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誰かがわたしを壊すまえに の商品レビュー

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2010/09/29

13歳のジャジーラはまるみをおびて女らしくなってきたじぶんのからだにはずかしさをかんじている。母親は同居する恋人を意識して、そんな娘を疎ましがり、わかれた父親のもとへ追いやってしまう。しかし、テキサスに住むアラブ系の父親はとても厳格で、一緒にいると息がつまって、まるで心やすらげな...

13歳のジャジーラはまるみをおびて女らしくなってきたじぶんのからだにはずかしさをかんじている。母親は同居する恋人を意識して、そんな娘を疎ましがり、わかれた父親のもとへ追いやってしまう。しかし、テキサスに住むアラブ系の父親はとても厳格で、一緒にいると息がつまって、まるで心やすらげない。そんな環境のもとで、彼女が親しくなったのは隣家の中年男だった。ジャジーラは孤独につけこまれ、やがて歪んだ関係を強いられていく……。差別、偏見、宗教、虐待、いろいろな問題が織り込まれた本書だが、性的搾取の抵抗手段として、大切なことのほとんどすべてが書いてあるといってもよい。ぜひこどもに読ませたい一冊。とはいえ指南書ではなく、愛に飢えた少女がやみくもに他人をもとめた結果、きずついたがまた求めるものを得たというはなし。それでもまだまだ不安定で、あぶなっかしいのだけれど、守ってくれる人と守るべきものに囲まれた、あかるい未来のかんじられるラストでよかった。きずつけられてなお相手をしんじようとする、愚かさがいかにもこどもらしくリアルで、痛々しいと同時にみずみずしい。原題は「タオルヘッド」

Posted byブクログ