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世界を変える「場所的経営」 の商品レビュー

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2012/02/03

大量生産大量消費を前提とした20世紀型の企業のあり方を疑い、共存共栄を可能とする社会のあり方を提案している。 世の中の変化に応じて「場」を見つけだし、その場を拠りどころとして、市場のニーズと自社のモノづくりをすり合わせる。 面白いのは、企業を生物的に捉えている点。生物が変化す...

大量生産大量消費を前提とした20世紀型の企業のあり方を疑い、共存共栄を可能とする社会のあり方を提案している。 世の中の変化に応じて「場」を見つけだし、その場を拠りどころとして、市場のニーズと自社のモノづくりをすり合わせる。 面白いのは、企業を生物的に捉えている点。生物が変化する環境を生き抜く為に進化し、結果的にDNAが作られてきたように、 企業も「生き延びる」という視点に立ったとき、すみわけできる「場」を拠りどころとして成長し、その企業独自のDNAをもつという思想。 そのDNAとはおそらく、社員が共通してもつ理念や価値観というような物なのではないか? これらの理念・価値観に基づいて、社員の基本的な行動・思考パターンが決まってくると考えられる。 本書は、この生物体である企業が「場」≒「環境」「市場」を理解する為には、欧米型の「論理知」だけでは不十分であり、日本型の「感覚知」が必要と説く。 「場」の情報は、論理的に整理された言語化情報だけでは表現しきれず、結果、それらを元にしたディベートだけでは「場」への適合が不十分となる。 その結果、「感覚知」による「場の理解」という情報取得とそれらを伝える「すり合わせ」という意志伝達手法が必要になる。 「場の理解」には、「現場」における判断が重要になることから、欧米型企業でありがちの機能的分化はなじまず、 製・配・販が一体となった組織が必要である。この辺りは京セラの稲盛氏の「アメーバ経営」に通じる部分と思う。 「すり合わせ」には、相手の立場や考えに共感し、読み取ろうと努力することであり、即ちインサイトを読み取るということであり、 この辺りは「空気を読む」というような表現に近い部分と思う。 これらの「感覚知」により「場」を捉えて対応する企業活動によって、マーケットに適合できるようになる為、 結果として環境変化に強い、不要な他社との競争を廃した「生き延びる」企業となることができる。 全体通して表現が観念的でとても理解が難しい本です。。。

Posted byブクログ