1,800円以上の注文で送料無料

聖灰の暗号(下) の商品レビュー

3.8

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/09/03

2010初読 2023/8再読 〈十字軍〉はイスラム勢力と戦ったものだけでなく、ヨーロッパ内でも、“異端”と決め付けたカタリ派の迫害に関わったものもあったことを知った作品。一体、ローマ教皇庁は、過去の総括をしているのだろうか? 

Posted byブクログ

2021/06/14

圧巻のレイモン・マルティの手稿!!マルティは、14世紀、カタリ派を弾圧するローマ教会の審問官について記録するドミニコ会の修道士なのだが、カタリ派の指導者が聖書のイエスの言葉を引用して審問官を糾弾していく姿を見て、本当のキリスト者はカタリ派の人々ではなかったかと思い始めるのだ。マル...

圧巻のレイモン・マルティの手稿!!マルティは、14世紀、カタリ派を弾圧するローマ教会の審問官について記録するドミニコ会の修道士なのだが、カタリ派の指導者が聖書のイエスの言葉を引用して審問官を糾弾していく姿を見て、本当のキリスト者はカタリ派の人々ではなかったかと思い始めるのだ。マルティとカタリ派の指導者との心の交流は感動的である。イエスは罪と冒涜と腐敗を拒む人々は迫害されると言ったが、その迫害者こそローマ教会である。はっきり言って、ローマ教会は人殺し集団だ。この小説の現代の場面においても、この14世紀のマルティの手稿を抹殺しようと殺人を繰り返したり、誘拐事件を起こしたりするのは教会の手先たちなのだ。あとがきを書いている陣野氏が、フランス語に翻訳されるべきだと言っているが、難しいかもしれない。カトリックに対する明らかな糾弾であるから。問題作だ。排他的で好戦的な宗教に対する挑戦である。カタリ派の平和的で平等で敬虔な宗教観は見直されるべきかもしれない。

Posted byブクログ

2021/02/12

長き眠りから覚めた古文書は、須貝たちの胸を揺さぶった。神を仰ぎ慎ましく暮らしてきた人びとがなぜ、聖職者により、残酷な火刑に処されなければならなかったのか。そして、恋人たちの目前で連続する奇怪な殺人事件。次々と暗号を解いてきた須貝とクリスチーヌの行く手には、闇が顎を開けていた。遙か...

長き眠りから覚めた古文書は、須貝たちの胸を揺さぶった。神を仰ぎ慎ましく暮らしてきた人びとがなぜ、聖職者により、残酷な火刑に処されなければならなかったのか。そして、恋人たちの目前で連続する奇怪な殺人事件。次々と暗号を解いてきた須貝とクリスチーヌの行く手には、闇が顎を開けていた。遙かな過去、遠きヨーロッパの地から、いま日本人に問いかける、人間という名の難問。

Posted byブクログ

2019/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

もっとミステリ色が強い作品を期待していたんだけど、どちらかといえば”カタリ派”の歴史に重きを置いた話だった。ちょうど『アフリカの蹄』と同じようなテイスト。しかしアパルトヘイトはともかく、カタリ派なんてマイナーなところによくスポットを当てたな。Googleで検索しても、携帯サイト込みで4,600件くらいかヒットしない語なのに。 宗教ってやっぱり怖いな。盲目的に何かを信じている人って、争いが絶えないイメージ。 けれど創作の手記はなんだかリアルで、よく出来ているな~と思った。

Posted byブクログ

2018/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

13世紀南フランスで起きたキリスト教異端排除の物語 異端とされたカタリ派の信者が審問され、投獄され、家族にさらされ火刑で死んでいく。 その気の狂うような模様を記された手稿の発見、争奪そして殺人と、今もまだ続く悲劇がが炙り出されている 帚木蓬生の物語、ここでもマドンナ、クリスチーヌが出てきたよ

Posted byブクログ

2018/04/14

歴史学者・須貝彰は、南仏の図書館で世紀の発見をした。 異端としてカトリックに憎悪され、十字軍の総攻撃を受けたカタリ派についての古文書を探りあてたのだ。 やがて運命的に出会った精神科医クリスチーヌやエリック。 長き眠りから覚めた古文書は、須貝たちの胸を揺さぶった。神を仰ぎ慎ましく...

歴史学者・須貝彰は、南仏の図書館で世紀の発見をした。 異端としてカトリックに憎悪され、十字軍の総攻撃を受けたカタリ派についての古文書を探りあてたのだ。 やがて運命的に出会った精神科医クリスチーヌやエリック。 長き眠りから覚めた古文書は、須貝たちの胸を揺さぶった。神を仰ぎ慎ましく暮らしてきた人びとがなぜ、聖職者により、残酷な火刑に処されなければならなかったのか。 須貝は、後世に密かに伝えられた“人間の大罪"を追い始める。 そして、次々と起こる関係者の不審な死・・・。 暗号解いたり、いろいろ、ご都合主義っぽいけど、まぁそれは致し方ないか~w なかなかエキサイティングだったけど、これが信仰者のたどった歴史となると、やはり胸が痛むな。。。 構想三十年、時代に翻弄された市井の男女を描き続ける作家が全身全霊をこめた、歴史ミステリ、だそうな。

Posted byブクログ

2018/01/14

読みごたえある古文書。これは創造物ですか。すごいですね。細かな描写が現実味を感じさせました。あっという間に読了。面白かった。

Posted byブクログ

2017/05/24

先が気になるのに、読み終わりたくないほど、引き込まれてしまう帚木さんの小説。今回は、初めて知るキリスト教の闇の面が浮き彫りにされていた。 宗教と正義は、いつも戦いや差別を引き起こす。せめて、歴史に学びたいと、頭を垂れる気持ちになりました。 フランスの風景の美しさや、食事も美味しそ...

先が気になるのに、読み終わりたくないほど、引き込まれてしまう帚木さんの小説。今回は、初めて知るキリスト教の闇の面が浮き彫りにされていた。 宗教と正義は、いつも戦いや差別を引き起こす。せめて、歴史に学びたいと、頭を垂れる気持ちになりました。 フランスの風景の美しさや、食事も美味しそうに描写されていて、とても興味を持ちました。

Posted byブクログ

2016/07/30

こうやって歴史の表舞台から抹殺されたり、生き残った勝者によって事実を曲げられたりした者はたくさんいるのだろうな。

Posted byブクログ

2016/06/11

宗教には関心がないがキリスト教も複雑な。勿論仏教もイスラム教も然りだが。外(全く異質のもの)に対しては一丸となり勝敗が明確だが内部抗争となると、止め処ない執拗さが継続する。会社という組織も同様だ。

Posted byブクログ