さよなら群青(2) の商品レビュー
グンが波切島の汚れ者ゴンズイの吐物をなめて、丸薬を与える衝撃の?シーン。ゴンズイには近づくなと言う言葉に「ワシや岬と同じ人間じゃと思うがな」。島と島との争いにグンはついに島から追い出されてしまう。
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ようやくグンの思いが通じたかと思いきや 本人たちの意思を無視して島を出る準備が整う。 どちらもまだ子供だから致し方ないとはいえ 16年間父以外を見たことのない少年にはむごい。 早く3巻が読みたい。
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初恋の相手である海女の岬や、文字をおしえてくれる元気な少女まみ、女ったらしの宮司や、気のいい漁師の翔など、親しくつきあう仲間もできて、島の生活にもだいぶなじんできたグン。でも、そんなかれをうとましくおもう人間は、まだすくなからずいた。かれの父が関わっていたらしい、15年前のある事...
初恋の相手である海女の岬や、文字をおしえてくれる元気な少女まみ、女ったらしの宮司や、気のいい漁師の翔など、親しくつきあう仲間もできて、島の生活にもだいぶなじんできたグン。でも、そんなかれをうとましくおもう人間は、まだすくなからずいた。かれの父が関わっていたらしい、15年前のある事件。それはいまだ島民のこころに影をおとしているようだ。ながい黒髪でいつも顔を覆っている不気味な女、松子もそのひとり。彼女はあるときグンのもとへやってきて、そのおぞましい全貌を語る。松子の夫は、かれの父が属してたという青龍王会に監禁され、そしてころされ、海に捨てられ、バラバラ死体となって発見された。最愛の人をうしない、彼女自身もかれらに強姦され、松子はその後かなしみのあまり顔を焼いてしまう。「おまえをゆるさない」という彼女の告白を、しかし、グンはまっすぐにうけとめる。やがて一月がたち、かれの処遇をどうするか、住人のあいだで話し合いがもたれるのだが……。一巻ではパッとひらけるグンの視界にとてつもない解放感があり、そのめくるめくあたらしい世界はまばゆいばかりで、ほんとうにわくわくしたのだけれど、島の生活になじめばなじむほど、かがやきがうしなわれ、これはたぶん錯覚なのだろうが、村社会の閉塞感さえ増していく気がして、ちょっとどんよりした。そのうえ松子がすべて(?)をあきらかにしたことで、ミステリとしてのおもしろさも半減、書き出しの吸引力をもうしなってしまった。このまま単なる青春ドラマになっていくのだとしたら、おそらくそれほどこころおどらないだろう。
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