動量密度には、時空の曲率が含まれているとしているが、その変換係数として、Gが導入される。この3つを使って、普遍的なプランク単位が導かれる。 ・QCDは時間反転対称性の破れを許している(唯一の例外)が、実験ではない。方程式の拡張から、きわめて軽く、きわめて弱い相互作用をするアキシオン粒子の存在が予言される。ダークマターの有力候補。ダークマターのもう一つの候補は、超対称性粒子の一番軽いもの(宇宙の年齢より長い)

Posted byブクログ

2012/07/17

昨今話題になっているヒッグス粒子発見の意味を知りたくて、ヒッグス粒子というキーワードで調べて見つかったので読んでみた。 内容は・・・とりあえず難しかった。これは物理の大学院レベルの人じゃないとちょっと理解の入口にも立てなさそう。 とりあえず自分が理解できたところまで書いてみると...

昨今話題になっているヒッグス粒子発見の意味を知りたくて、ヒッグス粒子というキーワードで調べて見つかったので読んでみた。 内容は・・・とりあえず難しかった。これは物理の大学院レベルの人じゃないとちょっと理解の入口にも立てなさそう。 とりあえず自分が理解できたところまで書いてみると・・・ ・ハドロンの衝突実験から発見された大量の素粒子は超対称性を取り入れることでQCD(量子色力学)として説明できるようになる。 ・また、宇宙は真空ではなく「グリッド」で構成されており、そこでは常にクォークと反クォークが雲状に生成されている。 ・このクォークとグルーオンが反応してハドロンが形成される。クォーク-グルーオン間で働く力は距離が離れる程エネルギーが強くなるので縮まろうとするが、量子力学的な効果により1点には縮まれない。そこである1点のエネルギーでバランスを取る事になる。 ・そのエネルギーに対してm=E/C^2の式から質量が作られる。これがすべての素粒子が持つ質量の起源となる。 ・ただしこの理論は実験値とうまく一致しない。それを一致させるためにはさらに対称性を拡張する必要がある。そうすると電磁力、強い力、弱い力の統一ができ、また、重力もそこに含められる可能性がある。 ・同時にこの追加の対称性により、現状のクォーク、レプトンのさらに2倍の素粒子が存在する可能性が示唆される。これが宇宙を満たしているダーク・マター、ダーク・エネルギーの正体かもしれない。 ・ヒッグス粒子についてはWボソンの質量を説明するものであるが、ハドロンの質量を説明するものではない。 こんな感じか・・・。たぶん正確ではないと思うけど・・・。 もちろん著者もヒッグス粒子の存在が確かめられる事の重要性は認めているのであるが、「話はそれでは終わらない。今の加速器にはそこまで期待してる。」ということのようだ。 というわけで、実際あまりヒッグス粒子の事は触れられていなかったのだが、統一理論の一つの仮説としてまあわかる範囲では楽しめたかなと思う。 それにしてもあまりにも難しいし、説明も足りてない気はしたが。

Posted byブクログ

2011/05/29

著者のフランク・ウィルチェックは2004年にノーベル物理学賞を受賞している。だからいい加減なことは書いていないはずだ。多分。私程度の知識ではかなり難しかった。それでも何とか読み終えることができたのだから、かなりわかりやすく書いてあるのだろう。 http://sessendo.b...

著者のフランク・ウィルチェックは2004年にノーベル物理学賞を受賞している。だからいい加減なことは書いていないはずだ。多分。私程度の知識ではかなり難しかった。それでも何とか読み終えることができたのだから、かなりわかりやすく書いてあるのだろう。 http://sessendo.blogspot.com/2011/05/blog-post_29.html

Posted byブクログ

2021/06/24

質量の起源と力の統一について最前線を紹介 質量としては、陽子の質量のみが分っている状況だが、その確からしさから世界の成り立ちに強い示唆を得ている。 それが、標準模型(コア理論)と、世界を多層の超伝導性質を持つ次元(場)によるグリッドとみなすこと(後者は著者の主張といえそうだが)...

質量の起源と力の統一について最前線を紹介 質量としては、陽子の質量のみが分っている状況だが、その確からしさから世界の成り立ちに強い示唆を得ている。 それが、標準模型(コア理論)と、世界を多層の超伝導性質を持つ次元(場)によるグリッドとみなすこと(後者は著者の主張といえそうだが) 質量の起源に対するポイントは質量(重力)も、電磁気と同じように場を乱したときに起こる力という主張。 現状の理論は、間違いを含んでいることは確かだが、大きくは確からしい(大きなどんでん返しはなさそう)という著者の指摘は確からしいと感じる。 本書を通して大統一理論(宇宙や存在に対する、人間が可能な理解の極限)への眺望を見ることができる。 なお、理解や理論の意味の捉え方について、理論からリアルが確認されるというよう表現等が再三でてくることから、科学的実在論か? 一方、ゲーテルやチューリングを引用して理解(圧縮)の限界を示している点もある。さらに、「圧縮」という用語を使っている点からもチャイティンの主張を考慮していると考えられるので、人間の理解の限界との関係を実在論的な立場からどのように著者が認識しているのかは良く分らなかった。 答えがある話しではないが、興味がある。

Posted byブクログ

2010/11/12

ノーベル物理学賞学者の著者のアイディアが盛りだくさん。自然界の四つの基本的な力のうち三つを統合するコア理論、そして超対称性という外縁を導入して重量も含めた自然界の四つの力すべてを統合しようとする超対称性大統一理論が独自の表現で説明されている。ウィルチェックによると、普通の物質の質...

ノーベル物理学賞学者の著者のアイディアが盛りだくさん。自然界の四つの基本的な力のうち三つを統合するコア理論、そして超対称性という外縁を導入して重量も含めた自然界の四つの力すべてを統合しようとする超対称性大統一理論が独自の表現で説明されている。ウィルチェックによると、普通の物質の質量の95パーセントは、それ自体は質量をほとんど、あるいは全くもたないクォークとグルーオンの活動にから生まれる。そして、その活動はエーテル概念を洗練させたグリッドに支えられている。 また、宇宙の質量の95パーセントをしめる、ダークマターやダークエネルギーについても触れている。

Posted byブクログ

2010/03/08

Nobel物理学賞を受賞したWilczekによるアウトリーチ活動 原題は「The lightness of being: mass, ether, and the unification of forces」 「存在(物質)の軽さ」とでも訳せばよいだろうか,ちなみにlightn...

Nobel物理学賞を受賞したWilczekによるアウトリーチ活動 原題は「The lightness of being: mass, ether, and the unification of forces」 「存在(物質)の軽さ」とでも訳せばよいだろうか,ちなみにlightnessは光と軽さをかけている. 本書の主要な構成は ・物質の起源 詳しくは質量の起源 ・重力について ・今後の物理の主要な問題(ダークマター,エネルギーなど) 物質の起源が本書の95%を占めていて,その他で5%(笑) 数式はあまり書かれていないが,書かれている内容は本格的(専門家のために巻末に数学的な記述あり). 少なくとも素粒子って何?という人は読むのが大変だろう. スタンダートモデルや標準模型などの言葉くらいは基礎知識として知っておくと読みやすいと思われる. さて,物質の起源は良くHiggs粒子を引き合いに出して説明されることが多いようであるが,本書は場の量子論をそれほど詳細に述べること無しに鮮やかに「質量とは何か?」という問いに答えている.と言っても,当然場の量子化は必要であるので,本書はそれをグリッドという概念とEinsteinのE=mc^2という式を用いて説明している. もっとも圧巻なのが量子色力学(QCD)からの帰結である粒子のスピンと質量の予測値と実測値がぴったりあうことの説明(p.190). QCDではuとdクォークの質量,sクォークの質量および結合定数の3つ(たった3つ!)をパラメータとして,数値計算を行うと,なんと他の粒子を一義的に予測でき,かつそれが実測値と近いということである.そして,観測されていない粒子を予測しない. これこそ,現代の物理学がなしえた知的偉業というにふさわしい. 次の重力に関する話は,あまり詳細な議論はしていない. 重力について詳しく知りたい人は,Brian Greeneの「エレガントな宇宙」「宇宙を織りなすもの」などがオススメ. 現代の素粒子理論物理学の最前線で活躍している著者による,現在までの物理学のなしえたこと,そして今後解決していく必要がある課題が,一般人にも読むことができるすばらしい書籍.

Posted byブクログ

2010/03/04

 まさに毎日少しずつ読み進めているところ。内容は理論物理の今昔物語みたいな感じか。まだ最新の研究内容まで読み進んでいないのですけれど、理系出身の私にも難解な部分がたくさんあります。気軽に読める本ではありません。また、原著の雰囲気を壊さないようにしているためか、翻訳が少し直訳的に感...

 まさに毎日少しずつ読み進めているところ。内容は理論物理の今昔物語みたいな感じか。まだ最新の研究内容まで読み進んでいないのですけれど、理系出身の私にも難解な部分がたくさんあります。気軽に読める本ではありません。また、原著の雰囲気を壊さないようにしているためか、翻訳が少し直訳的に感じられるの原因の一つかもしれません。  しかし、噛み応えは十分です。時間はかかりますが読むこと自体はとてもエキサイティングです。

Posted byブクログ